定年退職後の生き様

定年退職後、残された人生を如何に意味有るものに、しようかと悩んでいます。

男おいどん

2013年05月11日 15時53分42秒 | Weblog
本日土曜日、休日出勤をせずに済んだ為、部屋でゴロゴロとしていたところ、書架の片隅に「男おいどん」のコミックスを見つけた。

10年振りくらいに、ページを開けた。

連休中に作成したホームページのサラタビ鹿児島編は、故いわしげ孝氏の「ぼっけもん」を追想する旅行記録であったが、もう一つの九州男児を主人公とする松本零士氏の男おいどんについても、対峙する作品として少しだけ触れた。

その時には、「おいどん」をネガティブな性格であると、書いてしまったが、それは記憶違いで有ったことに気が付いた。

ぼっけもんでは、浅井君と秋元さんが、一年半余りのブランクはあったものの、鹿児島で目出度く結婚し、秋元さんがお腹の赤ちゃんを気遣いながら、家路に向かうシーンがエンディングとなっている。


これに対して、男おいどんでは、バイト先の工場をクビになり夜間高校を中退した、主人公大山昇太が、(2年間ほどの)長いブランクを経た後、無事に復学を果たしたにも関わらず、下宿の大家さんに大きな鯛1匹とずっと滞納していた家賃のうち1ケ月分だけを手渡した後、消息を絶ってしまうところで話は終わる。

松本氏は、このエンディングで、大山昇太がどこに旅立ったかについて触れていない。

しかし、世間では、勝手に夢破れて故郷に帰ったと決め付けてしまっていた。
ひどい評論家に至っては、この作品の影響により、当時の大学生にはUターンがブームとなってしまったなどとコメントするものもいた。
自分も当時のそれらの風評を間に受けていたため、田舎から上京して一人暮らしする若者をテーマとする漫画として
○ぼっけもんを「陽」
○男おいどんを「陰」あるいは「負」のイメージで、自分勝手に区分してしまっていたために、[ネガティブ」と誤って書いてしまった。


1996年の再販版のあとがきで松本氏はこう記している。
「何事があってもあきらめない。不撓不屈の根性を持った男。絶対泣き言はいわず、「今に見ちょれ」と」
「終わり方なんですけれどもこれは下宿を去ったわけじゃないのです。少し武者修行に出たんです。別の体験、例えば働きにいって、あの当時だから捕鯨船に乗ったとかで長期間、別のアルバイトをやっていたわけです。下宿という限定された範囲から外の世界に行き、そしていずれまた戻ってくる。「さよなら」とは書いていません。(中略)いずれ何かになって。もしかしたら絶世の美女を連れて戻ってくるかもしれません。」

作者本人が言うんだから間違いない。

そのことを当時の自分が知っていたら、もう少し東京で頑張れていたのかも知れない。

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