今日は、またちょっと長いです。
リンクも多いので、どうぞ、ゆっくりご覧になられて下さい。
今日の神奈川県東部、風が強かったですけど、良く晴れたお天気でした。
久しぶりに献血に行き、帰りには栄養補給という名目で王で餃子とレバニラを食べ、
いくつか用事を済ませ、帰って来て、ピアノに向かって週末のライブへ向けての準備をしたり、キーマガの連載の原稿書きなどをしておりました。
・・・普通に、日常です。
でも、やっぱり気になる。
もーなんだか。
千葉の香取市から、10軒の農家から7900束の出荷停止のホウレンソウが出荷され、そのほとんどはすでに消費されたとのこと。
なんとも歯がゆいのが、農家が「出荷停止は知っていた」こと。
売りたいのは皆一緒。
・・・でも、これは一番やってはいけない行為でした。「千葉産の野菜」というブランドに対する信頼を、自らが断ち切ってしまったと言ってもいいでしょう。
千葉の、他のきちんと我慢して、耐えて仕事をされている農家の方がどれだけ迷惑するか、考えられなかったのでしょうか。
これは、・・・人の健康も損なう危険がありますし、農家仲間の信頼も、千葉産ブランド野菜に対する裏切りにもなってしまいました。とても残念です。
正直、近所のスーパーでは、売れていない野菜がはっきりしています。なんとはなしに見ていますと、皆、生産地を確認して選んでいます。当然、今まではこんなことは無かったです。
テレビのキャンペーンは盛大ですが、買わない消費者は、やっぱり買わない(というか、買いたくても買えない)んですよね。基準値以下だといっても、その値すら公表されていない上、将来的に安全である保障がないわけですから。初めてのこととはいえ、あまりに情報が少なすぎるんですよ。
その上、基準を超えているから出荷制限になっている野菜を出荷できてしまい、流通できてしまう・・・政府、仲買、農家、流通、販売店・・・信用で成り立っているからでしょうが、結果的にチェック機能が正常に機能していなかったわけです(ちなみに、これを告発したのは、同じ千葉の他の農家の方だそうです)。「農家の良心にまかせていた」という話ですが、もちろん皆、それを信じたい。でも、・・・その上で、こういう行為があったのでは、ますます不信感は高まるでしょう。本当に悲しい出来事です。
原発は収束はまだ先にせよ、希望的観測をすれば、あの3月のような大爆発はもう起きないかもしれない(核爆発は、核物質がそこにあるからといって、そう簡単に起きるものではないのです。逆に、それだけ難しいからこそ、核爆弾の製造技術が売り買いされるのです)。
爆発が無いなら、もうあんなに一斉に強い放射能がばら撒かれることは、今後はないかもしれない。なら、来年の千葉の野菜は、もしかしたら本当になんの問題もないものなのかもしれないのに。
・・・翻って、だから、こういった「出荷制限対象になった野菜」は政府が(東電などの財源で)が全て買い上げるべきでは、という思いが今もあります。これからだって、こういうことが起きないとは限りませんし、表にでてこないことだってあるかもしれないのですから。
あと、基準値は本当に上げるべきでは無かったと思います。今からでも、厳しくできないものでしょうか。野菜などの「規制が解除となりました」「出荷が開始されます」というニュースを見るたびに、思います。「それは、一ヶ月半前までなら、売ってはいけないものだった・・・かもしれないのに」と。規制を緩和したことが、逆に消費者を不安にさせてしまっていると思います。非常に、難しい問題ですが。
そして、東電の女性社員が福島第一原発での作業で被爆し ていたことが、なぜか一ヶ月以上経って発表されました。ちょっと、このニュースの文章は非常に難解なのですが、要するに、「50代の女性社員が、作業の中 で、約17ミリシーベルトを浴びてしまった」とのこと。すでに作業からは外れていらっしゃるとの事ですが、ともあれ、「健康への影響は見られないという」 ことですから・・・。
かたや、「福島の一部の公園で、毎時3.8ミリシーベルトが計測されたので、一時間以上遊んではいけない。」というニュースがある一方、学校の校庭では、校庭の土を取り除く作業が始まってはいますが、「毎時3.8ミリシーベルトまではOK」となっており、年間、20ミリシーベルトまで、大丈夫ということになってしまっていました(はい、そうです。これは、東電の女性社員の方が浴びた放射線量よりも高い値です)。
