アジア政党国際会議に参加して(下)
対談 緒方副委員長・田川国際委員会事務局長
各国代表と対話 北朝鮮とも
緒方 総会には70政党と各大陸のオブザーバーが参加していました。休憩や食事の席などをフルに活用して本当に多くの方と気軽に交流しました。
今回は、北朝鮮から朝鮮労働党の国際部副部長を団長とする代表団が来ていました。
私たちは、北朝鮮代表団とお互いの演説内容について感想を述べ合うなど、会議場の席で、立ち話で何度か言葉を交わしました。
田川 北朝鮮は、ICAPPの総会はいつも参加するわけではありませんでした。今回は、彼ら自身が外国の政党との接触に積極的な対応をしていることがよくわかりました。
緒方 1980年代初めから朝鮮労働党との党関係が断絶しています。今回の総会で北朝鮮代表団と最初に会った時、彼らは「私たちと話すのは今回が初めてですか」と聞いてきました。彼らも党関係の断絶を認識していることが分かりました。しかし、私たちはこれまでもICAPPの場で必要なことについては北朝鮮の代表とも話をしてきました。
2010年のカンボジア総会のさい、その直前に北朝鮮が韓国の島を砲撃して犠牲者を出す事件がありました。
それをめぐって南北朝鮮の代表団が対立し、宣言採択が難しい状況になりました。そのときに志位和夫委員長のイニシアチブで、われわれが両者に対して仲裁の働きかけをして宣言採択にこぎつけたこともありました。
田川 今回は北朝鮮と韓国の参加者が総会レセプションで一緒に写真をとっている場面もありました。それを私と一緒に見ていた韓国の外交官が、非核化は簡単でないが、緊張緩和という点では1年前と全く違うと話したのが印象的でした。
緒方 他にもさまざまな政党と交流しましたね。
田川 ネパール共産党はICAPPの会議の常連ですが、今回は昨年の総選挙で勝って政権に就いての参加でした。私たちは注目していますが、彼らも、日本共産党が野党共闘を呼びかけ政権打倒を訴えていることに関心をもっていました。党大会決定の英訳を渡すとぜひ読みたいと言ってくれました。ジョージア労働党の若い地方議員は、演説でロシアとの領土紛争に触れました。彼に日ロ領土間題でのわが党の提案文を渡すと喜んでいました。ベトナム共産党とは時間をとって会談しました。
会議場でネパール、タイ、パキスタン、ロシア、フィリピン出身の常任委員会メンバーと並ぶ緒方氏(左から4人目)、田川氏(同2人目)=10月26日、モスクワ
貴重な交流の場 今後も重視
緒方 ICAPPはアジアの合法政党が、与野党に関係なく全て参加できる会議です。このような機構はICAPP以外、世界にはありません。アジアの平和、よりよい未来のためにいかに共同していくかを話し合うことは大きな意味があります。国により直面している課題が異なり、学ぶ場でもあります。自分たちの訴えを聞いてもらうには、他の代表の話をよく聞くことが肝心です。今後も重視し、積極的に参加していくでしょう。
田川 今回はロシアでの開催ということで、米国のトランプ政権が「米国第一」を掲げて政策を進め、ロシアや中国との関係も注目される中で、アジア各国の政党がどう考え、どう行動しているのかを見聞し、いろいろな知見を得られて大変面白かったですね。
緒方 もう20年近く参加していると、わが党が自主性、原則性をもつと同時に柔軟で友好を大事にする党だということが理解されてきて、継続は力だとつくづく思います。
そうした蓄積をしてきた党だから、場違いとも思える夕食会主賓席に招かれ、有益な対話と交流ができた。今回の活動を通じて、私たちの党に強い誇りを感じました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年11月7日付掲載
ICAPPという会議の場では、党としては関係を断絶している北朝鮮の代表とも演説内容などについて交流。
総選挙で勝って与党になったネパール共産党とも再会。日本の市民と野党の共闘にもエールを交換。
対談 緒方副委員長・田川国際委員会事務局長
