映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「マジック・イン・ムーンライト」

2015年04月24日 | 日記

   

     好調のウッディ・アレン監督が、美しい自然と海に囲まれた1920年代の南仏リ
     ゾート地を舞台に描くロマンティックコメディです。

     天才的なマジックの腕前で人気を博している英国人マジシャン・スタンリー(コリ
     ン・ファース)の普段の顔は、合理主義で毒舌家でした。
     ある時、幼なじみのハワード(サイモン・マクバーニー)から、知り合いの資産家
     が入れあげている米国人占い師の真偽を見抜いてほしいと依頼され、魔法や
     超能力など存在しないと信じるスタンリーは、婚約者との旅行をキャンセルし、
     噂の占い師ソフィ(エマ・ストーン)のペテンを見抜いてやろうと自信満々で乗り
     込みます。
     しかし、彼女の透視能力を目の当たりにして人生観も覆され、さらには容姿も
     性格も完璧な彼女に惚れ込んでしまうのです・・・。

     ウッディ・アレンは好きな監督の一人ですし、前作の「ブルージャスミン」も楽し
     かったので期待して見ました。
     脚本を書いたのも彼で、南仏リゾート地の風景や1920年代の装飾・衣装・車な
     どが上手く配置されていてお膳立ては万全ですが、肝心なお話が今一つです。

     この手の娯楽作品にあまり目くじら立てるのはどうかと思いますが、動機付け
     やラストの処理が甘過ぎます。いくら肩のこらない娯楽作品であっても、決め
     るところはピシッと決めないといけません。
     そうは言っても途中は笑いながら見ましたが、絶対お薦めとまでは行きません。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しかった旅の一コマ (67) イスラム神秘主義教団メブラーナ教の旋回舞踊

2015年04月23日 | 日記

 

 

    

  

   

     トルコは2013年に出かけました。トルコはとてもユニークな国であり親日国家。
     首都イスタンブールの街ど真ん中を横切るボスポラス海峡、下関市と北九州市
     の間にある関門海峡のようなもので、海峡の東側は東洋、西側はヨーロッパです。
     トルコにはトプカプ宮殿、ブルー・モスク、アクロポリス、トロイ、パムッカレ、カッ
     パドキアなどなど、旅好きな私の旅情を腹いっぱい満足させてくれた国でもあり
     ました。

     当時アップした旅日記を読み返してみると、その中にカッパドキア近郊でイスラ
     ム神秘主義教団メプラーナ教の旋回舞踊を見学したことを記していて、信徒が
     イスラムの神と一体化して踊るというもので、なんのことはないグルグル回るだ
     けで少し失望した・・・なんて書いています。ところがトルコのことを後年に思い出
     す度に、この踊りの記憶が強く出てくるのです。

     トルコではこの国の名物・ベリーダンスも見ましたが、イスラム神秘主義教団メ
     プラーナ教の旋回舞踊は全く趣を変えます。
     この旋回舞踊は男性が印象的な白い衣装で、いくつかの楽器演奏に合わせ円
     を描きながら回る独特なスタイルで踊ります。

     演奏側は打楽器・たて笛・弦楽器に唄う人がいて四人、踊る側は最初は黒マン
     トを着ていますが、演奏が始まるとマントを脱ぎ、胸の上に両腕をクロスして旋回
     が始まります。途中で腕は腰のあたりまで下がり、ゆっくりと胸や顔をなでるよう
     にした後、右手の平を上向きにして神の精神的な恵みを授かり、左手は平を下に
     向けて広げるのは、右手で受けた恵みを地上の人に分け与える仕草だそうです。

     こんなに旋回したら目が回るのではないかと心配になるほど旋回を繰り返します
     が、首が少し傾いていて、踊り手の表情はまるで無我の境です。これによって無
     我の境地に入り、神との一体化を求めているのだそうで、スカートのような白い衣
     装の裾は、宇宙の広がりを表しているのだとか。
     見ている側がもうこのくらいでいいと思う頃にお祈りがあり踊りも終わるのですが、
     盛大で豪勢で厳粛な宗教舞踊を期待していた割には単純な踊りだったのかも知
     れません。でもでも不思議な体験でした・・・。
 




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

2015年04月22日 | 日記

     

     宮部みゆきが9年間にわたり連載して書き上げた「ソロモンの偽証」を、成島出
     監督のメガホンにより映画化した2部作の後編です。

     クリスマスの夜、校庭で起こった生徒・柏木卓也の死から始まった一連の事件に
     揺れる城東第三中学校で、前代未聞となる生徒による生徒だけの校内裁判が行
     われることになります。
     告発状で柏木殺害の嫌疑をかけられた問題児の大出俊次を被告に、校内裁判の
     提案者である藤野涼子は、検事として大出の有罪を立証しようとしますが、他校生
     でありながら裁判に参加する神原和彦は、大出の弁護人として涼子と対峙します。
     さまざまな思惑が絡まり合う中、涼子らは必死で真相を究明しようとします・・・。

