今回は大映の時代劇で、三田登喜子さんや浦路洋子さんたちとともに頑張った
阿井美千子さんを取り上げたいと思います。
阿井美千子さんは大映に入る前に宝塚歌劇で活躍した人ですが、いい機会だ
から大映に在籍した女優さんで、宝塚歌劇とか松竹歌劇とか、ミスコンテスト出
身者について少し考察したいと思います。
一番多いのは宝塚歌劇団出身で、萬代峯子・日高澄子・月丘夢路・近江輝子・
乙羽信子・淡島千景・伏見和子・阿井美千子・穂高のり子・藤原礼子・中田康
子・小野道子・霧立はるみ・高毬子の皆さんです。
松竹歌劇団(大阪松竹歌劇団を含めて)は、京マチ子・藤田佳子・長谷川待子・
若松和子・紺野ユカ・野添ひとみ・宮川和子の皆さんとなり、ミス日本、ミスユニ
バース出身は山本富士子・近藤美恵子・三田登喜子の皆さんということになり
ます。書洩らしている方がいるかも知れませんが、そうであればゴメンナサイ
です。
前置きが長くなりましたが、阿井美千子さんは京都の出身で昭和21年(1946)に
宝塚歌劇に入り、男役として活躍しました、同期に八千草薫がいます。昭和27
年(1952)に宝塚を退団してまず東映に入りましたが、水が合わなかったのでし
ょうか翌年の昭和28年(1953)には大映に転社、時代劇でお姫様や娘役として
活躍することになります。
丁度このころに三田登喜子さんや浦路洋子さんも同じような役柄で活躍し、人
気を分かち合いましたが、阿井さんの出演本数が約100本、三田さんが約80本、
浦路さんが約70本ですからその模様が想像出来るというものです。
私は京都撮影所で何度か会いましたが、宝塚歌劇の出身者らしく礼儀正しく
明るい方だった記憶が残っています。
昭和40年には大映を退社してテレビや舞台に活躍の場を移されました。昭和
5年(1930)生れですから、今年で85歳、お元気だといいのですが・・・。