【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

「池袋モンパルナス展」(板橋区立美術館)

2011-12-30 00:36:56 | 美術(絵画)/写真

 板橋区立美術館で「池袋モンパルナス展」が開催されています。来年の1月9日までです。板橋区立美術館に行くには、JR池袋駅から地下鉄有楽町線に乗り換え、「地下鉄赤塚」で下車、そこから徒歩ですと25分ぐらいです。一本道を道なりに歩いていけるので、迷うことはありません。バスも走っていますが、運動のため、往復歩きました。

 池袋モンパルナスとは、今から約80年前、現在の池袋駅を中心とする一帯に、アトリエ付き住宅があったところです。借家人募集のビラや口コミで集まった画学生、靉光(あいみつ)、麻生三郎、寺田政明ら画家、評論家、詩人、演劇関係者などが集い、喫茶店、酒場で芸術論を交わされたそうです。その中の1人、詩人小熊秀雄はこの集落を芸術の都パリのモンパルナスをイメージしつつ「池袋モンパルナス」という詩とエッセイを残し、その由来で池袋モンパルナスの名があります。

 1930年代半ばになると、軍靴がせまりきて、画家たちのあるものは召集を受け、従軍しました(兵隊や画家として)。この時期、若い画家たちの間で流行したシュルレアリスム風の絵画は、戦時中の文化や思想の統制により発表ができなくなりました。

 この池袋モンパルナスについては、宇佐美承の名著『池袋モンパルナス』(集英社)があり、本ブログでも、2009年2月15日付で紹介しました。

 今回の展示会では、1930~1940年代を「池袋モンパルナス」で過ごした画家、寺田政明、古沢岩美、井上長三郎、鳥居敏文と彼らが交友関係にあった画家、詩人の作品が展示されていました。また、池袋美術家クラブ、独立美術協会、新人画会、創紀美術協会などの活動もしのばれます。

 アトリエ村に暮らした画家、吉井忠の日記の一部が紹介されています。寺田政明、麻生三郎、詩人の高橋新吉らの名前も散見される吉井の日記からは、池袋モンパルナスの日々の生活が読みとれます。

 地味ではありますが、いい展示会でした。
    ←小熊秀雄「夕陽の立教大学」

     ←吉井忠「二つの営力」

     ←長谷川利行「水泳場」

      ←麻生三郎「男(自画像)」  


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