     前篇の感想にも書いたように、後篇も事件の23年後にこの中学校に教師として赴
     任してきた涼子の回想形式で進行します。宣伝文句にある大作感は後篇でも味わ
     えず、むしろ後退して深みがありません。
     裁判開催が如何に困難だったのか、それをどうして開催にこぎ着けたのかなど、
     クライマックスへの手立てが下手です。

     前述のように前篇の方がまだ良かった・・・が結論になります。お客さんの期待度も
     下がったのでしょう、後篇の初日13時の部に上映館へ入りましたが、客数は11人で
     した。因みに前篇も初日に見ましたが、その時の客数は17人。ひたすら新人・藤野
     涼子の将来性が目立ちました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

2015年04月21日 | 日記
   

     「バベル」「21グラム」など、シリアスな人間ドラマで評価されているメキシコの
     アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品で、今年のアカデミー賞では9
     部門でノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4部門を受賞してい
     て、一日も早く見たかった作品です。

     かつてスーパーヒーロー映画「バードマン」でスターになった俳優リーガン・トム
     ソン(マイケル・キートン)は、その後ヒット作に恵まれず、結婚にも失敗して冴え
     ない日々を送っていました。
     そんな中、彼は復活をかけてブロードウェイの舞台に挑むことになり、レイモン
     ド・カーバーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色・演出も主演
     も兼ねて一世一代の大舞台にのぞもうとします。

     ところが出演俳優が大怪我をして降板し、代役に実力派俳優マイク・シャイナー
     (エドワード・ノートン)を迎えますが、マイクの才能に脅かされる一方で娘のサム
     (エマ・ストーン)との確執や、劇評家からの酷評宣言を受けたリーガンは、精神
     的に追い詰められて行きます。そんな彼の前に”バードマン”が現われます・・・。

     悲哀とユーモアを緊張感たっぷりで見せてくれる120分です。マイケル・キートン
     は実際に、「バットマン」で主役を演じた人ですが、今作の彼の演技は大いに評
     価しますし、更に凄いのはカメラワークで、登場人物をどこまでも追っかけての
     長回し、一見ワンカットのように見せるのです。撮影賞は当然だと思うし、これを
     見ているだけでも楽しいです。

     お話も奇想天外ですが、見る人によって好き嫌い、よく判らないが拮抗すると思
     われます。映画通だったら判るという感想も散見しますが、本来映画は誰が見て
     も判るのが当然なのですから、この作品はよく判らないとの意見も率直に受け入
     れるべきだと思います。現実と幻影部分の描写説明が少々不足だったのは否め
     ません。
     私は好きな作品だし、楽しませてくれた作品ですが、率直に言ってこの作品がア
     カデミー賞作品賞に値するかということには少し異を感じます。




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大映宣伝部・番外編の番外 (60) 追悼・三条美紀さん

2015年04月20日 | 日記

           

  

  

     三条美紀さんの訃報を聞き、どうしてもこのブログで取り上げたいと思いアッ
     プしました。
     今どきの人はテレビに出ていた老女の印象が強いでしょうが、彼女は大映出
     身で人気スターの一人だった方です。

     このブログで大映の思い出を綴っていますが、基本的には一緒に仕事をした
     とか、個人的にも付き合いがあった人を取り上げていて、同じ大映でも会った
     ことが無かった人も中にはいるのですが、彼女もその一人です。
     私よりずーっと先輩であり、私が大映に入る前から活躍をしていた女優さんに、
     折原啓子さん、及川さん、三条美紀さんらがいて、わたしが大映に入る前か、
     入れ違いに去ったこの方たちのアップは、どうしようかと思っていた時の訃報
     でした。

     三条美紀さんのお父さんが大映で俳優をしていたこともあり、彼女はそれが縁
     で大映東京撮影所の経理課で働いていたのです。製作本数が増え、スターを
     養成し活躍してもらおうと考えていた大映は、前から所内で評判だった彼女を
     女優さんとして引っ張り出します。
     お父さんの血を引いていたのでしょう、彼女はすぐに演技も上達して三益愛子
     の母シリーズなどに連続出演して人気女優のポジションを獲得するのです。

     次世代の山本富士子や若尾文子らが登場してくるまでは、前述の折原啓子ら
     とともに大活躍をしました。昭和21年から数多くの大映作品に出ていますが「母
     シリーズ」、「王将」「静かなる決闘」などが代表作と言えましょう。
     昭和30年には東映に移籍、その後はテレビドラマを活躍の場としました。去る
     4月9日にうっ血性心不全で亡くなりましたが86歳でした。





コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする