【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

有馬稲子さんの自伝

2009-04-18 00:20:25 | 評論/評伝/自伝
有馬稲子『バラと痛恨の日々』中央公論社、1998年        
        

 有馬さんは、この本によると、複雑な家庭と環境のなかで育ったようです。「ママ」と思っていたのは実父の姉でした。4歳で韓国の釜山のこの伯母夫婦にもらわれ,一度小学3年のときに一端大阪に帰りますが、実父母となじめず,韓国に戻りまる。

 戦後,21年11月ごろ密航同然で日本に帰国しました。再び実父母のもとに身をよせましたが,スパルタ教育に苦しみました。その後、友達の勧誘で宝塚に合格しました。女優人生が始まりました。

 思い出の映画は「彼岸花」「夜の鼓」「わが愛」など、とか。新劇では宇野重吉に鍛えられ,木村光一さんと出会って「はなれ瞽女おりん」の主役を得ました。ロンドン公演(ジャパン・フェスティバル91)で大成功,激賞されました。

 中村錦之助,実業家Sとの2度の結婚に失敗。そんな彼女は書いています,「『家族』,それはわたしにとって永遠のテーマ・・・・もとめ続けてついに得られなかったもの」(pp.213-214),「意識の薄れる瞬間,生きていてよかったと,愛する人の腕の中で呟きたいという夢。そんな夢が,まだ捨てきれないで残っているのだ」(p.216)と。

 川端康成,岸恵子,太地喜和子,宇佐美宜一,大河内豪との交流の記,運転免許取得の記。いずれも面白いです。

 有馬さんには数年前の12月、「地人会」のパーティーでお会いしました。

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