きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

南シナ海問われる法秩序 沿岸国の警戒③ 比海域でも妨害が多発

2019-10-27 11:50:55 | 国際政治
南シナ海問われる法秩序 沿岸国の警戒③ 比海域でも妨害が多発
中国船団によるベトナムの排他的経済水域(EEZ)侵入には、フィリピンからも厳しい視線が送られています。「近年南シナ海で起きた中でも最も長く、あからさまな一方的行動だ」とフィリピン大学海洋問題・海洋法研究所所長のジェイ・バトンバカル准教授はいいます。
「中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)と南シナ海行動規範(COC)交渉を継続しつつ、ベトナム、マレーシアやフィリピンに対して一方的行動をとり、自国の主張を押し付ける両面アプローチをとっている」「南シナ海で中国が地域諸国にかけている圧力は非常に強い。情勢は深く懸念すべきだと思う」




沈没も救助せず
軍出身で下院国防・安全保障委員会の元委員、ゲーリー・アレジャノ前下院議員は、「南シナ海での多数の事件」について報告を受けてきたと語ります。
比国防省によると、フィリピンが艦船と兵士を常駐させるアユンギン(セカンド・トーマス)礁に1月以降、中国海警の艦船が接近するようになり、9月には比海軍の補給活動を妨害。昨年5月にも同礁で比海軍のボートが中国軍ヘリに嫌がらせを受ける事件があり、現職時のアレジャノ氏が告発しました。
レクト(リード)堆周辺では今年6月、中国漁船に衝突されたフィリピン漁船が沈没。中国船は22人のフィリピン乗組員を救助せずに現場を離れ、ロレンザーナ国防相は「最も強い言葉で非難する」と異例の声明を出しました。
フィリピンが実効支配するティトゥ島(パグアサ島)の周辺には今年1月以降、多数の中国船舶が集結。比軍当局者は、中国海上民兵などが滑走路の補修工事を妨害しているとの見解を示し、比政府は4月、「主権や権利への明確な侵害」だと中国に抗議しました。
アユンギン礁とレクト堆は、中国が占拠するパンガニバン(ミスチーフ)礁とともに、仲裁裁判判決でフィリピンのEEZ・大陸棚に属すと結論づけられています。判決は、この海域で資源活動・漁業を妨害した中国がフィリピンの権利を侵害したとも認定しています。



フィリピンのゲーリー・アレジャノ前下院議員(井上歩撮影)


フィリピンの安全保障の専門家ホセ・アントニオ・クストディオ氏(ニコ・クルス撮影)

「非常に悪質だ」
著名な安全保障アナリスト・歴史研究者のホセ・アントニオ・クストディオ氏は「中国の権利主張は、条約や判決ですでに否定されており、完全に違法だ。その主張に基づく行動は非常に悪質だ」と批判します。
アレジャノ氏は、「南シナ海で私たちがずっと目にしてきたことは、中国の話す言葉と現実の行動はいつも違っていた、ということだ」といいます。(つづく)(マニラ=井上歩)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年10月24日付掲載


中国の南シナ海での無法ぶりは、地続きのベトナムだけでなく、島嶼国家であるフィリピンからも非難の声があがっています。
「南シナ海で私たちがずっと目にしてきたことは、中国の話す言葉と現実の行動はいつも違っていた、ということだ」
言行不一致では信頼を築くことができませんよね。
コメント
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