「あれ、これって、検討してるってニュースはあったけど・・・いつのまに」という感じです。僕も、先日「スーパー日本人」という記事でこれについて書きました。ほんとに?と思って見ると、
『福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について』
ちゃんと文部科学省が公式に発表してました。いつの間にか、子どもが浴びていい年間の放射線量を1ミリシーベルトから、20倍の20ミリシーベルトに引き上げてしまっていたのです。
公園を一時間と限度を決めた値と、校庭は通常通り使用可能と決めた値がまるで一緒なのです。
公園担当は国交省、学校担当は文科省。お役所によって、こうも違っている。そして、振り回されるのは、国民です。危険な目にあうのも、国民です。
これに対して、ノーベル賞も受賞したアメリカの医師の団体が、基準が高すぎるとして、引き下げを求めました。
それはそうです。年間20ミリシーベルトというのは、「アメリカでは、原子力関連施設で働く人の1年間の許容量の平均的な上限」なのですよ。
下は6歳からの小学生と、原発労働者の被爆基準が一緒だなんて話が、あっていいのでしょうか。
これに関してはこちらの『正気を疑う文科省の学校線量基準』に詳しいです。細かな線量などの話ですが、よろしかったら。
また、この20ミリシーベルトへの引き上げに対して、
『私たちは、日本政府に対して、下記を要求する。
・子どもに対する「年20ミリシーベルト」という基準を撤回すること
・子どもに対する「20ミリシーベルト」という基準で安全とした専門家の氏名を公表すること』
こういった趣旨で、署名への協力を求めている「eシフト」という団体のサイトがあります。僕は署名しました。
撤回させたいです。いったい誰が決めたのかも知りたいです。
ちなみに、ここでこれが通ってしまったら、この基準は、今後の日本のスタンダードにされてしまう恐れが十分にあります。
危険かも、と言われている地域の、公的にはそうでなくとも、あるいは「もしかして・・・」と危惧している地域の、特に放射能の影響を受けやすいとされる子どもや妊婦さんなどは、できるなら避難して欲しい。そう思っています。
でも、避難についても、こんな問題もあるようです。
『避難区域から引っ越せない…業者の拒否相次ぐ』
引越し業者が、引越しの為にその地域に入るのを拒否してしまい、引っ越したくても、それができないというのです。
政府「どこかへ避難して下さい」
被災者「え?自分で?どこへ?」
政府「自分で決めてください。とにかく、一ヶ月以内に。」
被災者「・・・はい。では引越し屋さん頼みます。」
引越し屋さん「住所は?・・・あ、そこはダメです、お断りします。」
こんなことってありですか。
これはもう、東電と政府が、きっちりと介入するしかないでしょう。
がれきの撤去に関しても、問題が起きています。
『がれき受け入れに波紋 「放射能怖い」愛知で苦情殺到』
行政は、「放射能に汚染されたものではない」と言います。
しかし・・・これこそ風評被害がでかねません。
愛知、岐阜、三重、長野の各県が、がれきの受け入れを検討していますが、記事にもありますが、徹底した安全対策が取られるべきですが、徹底とはいえ・・・どこまでできるやら。
ちなみに、神奈川県東部にあるうちと同県内であります川崎市でも、がれきの受け入れが半ば強引なかたちで決定してしまっています(反対の投書や電話などが数千件あったにもかかわらず)。
市長が福島出身だから、ということも言われていますが・・・・。
たしか、浮島で燃やすのではなかったでしょうか。万が一にも周辺に影響がでないことを祈るばかりです。(しかし、この市側の回答とされるものは、耳を疑うものでした)。
なんで、わざわざこんなに拡散させてしまうんでしょう。本当にどうしても、これをやるしかないのでしょうか。
海外で狂牛病とか出た時には、すぐに輸入停止とかしてたのになあ。口蹄疫でも、ずいぶん慎重な手段が録られました。でも、今回は随分、ゆるいんだなあ、と思います。がれきの放射能濃度なんて、ひとつひとつ測れるはずもないでしょうに・・・。本当に安全ならいいんですけれども。あと、やっぱり拡散することで、特に海外からの目が今以上に厳しくなったりなど、色々と二次災害になるような気がしますが・・・。どうなんだろう。
ちなみに、武田先生は「同情は良いことですが、決して放射性物質を「拡がらせる」ことになってはいけません。それは今、福島の人が苦しんでいることと同じ事なのです」として、福島での処理を勧めています。
