宮部みゆきが9年間にわたり連載して書き上げた「ソロモンの偽証」を、成島出
監督のメガホンにより映画化した2部作の後編です。
クリスマスの夜、校庭で起こった生徒・柏木卓也の死から始まった一連の事件に
揺れる城東第三中学校で、前代未聞となる生徒による生徒だけの校内裁判が行
われることになります。
告発状で柏木殺害の嫌疑をかけられた問題児の大出俊次を被告に、校内裁判の
提案者である藤野涼子は、検事として大出の有罪を立証しようとしますが、他校生
でありながら裁判に参加する神原和彦は、大出の弁護人として涼子と対峙します。
さまざまな思惑が絡まり合う中、涼子らは必死で真相を究明しようとします・・・。
前篇の感想にも書いたように、後篇も事件の23年後にこの中学校に教師として赴
任してきた涼子の回想形式で進行します。宣伝文句にある大作感は後篇でも味わ
えず、むしろ後退して深みがありません。
裁判開催が如何に困難だったのか、それをどうして開催にこぎ着けたのかなど、
クライマックスへの手立てが下手です。
前述のように前篇の方がまだ良かった・・・が結論になります。お客さんの期待度も
下がったのでしょう、後篇の初日13時の部に上映館へ入りましたが、客数は11人で
した。因みに前篇も初日に見ましたが、その時の客数は17人。ひたすら新人・藤野
涼子の将来性が目立ちました。