1998年に日本の梅津泰臣監督が手掛けた暴力とエロティシズムのアニメ「A KITE」
を、今回はハリウッドにより写映画化されたもので、主な役名は原作通りの日本名
です。
舞台は少女たちが人身売買組織に性の奴隷として売り買いされモラルの崩壊した
近未来です。
幼い頃に組織によって両親を殺されたサワ(インディア・アイズリー)は、父の相棒だ
った刑事アカイ(サミュエル・L・ジャクソン)に暗殺者としての訓練を受けて育てられ
ました。
娼婦になりすまして潜入したサワは、組織の人間を一人づつ暗殺、アカイはその証
拠を隠滅して彼女を密かに守ります。サワは精神安定剤「アンプ」の副作用で記憶
が薄れていく中、組織のボスに接近しますが、やがて残酷な真実が明らかに・・・。
サワ役のインディア・アイズリーは女優オリビア・ハッセーの実の娘ですが、お母さ
んとは似てもつかない超個性的な女の子で、ある意味では、この子を見て楽しむ映
画なのかも知れません。
この作品を普通感覚の人が見て楽しむためには、理屈抜きで非現実的なことを気
にしたらダメです。
結果的には極めてコアな人にしか受け入れられないかも知れません。映像は素晴
らしいですよ。
監督はデビッド・R・エリスで撮影に入ったのですが、そのエリス監督がその途中で
死去。ミュージックビデオなどを手がけてきたラルフ・ジマンが監督を引き継ぎまし
たが、少し荷が重かったと思います。