CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】しくじり姫

2016-12-10 00:20:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
しくじり姫  作:ゴマブッ子

女の悲哀を描いたエッセーかと思ったら、
まさかの童話風のお話集でした
なんというかな、肩肘張らずにさらっと読めるんだが
いたたまれないというか、どうというか

内容は、御伽噺や昔話、童話なんかを本歌として、
女がしくじっていく様に置き換えて
面白おかしいお話に仕立て上げたものの連作でありました

大枠の物語では、行き送れ気味のキャリア女子編集者が、
年下の作家男子(彼氏)に、新しい企画として
しくじり姫という面白おかしい女の童話を書かせようとする
その最中に、こんな話がと、先だってのお話が出てくるといった具合で
よく考えたものだなと思うんだが
これは女性が読むと、また違う味わいがあるんだろうか
ともかく、男にもてない、よい男と結婚できないという
直球の欲望に対して、こんなだからできないんだよというのを
お話として語り聞かせるという
なかなか残酷なものでありました

ウサギとカメになぞらえて、イケイケ(古い)の女が行き送れる話だとか
まずもって、そういうもんだよなと思えるところから
もはや無理というか、強引すぎるだろうと思われる改編まで
様々に載っていて、楽しいといえば楽しかったのであります

最終的には、めでたしめでたしみたいな感じで終わるので
よかったといえばよかったんだが、
少し前の世代の女性像ではないかなとも
思えたりしつつ、猛禽女子だのなんだのを
つと思い出させてもらったわけでありましたとさ