何をもたらす 安倍「規制改革」② 暮らしを守る制度壊す
安倍政権が企業単位の規制緩和のために打ち出したのが「企業実証特例制度」と呼ばれる仕組みです。特定企業の新技術の開発、新商品の障害になる規制の撤廃・緩和を「特例的に」認めるもの。対象は全ての企業(グループ)とされ、その事業に関して安全性などを確保する措置が実施されることが条件とされます。
新規事業の規制適用の有無を事前に確認できる「グレーゾーン解消制度」も創設します。この制度が有益と見なされれば、「全国単位の規制緩和の入り口になる」(経済産業省の担当者)としています。

職場に通う人たち=東京都内
労働時間規制も
企業の思い通りに雇用や労働時間の規制が取り払われる危険は否定できません。
茂木敏充経産相は、「企業から労働規制に関する規制緩和の要求があった場合には、所管省庁がその内容を精査した上で、厚生労働省と協議、調整することが想定されている」(10月29日の衆院本会議、日本共産党の塩川鉄也議員への答弁)と述べ、労働時間などの規制緩和もありうるとの考えを示しました。
特定企業のために規制をなくしたり、緩めたりすることはこれまでに行われたことがありません。それだけに規制緩和の中身が問われます。多国籍企業の利益追求の論理が優先されれば、国民や中小企業の立場は後景に追いやられ、暮らしを守る基準や制度が壊される突破口にされることは明らかです。
財界が導入要求
「企業特区」ともいうべき仕組みは財界が要求してきたものです。今年4月3日に開かれた産業競争力会議テーマ別会合。東レ会長の榊原定征(さだゆき)氏(元経団連副会長)が「法人単位の実証特例制度を実現していただきたい」と求めていました。その後、5月の同会議で茂木経産相が制度導入を表明。産業競争力強化法案に盛り込まれることになったのです。
全国規模で実施がねらわれる規制緩和で焦点になるのは、「雇用の流動化」を名目にした有期雇用の延長など労働法制の規制撤廃や医薬品のネット販売解禁などです。暮らしの安心・安全が脅かされる重大間題です。
国民生活をないがしろにする「成長戦略」で国民の暮らしが豊かにならないことは明らかです。1990年代以降の規制緩和を含めた「構造改革」は多国籍企業に自由を与える一方で、地域経済の疲弊と国内産業の空洞化をもたらし、非正規雇用の拡大で賃金が減少し「働く貧困層」を増大させるだけでした。
多国籍企業化した大企業を応援しても国民生活の向上にはつながりません。
政府がやるべきことは国民の命と暮らし、雇用と中小企業を守るルールの確立と規制の強化です。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月9日付掲載
自民党政治は今までも、研究開発減税など大企業が使いやすい制度を作ってきました。追及すると、「別に中小企業も使っても構いまんよ」などと言い逃れをしていたものです。
しかし今回は、特定の企業にピンポイントで焦点を当てて、個別の規制緩和をしたり、有利な制度をつくるって事でしょう。
こんなことって許されるものではありません。
安倍政権が企業単位の規制緩和のために打ち出したのが「企業実証特例制度」と呼ばれる仕組みです。特定企業の新技術の開発、新商品の障害になる規制の撤廃・緩和を「特例的に」認めるもの。対象は全ての企業(グループ)とされ、その事業に関して安全性などを確保する措置が実施されることが条件とされます。
新規事業の規制適用の有無を事前に確認できる「グレーゾーン解消制度」も創設します。この制度が有益と見なされれば、「全国単位の規制緩和の入り口になる」(経済産業省の担当者)としています。

職場に通う人たち=東京都内
労働時間規制も
企業の思い通りに雇用や労働時間の規制が取り払われる危険は否定できません。
茂木敏充経産相は、「企業から労働規制に関する規制緩和の要求があった場合には、所管省庁がその内容を精査した上で、厚生労働省と協議、調整することが想定されている」(10月29日の衆院本会議、日本共産党の塩川鉄也議員への答弁)と述べ、労働時間などの規制緩和もありうるとの考えを示しました。
特定企業のために規制をなくしたり、緩めたりすることはこれまでに行われたことがありません。それだけに規制緩和の中身が問われます。多国籍企業の利益追求の論理が優先されれば、国民や中小企業の立場は後景に追いやられ、暮らしを守る基準や制度が壊される突破口にされることは明らかです。
財界が導入要求
「企業特区」ともいうべき仕組みは財界が要求してきたものです。今年4月3日に開かれた産業競争力会議テーマ別会合。東レ会長の榊原定征(さだゆき)氏(元経団連副会長)が「法人単位の実証特例制度を実現していただきたい」と求めていました。その後、5月の同会議で茂木経産相が制度導入を表明。産業競争力強化法案に盛り込まれることになったのです。
全国規模で実施がねらわれる規制緩和で焦点になるのは、「雇用の流動化」を名目にした有期雇用の延長など労働法制の規制撤廃や医薬品のネット販売解禁などです。暮らしの安心・安全が脅かされる重大間題です。
国民生活をないがしろにする「成長戦略」で国民の暮らしが豊かにならないことは明らかです。1990年代以降の規制緩和を含めた「構造改革」は多国籍企業に自由を与える一方で、地域経済の疲弊と国内産業の空洞化をもたらし、非正規雇用の拡大で賃金が減少し「働く貧困層」を増大させるだけでした。
多国籍企業化した大企業を応援しても国民生活の向上にはつながりません。
政府がやるべきことは国民の命と暮らし、雇用と中小企業を守るルールの確立と規制の強化です。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年11月9日付掲載
自民党政治は今までも、研究開発減税など大企業が使いやすい制度を作ってきました。追及すると、「別に中小企業も使っても構いまんよ」などと言い逃れをしていたものです。
しかし今回は、特定の企業にピンポイントで焦点を当てて、個別の規制緩和をしたり、有利な制度をつくるって事でしょう。
こんなことって許されるものではありません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます