CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】木漏れ日に泳ぐ魚

2016-12-30 14:54:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
木洩れ日に泳ぐ魚  作:恩田 陸

ミステリと呼ぶのだろうか、
ある事件について、それを解き明かしていく
それと同時に、男女の、家族の、さまざまなものが解けていく
机上のみで開いていく話なので、
やきもきしながら読むことになりましたが
最終的に、何が明かされたのか
どうだったのか、正直
俺にはまったくわからぬと思わないでもない
繊細な物語でありました

事件だったのか、事故だったのか、
それもわからないまま、
男女が、その事柄をもって不和をなして
分かれていくという日に
そこに何があったか、お互いが問い詰めていく
つきつめていくという物語でありまして
まぁ、全般にうつうつとしたというか
重苦しい空気の漂うお話でありました
何があって、何がなかったか
さっぱりわからんとまではいいませんが、
語るとネタバレになってしまうので
なんともはやという具合でありますけども
どきどきしながら読んだのでありました

事件に関する何かも描いているのだけども
ギミックとしての、男女の機微というか
それぞれが考えることというのがまた、
世の中にありふれた、男女の差というかギャップというか
それぞれが、それぞれに対して抱く何か
無理解というか、不理解みたいなのが見え隠れして
大変楽しく読めるとも思うところ

ある種の痴情のもつれともとられかねない感じだけども、
それは、落ち着いて考えていくと
ある意味、論理的なというのか、
細かな部分や情熱という言葉でごまかしている
体裁や、道徳みたいなのをたてにきた
ごっこ遊びだったみたいな感じで
恋愛、愛情とはなにかねと
思い知らされるような内容でありました
なんだろう、読みおわって、世の中をうらむではないが
鼻白む感じになってしまう

ある種残酷な話であったと
思ったりするのだ