【原産地は南アフリカ、ハマミズナ科の多肉植物】
南アフリカ・ケープ地方原産の多年草。日本に最初に渡ってきたのは明治の初めといわれる。葉が松葉のように細長くキクのような花を咲かせることから、その名が付けられた。ただキクの仲間ではなくてハマミズナ科(ツルナ科とも)の植物。名前がよく似たマツバボタン(松葉牡丹)も全く別のスベリヒユ科。マツバボタンに比べると、マツバギクは多肉植物で葉が肉厚という特徴がある。
根元から茎がよく分枝し地面を這うように広がることから、グランドカバーやロックガーデンなどに使われることが多い。日本でマツバギクと呼ばれるものには大きく分けて2つの種類がある。ランプランサス属のものとデロスペルマ属のもの。いずれも南アフリカ原産で、見た目もそっくり。花期はランプランサス系が4~5月、デロスペルマ系が6~10月。ちなみにランプランサスの語源はギリシャ語で「輝く」と「花」、デロスペルマは「明白な」と「種」の合成語から成っている。
花色は赤、紫、黄、白、オレンジなど豊富。最もよく見かけるのは「デロスペルマ・クーペリ」と呼ばれる系統で、寒さに強いことから〝耐寒マツバギク〟と呼ばれ「ハナランザン(花嵐山)」「レイコウ(麗晃)」といった名前で出回っている。主な花色は光沢のある赤紫色で、初夏を中心に秋まで断続的に花を付ける。マツバギクは日が昇ると花が開き夕方には閉じる。雨天や曇天のときは閉じたまま。チューリップの花の開閉は光と関係なく温度に左右されるそうだが、マツバギクに関しては「温度に反応しているのか、光の量のみが関係しているのかは現時点ではわからない」(日本植物生理学会のHP「みんなのひろば」)そうだ。「化粧地蔵撮るには屈む松葉菊」(伊丹三樹彦)
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