CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】いらねえけどありがとう

2023-04-10 20:55:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
いらねえけどありがとう  著:村井理子

翻訳家であり、双子の母であり、後期高齢者の介護者であり、犬の飼い主でもある
なかなかに忙しい毎日を過ごしながらも、なんとか生きていく
そういう毎日のヒントというか、前向きになろうという自身の技術を
コラムとしてまとめた本でありました
大変なんだろうなと、他人なので思ってしまうが、
そこをどうにかしている、あるいは、どうにもならんから投げ出しているということを
赤裸々に語っているところがいいんだろうなと、
時折、タイトルのように口調が荒くなるのが面白いと思いつつ
読み終えたのでありました

最近の流行といってしまうと、矮小化しているようで恐縮なのだけども、
むしろ、こういう悩みというか、大変なんだよみんなという気分が
社会全体にあるんだろう、そこへ、荒波に流され、抗っているのか泳いでいるのか溺れているのか
よくわからないけど、とりあえず生きているから勝ち!みたいな感じの作者の言葉が
いきいきと染みるんだろうと思われたのでありました

共感するところが結構多くて、
あれこれダメだなー、面倒だなーということがたくさんある
それをどうやってやっつけるか、やっつけられないときはどうしたもんかと
悩みと解決とをメモしているかのように、自身のそれこれを語っていて、
ヒントになるような、真似できなそうと思うのか、
それはそれとして、よい本だと思うのであった
何より時間の大切さが身に染みる
3分あれば、あれこれできるという精神修行を会得したいと思ったのでありました
まぁ、実際3分で、こまごまっとしたことをやってというのを
積み立てたのが、仕事になるようにも思うので
そういうの大切よなと
極めてまっとうな、ごくあたりまえの、こつこつ積み上げるということの大切さを
あれこれ語ってくれていて、すごくよかったのであります

文中で、自身の家族にあれこれあった様子がうかがえたんだが、
前に読んだ、折り合いの悪かったお兄さんの始末をつけた人と同じ人だったと
読み終わってから気づいたわけで、
なんだろうか、色々大変だったんだろうなと、そして、
この数年で、何かスイッチが入ったというか、書かれている通り生まれ変わったようになって
すごくコラムが面白く、売れているんだろうと思わされたのでありました
元気になれる文章は、なにであろうと、よい文章だと思ったのである
訳書もサカナレッスンを読んでいたと、この人の仕事に触れていたことに
何か、安心というか、よかったと思ったのでありました