ラーメンにも中毒性があるなぁ、と思うです。
ホラ、カレーとか、餃子とかには、ありますでしょ?中毒性。
え?無い?無いの?
おっかしいなぁ・・・。
今日は一日、ずーっとシンセの小窓(ディスプレイね)を眺めながら、音作りをして楽しんでおりました。ピアノやオルガンは、気に入った(・・・なおかつ、“使える”)音色が手元にあれば、もう基本的にはそれでどこの現場に行ってもそれでOKなんですが、シンセはそうはいかないんですよね。だからこそ面白いんですが。
勿論、気に入ったもので、汎用性のある音色(言い換えれば、どんな音楽でもよく使われるような音。ストリングスとか、ブラスとか・・・と言ってもそれぞれ一台のシンセに数十~数百種類は入っているので、その中から選ぶのですけれども)は、使いまわしができるんですが、「この曲といえば、この音だよね」というような、その曲のイメージと一緒に刷り込まれている独特な音っていうのもあって、これは作った本人しか持っていないものなんですよ。
なので、自分の持っている機材で、どうにか再現できないか、格闘するわけです。
昔のアナログシンセは、もう一からの音作りだったんですが、最近のデジタルシンセでの手順としては、具体的には似たような音色を選んでそこから加工していく方法が主流です。あとは音色を明るくしてみたり、くもらせてみたり・・・まあ、色々あるんですが、そんな感じです。
また同時に、幾つかの音色を重ね合わせて(レイヤーする、と言います)、目的の音に近づけていく方法も取ります。白味噌と赤味噌とモロミなんかも組み合わせたりして合わせ味噌を作る、みたいなものですね。
で、さらに同時に「エンベローブ」という、音の鳴り出し方&減衰の仕方を決めるフォルターの設定をしていきます。これ、音色の印象にはとっても大事。例えば、ピアノは鍵盤を押した瞬間にポーンと音がなって、そのままにしておくと、段々音が小さくなって(減衰して)いきますよね。そして、いつか音が無くなる=0になるなりますでしょ。あと、手を離したら、少しだけボディが共鳴して、スッと音が消えるから、それもシミュレートしてげたりね。
あるいは、弓で弾くヴァイオリンみたいな音だったら、弾き始めは滑らかに音が鳴り始めて段々大きくなって、しばらく持続して、弓を離したら、やはり少し余韻があって音がなくなりますよね。これも、音の鳴り始めから終わりまで、そういうカーブで鳴らしてね、とシンセに指令を出してあげるんです。そのカーブを自分で数値で(又は、シンセのよっては感覚的にノブを回したり、スライダーを上げ下げしたりして)設定していくのですね。
今度は、オルガンの音をシンセで再現しようと思ったとしますと、これは弾いた瞬間に音が鳴るのはピアノと一緒だけど、いつまでも減衰はしないし(鍵盤を押さえている限り、1時間でも、10年でも鳴りっぱなし)、そして手を離した瞬間にはまったく余韻なくて、すぐに音が切れるように設定するのです。すぐに音が切れないと、パーカッシブな奏法ができないですからね。(・・・って何の話だよ、って感じなのでしょうねぇ・・・)
あと、これらの楽器音じゃなくて、自然音ってのもあって、風の音とか(これは大抵、ホワイトノイズというものを加工して作っていきます)、雨の音とか。それぞれ、それっぽく聴こえるようにするコツがあるんですよね。長くなるので、詳しくはまたいつか、機会があったら。
あと、自然音でも楽器音でもない、例えばSF映画に出てきそうな、例えば宇宙から聞こえてくるような不思議な音なんかは、まったくオリジナルにどんどん好きなアイデアで作っていけるんです。
で、これらに今度エフェクターというもので、響き(リバーブ)ややまびこ効果(ディレイ)なんかをつけたりして、あとは音をウネらせたり(フェイザー、フランジャー)、わざと歪ませたり(ディストーション)とか、まあ、これまた色々ありまして、それぞれを組み合わせて、ようやく一つの音色を作っていくのです。
で、これを、曲によっては、一曲で1~3種類とかが普通ですが、多い曲だと5~7種類も必要、なんて事もあります。これにサンプリング音なんかも加えていくと、一曲で10種類以上の音色を使い分ける、なーんてこともあるわけです。シンセは、ピアノやオルガンなんかと違って、これを一台の鍵盤の上に、割り振っていくことができるんです(ここら辺はもう誰も読んでないかもね(笑))。
ココからココまではベルの音、そして、ココからココまではストリングス、で、この鍵盤とこの鍵盤は声のサンプリングをアサインし(割り当て)て、その上はパッドにして・・・なんてね。頭がこんがらがりそうですが、こんなこと、僕たちキーボーディストは、ずーっとやってるのです。僕も15歳で最初シンセを手に入れてからですから、もう・・・ね・・・かなりの年数やってます(笑)。
で、これが楽しいのですよ。音作りって、「うわー、やらなきゃなー」って思ってる時はちょっと大変なんですけど・・・あ、これはなぜかというと、上に書いたようなことを、コツコツやらなきゃならないからなのと、時には、半日かけても、どうしても納得できる音色にならなくて、時間ばっかり過ぎちゃって、結局ボツにしちゃったり、・・・なんてことがあるからで、それを経験則でわかっているからで(笑)、
でも、出来たときはものすごく嬉しいわけです。
「おお、いい音になった」って。
なんだか数字が沢山書いてあるシンセの小窓を眺めながら鍵盤を弾いては、一人満足げにニヤニヤするわけですよ。そう、完全にオタクの世界です(笑)。そう、シンセはオタクじゃないと出来ないのです。マニアというより、これはオタクの世界。
で、そのオタクの音が、スタジオで試され、また微調整を繰り返しながら、最終的にステージに上がるんですよ。僕たちと一緒に。
今回の安全地帯さんのツアーでは、松田さんが基本的にはピアノを担当されて(曲によってはシンセも弾かれますけれど)、僕はそれ以外のシンセやオルガンやその他諸々を担当という感じで進めていますので、音色作りを結構沢山しました。そして、今日、改めて全部の音色の見直しをしながら結構追い込めたので、リハーサルの再開が楽しみです。
実際に“使える”音色が作れたのか。メンバーさんやPAさんたち音響スタッフさんは満足してくれるか、勿論、最終的には、お客さんはこの音色を聴いて気持ちいいと思ってくださるのか、
・・・「ちょっと食べてみて。美味しいよー」と、新しく作ってみたオリジナル餃子を配る気持ちです。
・・・ん、なんか違うか。
おー、今日はキーボーディストっぽいブログになったくさい。珍しーい(笑)。そして今日作った音色は、さっそく明日のテレビ番組の収録でも使ってみようと思っているのです。がんばれ、音色。
そうそう(笑)、写真は音色作りの合間に作った味噌ラーメンね。野菜を炒めた後、その中華なべにスープを入れてちょっと煮込んだのがコツであります。ウマーでしたよー。箸置きは・・・せっかく頂いたので、ネタとして(笑)。
汗かいたですけど(笑)。
ではー。