「エジプトが10進法でメソポタミアが60進法だった理由を答えよ」
これは、東京大学の入試問題の一つだそうです。
一年間(というか、もっと何年もですよね)学校や塾などにも通って勉強に励んで、
テスト用紙をひっくり返して、
この問題が出てきて、
「ああ、これね!はいはい。」
と答えられる18歳とかって、
どういう頭脳をもっているのだろうか、と思います。
大学受験を控えていた高校生のころ、東大の入試問題集を見たときに、
「これはまずい。どうも普通の勉強をしててもできそうにない」
と心から思ったことがあります。
「パネルクイズ アタック25」を見てても、「なんでこんなこと知ってるの」とビックリすることが多かったですが、
テレビのクイズならまだいいですが、
それなりに人生のかかった入試で、こういう問題が出てきた日には(笑)。
ちなみに、他の科目の問題も、ちょっと独特なんですよね。
やっぱり
「え?」
というような、後ろ斜め上から問題がやってくる感じなのです。
でも、これをクリアする学生がいるのですからね。
純粋に、「テストの点数」や「入試のクリア」や、ひいては「学歴」といったものが、本当に人生を送る上での“頭の良さ”と同じではなく、
また、必ずしも直結するわけではないことは重々承知ですが、
こういう問題を見ますと、やっぱりすごいなあ、と思います。
でも、現実にいるのは、事実。
・・・うーむ。
ちなみに、メソポタミア文明が60進法だったのは確かなようで、これは以下のような理由によるものだそうです。
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現在のイラクに栄えたシュメール民族のメソポタミア文明では、グノモンと呼ばれる日時計を使っていたそうです。日時計から暦が製作されていたらしい。シュメール民族は1年間を360日として暦をつくっていたとのこと。
・そのままでは実際の季節とずれが生じます。日本で使われていた太陰太陽暦というのでは、ときどき閏月をつくって調整していました。シュメールの人たちも、なにか調整する方法は持っていたのでしょうね。
・シュメール民族を滅ぼしたバビロニアでは昼間を6等分した日時計を使っていたそうです。シュメールの影響を受けている可能性があるそうです。
・単に昔の人が使っていたというだけでは60進法は長く続かなかったかもしれません。
でも、実用性の高い2つの長所があったらしい。1つはコンパスで描きやすかったことだそうです。円はもちろんコンパスで描けます。コンパスがあれば、円を6等分することも簡単だそうです。そういえば小学生のころに、コンパスで円から6角形を描く練習をしたように記憶します。6の倍数を使うのが楽なわけですね。
・もうひとつは、60が約数の多い数だからだそうです。100までの整数のうちでいちばん約数が多いのは60らしい。1と60自身を含めて12の約数があるとのこと。現在の多くの小学生同様、大昔の人も割り算が苦手らしい。分数なんて概念は、少なくとも一般の人はとても理解しないようです。約数が多いと大変使いやすいわけですね。
・1年を360日としておけば、1/4は90日。2/3は240日。5/9は200日。割り切れます。1時間の7/12は35分。とても便利です。1時間がもし100分だったりすると、1・2・4・5・10・20・25・50・100の9つしか約数がありません。それだけ便利さが減るようです。
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なるほど、考えてみれば、一時間は60分。一分は60秒。
60を単位とするものがこんなに身近に。
いかがでしょうか?ご理解いただけましたでしょうか?
ただ、もしも、これを知っていたとしても(普通、知らないですよねえ)、
でも、まだハードルは高い。
さらに、
「エジプト文明が10進法だった理由」
がわからないと、この質問の答えが書けない、というのですから。
東大入試問題、恐るべし。
世の中には、これをクリアした人がいるのですよね。
そのラーメン屋さんの隣の方が、そうかもです。
そして明日は、T京音大、その3であります。
東京音大の入試問題見ても、僕は卒倒したりして。
すんごい難しい音楽の歴史問題とか。
(いや、へたに見るのはやめとみましょう・・・。学生さんを目の前にして、怖くて喋れなくなるかもですよね(笑))
ではー。