遠藤展子『藤沢周平 父の周辺』文芸春秋社、2006年
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著者は,藤沢周平のひとり娘です。
現在、「藤沢周平記念館」の準備などをしています。その彼女が父(本名:小菅留治)の日常を、普段着の言葉で語っているのがこの本です。
周平は生前、 肺を病み、手術しました。そのときの輸血のさい菌が入り、慢性の肝炎に、お酒も止めて漢方でだましだまし生活、執筆していました。
最初の妻を癌でなくし、その後、再婚。著者は最初の妻の子です。
周平が再婚した相手は、よく尽くし、肝っ玉も大きく、気のつく女性だったとのことです。周平の作家生活を前面的に支えました。
周平は作家生活を除けば、ごく普通のお父さんでした。趣味は映画、音楽鑑賞、散歩、コーヒー、囲碁。高校野球観戦、相撲観戦をたのしみ、適度に怒りっぽく、そして寡黙。生活は規則的だったとのことです。
著者が幼少の頃は、童話を読んでくれたり、動物園に連れて行ってくれたり・・・。あまり父親の書いた小説は読まなかったようですが、最近は読むようになったとありました。