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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報2022 Ⅲ ④ 物価高騰 歴史的円安で相次ぐ値上げ

2022-10-03 07:12:31 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報2022 Ⅲ ④ 物価高騰 歴史的円安で相次ぐ値上げ
【ポイント】
①原材料高騰が遅れて波及する自動車や家電など耐久消費財にも値上げの動き
②輸入物価指数は前年同月比で42・5%上昇。円安要因が半分近くを占める
③調達価格上昇分を転嫁できない企業がほぼ半数。「物価高」倒産が過去最多

物価高騰の波は広がる一方です。歴史的な円安による全般的な輸入品価格の上昇で、資源・エネルギー、食料品以外でも値上がりが椙次いでいます。物価高を理由にした倒産件数は過去最高に達しています。

広い範囲に波及
総務省が9月20日発表した8月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2・8%上昇しました。前年同月を上回るのは12カ月連続。上昇率は消費税増税が影響した14年度を除いて、1991年9月(2・8%)以来30年11カ月ぶりです。
同指数の調査対象522品目のうち71・3%の372品目が上昇しました。生鮮食品を除く食料は4・1%と上昇ペースが加速。原材料や輸送コスト増大で食用油や食パン、輸入牛肉などが値上がりしました。エネルギー価格は16・9%の上昇。ウクライナ危機による今春の原油高が料金に遅れて反映され、上昇率は電気代が21・5%(7月19・6%)、都市ガス代は26・4%(同24・3%)へと加速しました。
自動車や家電など原材料高の影響が遅れて波及する耐久消費財にも値上げの動きが広がっています。
民間信用調査会社の帝国データバンクが8月末に行った主な飲食・飲料105社を対象とした調査によると、10月の値上げは6532品目となり、9月の値上げ品目数薙の2・7倍でした。今年1年間での値上げ品目は再値上げを含め2万を超えると見込みます。



「早く商店街のにぎわいが戻ってほしい」と語る和菓子店員=東京都・豊島区の地蔵通商店街



円安が主な要因
幅広い品目の値上げの大きな要因は深刻化する円安です。輸入品の物価を示す8月の輸入物価指数は、前年同月比で42・5%上昇。そのうち、小麦や原油の国際価格の上昇のほか、円安要因が半分近くを占めています。
円安は企業物価の上昇に拍車をかけています。部品など企業同士が取引するモノの値動きを示す国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は昨年から上昇が続き、8月に過去最高の115・1を記録しました。

価格転嫁できず
民間信用調査会社の東京商工リサーチの8月の調査によると、対象6375社のうち、調達価格の高騰を「価格転嫁できていない」と回答した企業は48・5%と、約半数に達しました。一方、全額を転嫁できたとした企業は5・5%にとどまりました。
国内需要に主な販売対象がある中小企業や小売店が価格転嫁できない実態は、日本経済の構造的弱点になっています。
帝国データバンクによると、22年の原油、原材料価格の上昇の影響で倒産した「物価高」倒産は8月末までの累計で150件に上り、年間の過去最多を更新しました。
物価高は家計を直撃しています。みずほリサーチ&テクノロジーズのリポートは、前年度対比で1世帯当たり約8・2万円の負担増だと試算しました。とくに8月の消費者物価指数の生活必需品の上昇率は5・8%と大きく伸びています。低所得層への負担増は深刻な事態に陥っています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月1日付掲載


総務省が9月20日発表した8月の全国消費者物価指数(2020年ほ100)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2・8%上昇しました。前年同月を上回るのは12カ月連続。上昇率は消費税増税が影響した14年度を除いて、1991年9月(2・8%)以来30年11カ月ぶり。
幅広い品目の値上げの大きな要因は深刻化する円安です。輸入品の物価を示す8月の輸入物価指数は、前年同月比で42・5%上昇。
国内需要に主な販売対象がある中小企業や小売店が価格転嫁できない実態は、日本経済の構造的弱点に。

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