【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

唐招提寺(奈良散歩⑤)

2010-04-06 02:29:11 | 旅行/温泉


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 最終日も、レンタカーを借りて奈良、そして京都伏見の平等院まで足をのばして、京都駅で車を返しました。

 唐招提寺は奈良市の五条町、いわゆる西の京と呼ばれるエリアにあり、鑑真和尚の創建による古刹です。南部六宗の一つである律宗総本山。本尊は廬舎那仏。井上靖の小説『天平の甍』でよく知られています。

 南大門(1960年の再建)をくぐると正面に金堂(国宝)があります。背後には講堂(国宝)が控えています。このほか、境内西側に戒壇、北側に鑑真廟、御影堂、地蔵堂、中興堂、本坊、本願殿、東側に宝蔵(国宝)、経蔵(国宝)、新宝蔵、東塔跡といった伽藍の配置です。

 10年ほど前に来た時には、金堂は修復中でした。今回は修復も済み、たっぷりと仏像を拝観しました。圧巻です。
・乾漆廬舎那仏坐像 - 像高304.5㎝。奈良時代末期、8世紀後半の作です。廬舎那仏は、大乗の戒律を説く経典である『梵網経』(5世紀頃中国で成立)の主尊です。像は千仏光背を負い、蓮華座上に坐しています。東大寺のそれと似ています。光背の千仏は、864体が残っているそうです。

・木心乾漆薬師如来立像 - 像高336.5㎝の高さがあります。廬舎那仏像とは造像技法が異なり、木心に木屎漆(こくそうるし)を盛り上げて造形した木心乾漆像です。平安京遷都後の作と推定されています。

・木心乾漆千手観音立像 - 535.7㎝の高さです。奈良時代末期の作で、廬舎那仏像よりはやや時代が下がるとされています。千手観音像は一般に40手(合掌手を含めて42手)で千手を表現するものが多いらしいですが、この像は実際に1,000本の手をもち、大手42本の間に小手がびっしりと植え付けられています。現在は953本とのことですが、当初は計1,000本の手を有していたのが、長い歴史の中で若干損なわれてしまったようです。

・木造梵天・帝釈天立像 - 像高はそれぞれ186.2及び188.2センチメートルで、奈良時代末期 - 平安時代初期の頃の作品です。

・木造四天王立像 - 像高は185.0 - 188.5センチメートル。これも奈良時代末期 - 平安時代初期の頃の制作であろうと推定されています。