東京国立博物館・平成館で「特別展 黒田清輝-日本近代絵画の巨匠-」が開催されていました。今日までです。
黒田清輝と言えば、「読書する女」「湖畔」などで有名です。この展覧会でもこの2点が美術の教科書に出ていた絵画ということを謳っていました。
全体をみると黒田の大きな、広い画業を知ることできます。黒田は若くして法律を学びにパリに渡りましたが、向こうで画家としての途を進む決意を固めました。そのことを父親に伝える書簡が展示されています。
黒田は、コランに師事し、頭角を現します。とくに西洋絵画の基本にある人間の肉体の美しさの表現を学ぶようになります。それまでの日本絵画になかったコンセプトでした。しかし、裸婦像は日本の土壌ではなかなか受け入れられず、スキャンダルになったり、批判の対象にもなりましたが、地道にその意味を日本の画壇に浸透させていきます。
展示会には、黒田がコランらから学んだ裸婦の絵画やデッサン、またミレーなどの影響を受けた庶民の生活をモチーフにした作品、さらに肖像画、花々を描いた作品が、大変たくさん展示され、さながら黒田の芸術活動の全体がわかるように構成されていました。
昭和20年5月に焼失した旧東京駅には、黒田の天井画があったそうです。空襲で焼けていまはありません。この他、大作が焼けて無くなってしまったようで、残念でした。
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