【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

吉永小百合『旅に夢みる』講談社、2003年

2010-12-14 00:21:00 | エッセイ/手記/日記/手紙/対談
               旅に夢みる
 映画女優、吉永小百合さんの旅に関したエッセイ集です。吉永さんは1959年に映画界デビューし、100本以上の映画に出演しています。代表作は、「キューポラのある街」「動乱」「おはん」「華の乱」「長崎ぶらぶら節」「北の零年」「母べえ」「おとうと」などです。「華の乱」(深作欣二監督)は未見ですが、吉永さんが与謝野晶子役、鉄幹に緒方拳、有島武郎に松田優作、波多野秋子に池上季実子さん、大杉栄に風間杜夫さん、伊藤野枝に石田えりさん、島村抱月に蟹江敬三さん、松井須磨子に松坂慶子さんですから、面白そうです。

 6つの旅の扉があり、最初が「ふるさと東京」。そこから出発して、映画のロケ地である川口、長崎、京都、稚内の紹介があります。

 川口はいわずと知れた彼女が主演した「キューポラのある街」のロケ地です。長崎では「長崎ぶらぶら節」の紹介が・・・。京都では「時雨の記」「細雪」について語られています。

 これ以降は、外国の旅事情で、フランス(ヴェルサイユ、オルレアン、パリ、ブルターニュ)、イタリア(ミラノ、ヴェローナ、ヴェネチア、ベルガモ)、アメリカ(シアトル、ポート・タウンゼント、ハリウッド、スコッツデール)、中国(上海、蘇州)と続きます。

 気取ったところは全くなく、普段着のままの叙述です。たくさんの映画を観ているようで、その記述の部分には随分共感がもてました。

 また原爆の詩の朗読は彼女のライフワークのひとつになっていますが、その平和への願いも素直な心そのままです。

 アリゾナ州のタリアセン・ウエストのことが建築家のフランク・ロイド・ライト氏との関わりで登場します。タリアセンという地名は軽井沢にもあり、その地名の淵源はこのライトの拠点です。懐かしい響きがありました。

 豊富な写真が並んでいてそれぞれに興味をひきます。「キューポラのある街」でしょうか、浦山桐郎監督から野球のバッティングの指導を受けている彼女の写真が掲載されていて可愛いです。

 そうそう、このあどけない表情に惹かれたサユリストが昔はたくさんいたのでした。
               

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