きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

デュアルユース(軍民両用)の危険② 国立研究法人が中核

2022-12-15 07:11:59 | 平和・憲法・歴史問題について
デュアルユース(軍民両用)の危険② 国立研究法人が中核
岸田文雄政権は「戦争国家」づくりの一環として、科学・技術の軍事動員の議論を本格化させています。政府の「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が取りまとめた報告書(11月22日)は、最先端の科学・技術のデュアルユース(軍民両用)化を明言しました。

協力
報告書は「政府と大学、民間が一体となって、防衛力の強化にもつながる研究開発を進めるための仕組みづくりに早急に取り組むべき」だと求めました。さらに、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や文部科学省所管の科学技術振興機構(JST)などの「国立研究開発法人」を活用すべきだとして具体的に体制づくりを示しました。
報告書の提案は、有識者会議で橋本和仁(JST理事長)と上山隆大(総合科学技術・イノベーション会議常勤議員)の両委員が提示した内容が基になっています。
橋本・上山両氏は11月9日の有識者会議第2回会合で、「防衛力強化」を最大の目的とする科学・技術分野と軍事組織との協力の枠組みを提案しました。
政府はすでに、防衛省が将来的な軍事転用を見込んで技術開発の援助を行う「安全保障技術研究推進制度」を進めています。両氏はそれに加え、5千億円規模の「経済安全保障重要技術育成プログラム」(経産省所管)を活用し、▽政府が行う各種技術開発・実証支援▽国立研究開発法人が行う先端研究▽研究者の発想に基づく研究―が軍事的要望に応えられるよう体制の整備を求めました。




ハブ
具体的には、「国立研究開発法人」を「ハブ」(中核)にして防衛装備庁と大学の研究者、民間企業が参画する研究の場を設定。同法人の役割は「防衛省からの委託による研究」を「拡充」し、軍事的要望に即応した「防衛力強化等の重点政策ニーズの観点からの技術育成(目的研究)」を担うこととしました。
同時に、各国立研究開発法人で進む研究プロジェクトで、将来を見越した「防衛力の足腰を支える幅広い技術のシーズ(種)育成」を行いデュアルユースの推進を掲げました。
一方、「目的研究」を行う民間企業に対しては、税制優遇や資金調達援助など「スタートアップ」の策をとることを求めました。
防衛省・防衛装備庁については、従来の基礎・応用の「研究の拡充」を行いながら「目的研究」を実施するとしています。
軍学共同反対連絡会共同代表の池内了(さとる)名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)は、「国立研究開発法人ならば法人プロジェクトとして巨額の資金を投じて進めることができ、政府もコントロールしやすい」と指摘。大学が人材の供給源となり、プロジェクトの組織化をハブであるNEDOやJSTなどの研究開発法人が担うというのです。「現に募集中の経済安全保障重要技術育成プログラムの公募では、この2法人が募集主体となっている」
橋本・上山両氏の提案に対し、浜田靖一防衛相は「しっかりと関与したい」と応答し、推進の考えを示しました。永岡桂子文科相は国立研究開発法人を活用するとして「研究者が参画しやすい環境を整備することが重要だ」と発言。政府のデュアルユース推進体制づくりが急ピッチで進んでいます。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月14日付掲載


軍学共同反対連絡会共同代表の池内了(さとる)名古屋大学名誉教授(宇宙物理学)は、「国立研究開発法人ならば法人プロジェクトとして巨額の資金を投じて進めることができ、政府もコントロールしやすい」と指摘。大学が人材の供給源となり、プロジェクトの組織化をハブであるNEDOやJSTなどの研究開発法人が担う。
あからさまに、官と学と民が共同で軍事技術の開発を行うってことです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする