CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】限りなく完璧に近い人々

2017-05-08 21:56:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
限りなく完璧に近い人々  著:マイケル・ブース

あの英国一家日本を食べつくすの著者の本業、というと失礼なのか、
ルポでありました、北欧について実際に調べたお話が
凄く細かに、そして英国人らしい皮肉をこめて
やれかれと書かれていて、なかなか楽しめたのであります
ちょっと長いんだが、面白かった

読み終わって、まず感じたところでは、
私にとって北欧というものが存在しなかったと
そんなところでありました
英国人が書いているから、当たり前のところながら、
おそらく、英国人向け、あるいはヨーロッパの人向けに書かれているであろうところ
前提として、北欧へのイメージが、私よりも強いというか
何かしら、こうだというものがあるというのが前提になっていまして
皮肉と冗談とがうまく受け止められなかったのが残念でありました
とはいえ、なかなか面白いというか、そうか、
北欧というのはこういう人が住んでいるのかと、物凄く偏向しそうですが
知ることができたのは行幸でありまして
正直、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンのあたり、
特に、ノルウェーとスウェーデンなんて区別がつかないと感じていたんだが
スカンジナビアのそれこれで、立ち上がり
国としてのジャンルというか、やはり異なるものなのだなと
改めて痛感するのでありました

なんだかんだ、隣国同士は仲が悪いというのは
全世界共通なのでありますから、
北欧それぞれの国が、ほかの国について何かしら言うというのが
面白い読みどころでもあるのだけども、
それぞれに愛があるかのようで、やはり、知っているのだという部分が
重要だと読めたのであります、こういう隣国のあり方というのは
地続きだからこそなんだろうかと、
日本でかんがみてしまうのである

とはいえ、フィンランドという国が、
著者も大好きだというだけあって、非常に興味深いというか
一番友達にしても大丈夫そうだと思わされたりしたんだが、
向こうは、それをごめん被るという感じだということで
北欧の人たちすべてに横たわる、他人とのかかわりを否定するかのような
孤立主義的な生き方には、なんか憧れるでもないが、
自分は、北欧なら生きていけるんじゃないかと
間違った感想を抱いてしまったりするのであります
人間が嫌いとか、そういうことでもなさそうだが
静かにみんなが一人で過ごしているというのは
夢のようでもあり、その陰で、物凄い大量の抗鬱剤が消費されているというのが
なんというか、人類の闇でもないが、
何かについて考えさせられるようでありました

描写がとても面白くて、物凄く寡黙で喋らない北欧の人たちが
少なからず笑う瞬間についての描写とかの秀逸さが見事で、
思わずもらい笑いのようなものをしてしまったんだが
愛あふれるルポは、読んでいて楽しいなと思わされたのでありました