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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報2024 Ⅰ ① 世界経済 構造変化が映す可能性

2024-04-03 07:05:36 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報2024 Ⅰ ① 世界経済 構造変化が映す可能性
【ポイント】
①米国での政治的分断深まり「米国の敵は米国」とも。公平な経済目指した模索も
②格差と貧困の解決が迫られるなか、米国で富裕層・大企業に負担を求める動き
③世界経済のブロック化懸念の一方、米中間の対話の動き。意思疎通の重要性示す

世界はいま、戦争と分断の時代に突入しています。その中でも、世界の構造変化が新たな可能性を生み出しています。

税制の模索
米国の調査会社ユーラシア・グループが発表した2024年の「世界の10大リスク」の1位は、大統領選挙を控え米国の政治的分断がいっそう深まることだとして「米国の敵は米国」が挙げられました。2位はガザ侵攻を契機にイスラエルとイスラム諸国の緊張が高まる「瀬戸際に立つ中東」、3位はロシアによる「ウクライナ分割」でした。米国の分極化と党派対立は歴史的な高水準にあり、「政治システムの機能不全は先進工業民主主義国の中で最もひどい」と指摘しています。
ブラジルで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(2月29日閉幕)は共同声明を採択できませんでした。しかし現在のグローバル経済システムに大きな問題を提起しました。
ブラジルのアダジ財務相は、世界のビリオネア(10億ドル以上の資産保有層)が支払う税金は、彼らの富の0~0・5%だとし、加盟国と国際機関が公正で持続可能な税制のために努力する共同行動を強調しました。
公平・公正な経済システムへ向けた模索が始まっています。世界の構造変化を反映し途上国・新興国の発言権が高まっていることが背景にあります。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成する新興5カ国(BRICS)に1月1日、中東諸国などが新規加盟しました。アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エジプトなどです。



20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で演説するブラジルのアダジ財務相=2月29日、ブラジル・サンパウロ(ロイター)

世界経済の主な出来事(1~3月)
1/1新興5カ国(BRICS)に中東諸国などが新規に加盟
1/17中国、2023年末時点の人口が2年連続の減少。出生数も減
1/27米大統領補佐官と中国外相が会談。対立や衝突への発展を防ぐ
1/30IMFが「世界経済見通し」で、24年の成長率を上方修正
2/7米議会予算局、今後10年間の財政見通し。赤字が徐々に拡大
2/15欧州委員会、EU27カ国の24年の実質成長率を下方修正
2/28中国の李強首相と全米商工会議所会頭が北京で会談
2/29G20財務相・中央銀行総裁会議が議長総括で成果発表し閉幕
3/5中国、全国人民代表大会(全人代)で李強首相が政府活動報告
3/7米大統領、3回目の一般教書演説で「前任者」との違いを強調
3/7スウェーデン政府がNATOに加盟。32カ国目の加盟国に
3/20米連邦準備制度理事会、政策金利の誘導目標を据え置き


富裕層課税
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は3月14日の講演で、「現在、世界の富の約4分の3は、人口のわずか10分の1に集中している」「7億8000万人以上が飢餓に直面している」と警鐘を鳴らしました。
格差と貧困の解決が迫られるなか、米バイデン政権による25年度の予算教書は、①富裕層に負担を求める②大企業に負担を求める③特権的利益への支出を減らす―ことなどを盛り込みました。

米中対話も
ゲオルギエワ氏はまた、国家間の信頼関係が低下するなか、「この傾向が続けば、世界経済はライバルのブロックに分断されかねない」としました。
中国の李強首相は2月28日、北京市で全米商工会議所のスザンヌ・クラーク会頭と会談を行いました。
李首相は、23年11月の習近平国家主席とバイデン米大統領の会談以降、両国は対話や意思疎通を行い、実務的協力を推進してきたと述べました。クラーク会頭は米国と中国の関係は極めて重要だとし、デカップリング(経済分断)は取るべき選択肢ではないとしました。
クラーク会頭は、その一方で中国経済のさらなる開放、事業承認をより見通しがつくようにすることや、国家安全保障にかかわる広範かつ不透明な管理を減らす具体的な措置を求めました。
(つづく)(4回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年3月26日付掲載


ブラジルで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(2月29日閉幕)は共同声明を採択できませんでした。しかし現在のグローバル経済システムに大きな問題を提起。
ブラジルのアダジ財務相は、世界のビリオネア(10億ドル以上の資産保有層)が支払う税金は、彼らの富の0~0・5%だとし、加盟国と国際機関が公正で持続可能な税制のために努力する共同行動を強調。
中国の李強首相は2月28日、北京市で全米商工会議所のスザンヌ・クラーク会頭と会談。李首相もクラーク氏も両国は対話や意思疎通を行い、経済分断は取るべき選択肢ではないと。

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