く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<チングルマ(稚児車・珍車)> 白梅に似た花 一見草花、実は歴とした落葉低木

2015年07月30日 | 花の四季

【花後の冠毛が風車状に、別名「チゴノマイ」「イワグルマ」】

 バラ科ダイコンソウ属(チングルマ属などとする説も)の高山植物。7~8月頃、白い梅の花に似た5弁花を上向きにつける。高さ10~20cm、花径は2.5cmほど。中央部分は無数の雄しべ、雌しべで鮮やかな黄色。その可憐な花姿から一見〝草本〟と思われがちだが、歴とした〝木本〟の落葉低木で、枝が地面を這って広がってお花畑を形成する。

 本州中部以北の高山帯から北海道、カムチャッカ半島、アリューシャン列島にかけて分布する。雪田植物の1つで、雪渓の縁や砂礫地などに生える。群落地として有名なのは大雪山旭岳、八甲田山、秋田駒ケ岳、白馬八方尾根、立山室堂平、木曽御嶽山など。立山周辺などに自生し、花びらがうすいピンク色を帯びたものは特に「タテヤマチングルマ」と呼ばれる。

 花が終わった後、雌しべの花柱は伸び続け、赤紫色を帯びた綿毛状になる。長い綿毛が風にそよぐ様を稚児(子どもたち)が遊ぶ風車に見立てて「稚児車」となり、それが「チングルマ」に転訛したといわれる。一方で、「稚児車」は縁が丸くてかわいらしい花弁が車輪のように5枚並ぶ様子に由来するとも。

 別名「チゴノマイ(稚児の舞)」「イワグルマ(岩車)」。長い綿毛を持つ種子は風で遠くまで飛ばされ、紅葉の時期を迎えると山肌を赤く鮮やかに染める。それもチングルマの見どころの1つ。「チングルマむらがり咲いて未知の夜へ」(飯田龍太)。「チングルマほおけて風にゆれていき 父がめんごい花だと言いき」(鳥海昭子)。(写真は愛知県のS・Eさん提供。㊤北アルプス穂高・涸沢カール、㊦御嶽山)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <五條市「藤岡家住宅」> ... | トップ | <山口市と雪舟> 代表作の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