9月24日、全国醸造機器工業組合の総会とセミナーに参加しました。場所は東京・日比谷公園にある松本楼。セミナーの講師は、宮城県の「仙台伊澤家 勝山酒造株式会社」の伊澤治平社長。タイトルは「世界をめざせ! 伊達之殿様酒による日本酒革命と新マーケティング戦略」でした。
75銘柄1,500石あったものを純米酒のみ4種類で300石に減らし、鑑評会レベルのスペックのみにしたという、思い切った経営戦略にはとても感心させられました。低温で遠心分離する技法で作る純米大吟醸「遠心しぼり・暁(AKATSUKI)」や、「キレる甘さ」の純米大吟醸「純密薫酒・元(GEN)」など、他にないユニークな酒造りを実践されています。セミナー後の懇親会で「元(GEN)」(720mlで10,500円!)をいただきましたが、貴腐ワインのような味わいでとても美味しく飲ませていただきました。
「勝山は日本酒をデザインする蔵」「麦偏の「麹(こうじ)」は中国で麦を使っていた事に由来する、日本酒は米でつくるから米偏の「糀(こうじ)」を使用している」「キャップはもっと高級感のあるものに」「醸造機器メーカーは蔵元任せにせず良い酒造りのノウハウも合わせて提案して欲しい」など、業界に関連する業者として大変参考になりました。
講演の後、来賓として挨拶される日本酒造組合中央会の岡本副会長。古川国家戦略担当大臣を中心に、日本の「國酒」である日本酒・焼酎・泡盛の認知度の向上と輸出促進に取り組むため「國酒等の輸出促進プログラム」が動き出したと、租税特殊措置法87条の延長、恒久化についても国税庁を通して財務省に要望していること、などのお話がありました。
こちらは全国醸造機器工業組合の井上理事長(第一工業社長)。伊澤社長の講演に触れて、醸造機器メーカーは蔵元と共に良い酒造りができる機械装置を作らなければならないと挨拶されました。
逆風の業界にあって、日本酒の可能性や潜在力を感じることのできた、大変有意義な総会とセミナーでした。
取締役東京支店長 野田高司