各国代表と対話 北朝鮮とも
緒方 総会には70政党と各大陸のオブザーバーが参加していました。休憩や食事の席などをフルに活用して本当に多くの方と気軽に交流しました。
今回は、北朝鮮から朝鮮労働党の国際部副部長を団長とする代表団が来ていました。
私たちは、北朝鮮代表団とお互いの演説内容について感想を述べ合うなど、会議場の席で、立ち話で何度か言葉を交わしました。
田川 北朝鮮は、ICAPPの総会はいつも参加するわけではありませんでした。今回は、彼ら自身が外国の政党との接触に積極的な対応をしていることがよくわかりました。
緒方 1980年代初めから朝鮮労働党との党関係が断絶しています。今回の総会で北朝鮮代表団と最初に会った時、彼らは「私たちと話すのは今回が初めてですか」と聞いてきました。彼らも党関係の断絶を認識していることが分かりました。しかし、私たちはこれまでもICAPPの場で必要なことについては北朝鮮の代表とも話をしてきました。
2010年のカンボジア総会のさい、その直前に北朝鮮が韓国の島を砲撃して犠牲者を出す事件がありました。
それをめぐって南北朝鮮の代表団が対立し、宣言採択が難しい状況になりました。そのときに志位和夫委員長のイニシアチブで、われわれが両者に対して仲裁の働きかけをして宣言採択にこぎつけたこともありました。
田川 今回は北朝鮮と韓国の参加者が総会レセプションで一緒に写真をとっている場面もありました。それを私と一緒に見ていた韓国の外交官が、非核化は簡単でないが、緊張緩和という点では1年前と全く違うと話したのが印象的でした。
緒方 他にもさまざまな政党と交流しましたね。
田川 ネパール共産党はICAPPの会議の常連ですが、今回は昨年の総選挙で勝って政権に就いての参加でした。私たちは注目していますが、彼らも、日本共産党が野党共闘を呼びかけ政権打倒を訴えていることに関心をもっていました。党大会決定の英訳を渡すとぜひ読みたいと言ってくれました。ジョージア労働党の若い地方議員は、演説でロシアとの領土紛争に触れました。彼に日ロ領土間題でのわが党の提案文を渡すと喜んでいました。ベトナム共産党とは時間をとって会談しました。
会議場でネパール、タイ、パキスタン、ロシア、フィリピン出身の常任委員会メンバーと並ぶ緒方氏(左から4人目)、田川氏(同2人目)=10月26日、モスクワ
貴重な交流の場 今後も重視
緒方 ICAPPはアジアの合法政党が、与野党に関係なく全て参加できる会議です。このような機構はICAPP以外、世界にはありません。アジアの平和、よりよい未来のためにいかに共同していくかを話し合うことは大きな意味があります。国により直面している課題が異なり、学ぶ場でもあります。自分たちの訴えを聞いてもらうには、他の代表の話をよく聞くことが肝心です。今後も重視し、積極的に参加していくでしょう。
田川 今回はロシアでの開催ということで、米国のトランプ政権が「米国第一」を掲げて政策を進め、ロシアや中国との関係も注目される中で、アジア各国の政党がどう考え、どう行動しているのかを見聞し、いろいろな知見を得られて大変面白かったですね。
緒方 もう20年近く参加していると、わが党が自主性、原則性をもつと同時に柔軟で友好を大事にする党だということが理解されてきて、継続は力だとつくづく思います。
そうした蓄積をしてきた党だから、場違いとも思える夕食会主賓席に招かれ、有益な対話と交流ができた。今回の活動を通じて、私たちの党に強い誇りを感じました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年11月7日付掲載
ICAPPという会議の場では、党としては関係を断絶している北朝鮮の代表とも演説内容などについて交流。
総選挙で勝って与党になったネパール共産党とも再会。日本の市民と野党の共闘にもエールを交換。
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