小さなことですが、前にも書きましたが、僕も喘息で公害認定を受けています。何があっても、子どもは仕方なく、それを受け入れるしかないんです。
病気になっても、政府や行政をうらむなんて発想は、子どもにはありません。ただただ、「・・・辛いなあ。苦しいなあ」って思いながら病院に通うことしか出来ないんです。
大人になった今思いますが、行政の決定は本当に大切で、政治家としての面子や業績なんかより、とにかく目の前の子どもや弱者のことを考えて行われなければならないと思います。
そして、大元であります原発では、
『1号機建屋で高放射線量 工程表に影響も』
なんと、1120ミリシーベルトという、原発事故以来計測された中で、最も高い値の放射能が検出されました。
被曝のWikiによりますと、1000ミリシーベルトで「急性放射線障害。悪心(吐き気)、嘔吐など。水晶体混濁。」ということですから、官房長官をもってしても、「ただちに」健康に影響のある値になります。とてもではありませんが、人間が近づくことはできません。ですので、ロードマップ(行程表)に遅れがでる恐れがある、といわれているわけです。もとより「6ヶ月~9ヶ月で収束」だなんて、レベル7の事故の収束の時間として提示するには、世界中の誰も信じられないような「ご都合ロードマップ」でしたが・・・。
といって、見通しを揶揄している場合ではありませんよね。応援するしかありません。
こんなのが何年も続いたのでは、作業員の方もたまったものではないでしょう。といって、人間が入らないわけにも行かない。
72歳、ご高齢のエンジニアさんたちが立ち上がる声(『福島原発で危険作業志願 高齢エンジニアたち「決死の覚悟」「未来のある若者に任せてはいけない」』)が、頼もしくもあり、切なくもあります。
勿論、この方たちにだって、こんな場所には近づいてもらっては困ります。人が宇宙に行く時代。絶対に放射能を通さない、それでいて長時間の作業が可能な防護服は、作れないのでしょうか・・・。
なにか、いい手立てが見つかって欲しいです、本当に。
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---補記---
昨日、放送されたばかりの、原発作業現場最前線のレポートです。 (それぞれ15分ほどです)
「福島第一原発 青山が見た事故現場は...」01
http://www.youtube.com/watch?v=6Vbj1xFbmps
「福島第一原発 青山が見た事故現場は...」02
http://www.youtube.com/watch?v=iA6g3SLIEYo
関西テレビのニュースアンカーという報道番組の中で、第一原発の今の中の様子がわかる青山繁晴氏によるレポートが放送されました。これは必見だと思います。(この青山さんのレポートは赤裸々なせいか、ネットからすぐに削除されちゃうかもしれないそうですね・・・。お急ぎ下さい。→案の定、削除されましたが、再度アップしました。)
事故原発“ボイコット”寸前…所長ブチ切れ「やってられねぇ!」
このニュースでも伝えられた吉田第一原発所長が出演されています。原発の話をこれだけしていて、今日、初めてここの責任者である所長さんのお顔を見ました。この方の「やってられねえ!」のニュースは知っていたのですが、この意味もよくわかりました。この方たちは、保身や利益でなく、本当に純粋に原発の安全を考えて、日々作業をされているんですよね。職人さん、なんですよね。
本当に、現場の作業員の方々には頭が下がります。
敷地内でトラックが何台も地面に突き刺さってるのとかが(きっと3月11日のまま)処理されていないのを見て、本当にそれどころじゃないんだろうなあ、と、現場の緊張感が伝わってきました。
と、同時に、この施設の大きさを、こう具体的に映像で見まして(敷地や建物の大きさの感じで言えば、例えば大学とかみたいな)、ここから今、近県をはじめ、こちら東京、神奈川はもとより、イギリスやアメリカまでも放射性物質が飛んで行っているいうのは、改めて物凄いことだな、と思いました。東京で空に向かって「おーい!」と大声で叫んだら、名古屋で「ん?呼んだか?」みたいな(変な例えですみません)。
また、掲示板(要するに2ちゃんねる)に、4月の6日~9日、第一原発で作業にあたっていたという人物からの書き込みがありました。
第一原発行ってきたけど質問ある?
