CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】 アフター1964東京オリンピック

2021-02-27 20:53:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
アフター1964東京オリンピック  著:カルロス矢吹

前の東京オリンピックについて、
その前後で、何かが変わったといったお話を
様々な関係者へのインタビューで描いた作品でありました
アフターと書いてあるけども、
実際はその人が、どのようにオリンピックにかかわり、
そしてその後どうなっていったかと
そういうところを書いていたのであります

サッカーなんかは、これをきっかけにして躍進したと
そんなお話だったのでありますが、
フェンシングや馬術、高飛込み女子なんかでは、
そこでの活躍を後に生かしきれなかったと
後悔のようなことも描かれていて興味深かった
まぁ、それはそれとして、当時のスポーツをするという環境すら危うかった競技なんかも
面白いというか、興味深かったので全体的に面白い読み物でありました

十種競技の先駆者がその経験を生かして
巨人のV9に貢献していたことや、
山本晋也監督が、オリンピックの映像撮っていて、それがきっかけで
日活でも花開いたとかは、なかなか面白い展開だと思わされたのでありますが
当時、オリンピックというそれも大変だったようだけど
それ以上にその競技の行く末や、その競技環境そのものへの
愚痴めいた内容が多くて、そこが読み応えあったように思うのであります

そういった先駆者たちのおかげで、今があるともいえるし、
東京オリンピックによるレガシーが生きているとも思えるのであります
パラリンピックも、ここで始めて日の目を見たというところと
それをきっかけに、バリアフリー的なものが増えてきたという
そんな価値が当時のオリンピックにはあったのだというのは
夢というか、今後に生かせる話であるなぁと
しみじみ思うのであります

まぁ、なんだかんだ、これを機会にうまくいかせるかどうかは、
主催している人たちではなく、そこに関わろうとする様々な人であるので、
現在の、ドタバタとか、いざこざというのは正直どっちでもよくて
その間に、これを弾みにして、その後にパラダイムシフトしようと
そんな野心でもないが、そういう心持が大切なんではないかと
思わされた一冊でありました