CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】スプラッシュマンション

2016-12-21 21:05:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
スプラッシュマンション  作:畠山 健二

ご近所事件もの
そんなジャンルがあるのかわかりませんが、
マンションの住人たちが、あれやこれやと
事件を起こすというか、事件に関わっていくという話で
個人的にこういう狭い範囲でどたばたする話は
とても大好きです
なんて思って読んでいたのでありますが
オチというか、終わりにつれ、
なんとなく冗談で済まない展開になってきて
もやっとというか、すっきりはしない感じで終わったのでありました

序盤だけ見ていたら、これはNHKあたりでドラマにしたらいいのに
とか勝手にいきまいていたのでありますけども、
よくよく考えてみると、ソープ嬢が出てきて、
しかもそれが売れっ子になっていくスターダム的な話もあり、
マンションの管理組合で、些細なことの復讐を成し遂げる話だったり、
ちょっと、悲惨にすぎる悲哀の男性がたくさんでてきたりと
テレビで見るには、哀しすぎると
思わなくもない内容でありまして、なんともはや
面白かったんだけども、残念であります

なんとなく、落語の調子に似た具合で、
あれやこれやと進んでいくお話で、
筋というか、トリックめいた混んだ部分は
さほどに難しいことはない
よくある感じなのでありますが、どたばたと
やんや遊びながら、それをやっていくというのが
楽しそうでもあり、面白そうでもありと
読んでいて、楽しいと思えたのでありましたが
その楽しそうなのが、なんというか
それは度を過ぎてしまっているんじゃないかと
ちょっとそういう展開になったあたりで、
少し目が醒めたような、そんな気分になったのでありました

人間が生きていくのは大変だなと
何も言いえていない感想を抱いてしまいがちでありますが、
ソープで母性をもとめる男性の描写が
えらい丹念で生々しいという部分が
ある意味、白眉であったのでないかと
思ったりするのでありました