http://twuruttwuru.2chblog.jp/archives/1848846.html
色々と現場の様子がわかり、とても興味深いのでした(真贋についてはご意見もあろうかと思いますが、それをさしおいても)。よろしかったら。
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話が変ります。
一昨日、こちらを読んでくださっている男性の方から、メールを頂きました。
ご親戚に会いに、南三陸町に行かれたとのこと。
一部、プライバシーに関する部分のみ省略させていただきましたが、ご本人にご了解をいただきまして、写真と共にこちらに掲載させて頂きますね。
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ケンさん、こんにちは。
先ず、私信をお送りしました事を、お許し下さい。(どうしても、現状の写真を見ていただきたく、送信させていただきました。申し訳ございません。)
土・日(23~25日)を利用し、宮城(南三陸町)へ行ってきました。
実際に、自分の目で見て愕然とし、言葉にならなかったです。
幸い、親しい親族は大半、無事な姿を見れたのですが、地域により、生活の格差が激しい事が分かりました。(未だに電気が通っていない、買い物ができないなど。)
また、避難所生活をされている方が、大変多く、プライバシーの問題や、仮設トイレを利用させていただいた際に感じたのですが、日々のストレスが考えている以上の、予想以上だと感じました。
原発問題は優先して対応すべき事だとは思いますが、この度の地震や津波による被災地の方々のあらゆるケアが行き届いていないのが実感できました。(国際問題である、原発ですら後手後手になっている現状ですから、少しでも希望を抱いていた自分が間違っていたのかもしれません。)
今回、状況を実際に見て、直接話を聞くことができ、感じたのは、家族・友人はもちろんですが、著名人の方々が支援活動に訪れる事で、心のケアになっているんだとわかりました。
この先、必ず、音楽の力を必要とする時期がくると思います。
その時は、ケンさんの出番です。
今までのように、皆さんに、素敵なプレイを魅せ、希望や未来を拓いて下さい。
人は、みんなに支えられ、生きていけている事を強く、再認識できました。
気持ちが折れないかぎり、きっと頑張れる、乗り越えていけると信じています。
一人ひとりの力は、限られているかもしれませんが、人を思いやる気持ちを大切にし、行動する事が、今、一番身近で、みんなで出来る最低限の事だと思います。
できる事から始める事で、どんな小さな事でも未来への光芒になると思います。
みんなで、乗り越えましょう。
長文、失礼しました。
応援しています。
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(ご本人には、お礼のメールをさせて頂きました。)
大きな写真は、ご親戚の家があった場所なのだそうです。
こうして、じかに撮られた写真のリアリティは・・・凄まじいですね。
わかったような気にはなっていても、これは目で見、その場を体感した方にしかわからない状態なのだと思います。
被災地では、ホコリなどで肺炎になられている方が多いと聞きます。・・・息ができないのは、本当に辛いです。
どうか、一日もはやく、被災地の皆さんに笑顔や元気が戻ってきてくれる日が来ることを祈らずにはおられません。
そして、時計の針を戻してみますが、全ての元は、あの地震です。
僕もこのところ、ここでは主に原発の話ばかりになってしまっていましたが・・・、
あの日、日本に何が起こったのか、改めて「ナショナル・ジオグラフィック」がまとめた映像を見て、固まりました。
とてつもなく、恐ろしいです。
『National Geographic Witness Disaster in Japan Part 1』(各15分ほどです)
http://www.youtube.com/watch?v=mvC1uvCKlT8
http://www.youtube.com/watch?v=hBQltRW3d00&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=INR5Go90sx8&feature=related
基本、ナレーションは英語ですが、これに関してはそれは関係なくご覧になれると思います。
また、日本のことなのに、今までテレビでもネットでも未見だった映像が沢山あることも驚きです。
いったい、どうやって集めたんだろう・・・。日本人であるからこそ、僕たちの知らないことって、沢山あるのでしょうね。
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長くなってしまいましたが(いつもかな)、わけがあります。
明日から、三泊四日で、へきるちゃんのツアーで福岡、広島に行ってきます。
なので、ブログも、きっとちょっと短くなります。
でもね、こうして、仲間と音楽ができる幸せ、多くの方と一緒に集まれる幸せを、本当に大切にしたい気持ちで一杯です。
会場でお会いできる皆さん、元気でお会いしましょう。そして、一緒に、素晴らしい時間を作りましょう。
どうぞよろしくお願い致します。
ではー。