【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

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劇団四季「キャッツ」公演プログラム

2011-07-12 16:31:59 | 演劇/バレエ/ミュージカル

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 先日の日曜日に、知人をつれて再び横浜キャノン・キャッツ・シアター(横浜みなとみらい)に「CATS」を観に行きました。今度は筋も、背景も、いろいろな基礎知識ができかけてきたうえ、CDで何度も歌とコーラスを聴いていたので、理解が深まりました。

  マンカストラップ、マジカル・キャッツ、ジェニエニドッツ、ラム・タム・タガー、バストファージョーンズ、シラバブ、アスパラガス、グロールタイガー、タントミールなどの個性が理解できます。

 会場で、公演プログラムをもとめました。プログラムには浅利慶太さんが「キャッツ全国を往く-日本の演劇界の常識を変えた全国ロングランの舞台裏」という記事を書いています。1983年11月11日に旗揚げをしてから、劇団員がへとへとになって、公演した履歴が綴られています。
  ロングラランに貢献したサンケイ新聞の役員清水大三郎、電通取締役の成田豊、共同主催者のフジテレビの鹿内信隆さんの長男の春夫さん、当時の社長の石田達郎さん、味の素の宣伝担当常務の杉浦欣介さん、が次々に紹介されています。次いで大阪、名古屋、福岡、札幌公演と事業展開していく様子も簡潔にまとめられ、キャッツ公演の歴史を鳥瞰することができます。

 「キャッツ」が27年間続いてきた理由について(バブル崩壊、円高不況、リーマンショックが引き金となった世界的金融危機を経て)、佐久間康夫(青山学院大学文学部教授)「『キャッツ』とともに生きるしあわせ-なぜロングランは可能になったのか」、石原洋子(慶應義塾大学教授)「一時代を画した『キャッツ』-劇団四季の大いなる戦略シフト」が寄せらています。
 また「キャッツ」にまつわるエッセイが4本掲載されています。(鳥居民[中国現代史研究家]「『ハマッコ』のキャッツと踊場のネコ」、池田あき子[絵本作家]「『キャッツ』とダヤンは同い年」、河原成美[力の源カンパニー取締役]「『キャッツ』は何歳(いくつ)で観るべきか」、桐生典子[作家]「過去と未来のあいだ」)。そしてキャッツのキャラクタの紹介ページ、キャスト紹介という構成です。

 生涯最後に観る芝居はキャッツと決めている佐久間康夫さんは「『キャッツ』とともに生きるしあわせ-なぜロングランは可能になったのか」のなかで「キャッツ」の魅力を語り、その理由としてキャッツのもとになったエリオットの詩の訳のよさ、ダンサーの熱意をあげています。

 石原洋子さんは、劇団四季の事業展開のユニークさをユニクロとの類似で語っています。すなわちユニクロがアパレル界の常識を打ち破り、生産、流通の管理で川上から川下までを一体化したように、劇団四季は劇団と劇場の一体化をはかるととともに、広告、PR、チケット販売を周囲の企業や組織と連携することで、オープン化するという経営戦略をとったのです。ここに成功の秘密があると指摘しています。


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