【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

世界でいちばん面白い英米文学講義-巨匠たちの知られざる人生-

2009-08-30 00:46:24 | 評論/評伝/自伝
エリオット・エンゲル/藤岡啓介訳『世界でいちばん面白い英米文学講義-巨匠たちの知られざる人生-』草思社、2006年

            世界でいちばん面白い英米文学講義―巨匠たちの知られざる人生


英米の作家のなかで・・・・
 ①アメリカのベスト4の作家は?
 ②小説の分野での初めてのコミック・アイロニストで、「完全な小説」を書いた作家は?
 ③殺人者や自分自身が狂人である者の心理学的な視点から「恐怖物語」を書いた最初の作家は?
 ④アメリカ人の言葉で初めて書いたアメリカの作家は?

 答えは①はヘミングウェイ、フォークナー、フィッツジェラルド、スタインベック、②はジェーン・オースチン、③はエドガー・アラン・ポー、④はマーク・トゥエンです。もっとも答えはこの著者、エンゲルによれば・・・ということです。

 本書は英米の小説家の「とっておきの話」を軽妙な語り口での講義を、活字におこしたものです。面白い話し、興味深いは話がいっぱい、つまっています。

 自身の小説を売り込む商才をもっていたディケンズ、シェークスピアの脚本のグローブ座での公演は大変だった、下手な役者にはトマトがなげつけられたというのだから、ブロンテ姉妹の姉のシャーロットの「ジェーン・エア」は小説のなかでも最高峰のもの、彼女は器量があまりよくなかったが晩年結婚したが39歳で亡くなった(「嵐が丘」のエミリー・ブロンテは30才で没)。ジェフリー・チョサーの「カンタベリー物語」は猥本よりエロチック、マーク・トゥエンはペン・ネーム(船乗りが水深を測るときの掛声)、コナン・ドイルはシャーロック・ホームズを創りだした男と後世の人々に記憶されるのを忌み嫌っていた、D・H・ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」はセックスの美しさ、女性を救うセックスの力について正確に語った小説、等々。

 こういう授業は、若いころに聞きたいものです。間違いなく英米文学を英語で読みたくなりそうです。

 原題は、"A Dab of Dickens & A Touch of Twains"で、『ディケンズひと刷毛、トウェイン少々』といことで、邦題とはかなり違います。

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