さだまさしによる同名曲に惚れ込んだ大沢たかおが、小説化と映画化を熱望
し実現した作品ですが、私はあまり興味が湧かず、パスしようと思っていたら
秋篠宮ご一家が鑑賞されたと聞き、重い腰を上げました。
アフリカ医療に生涯を捧げたシュバイツァーの自伝に感銘を受け医師を志した
航一郎(大沢たかお)は、1987年に大学病院からケニアの研究施設に派遣され
れます。
日本に恋人(真木よう子)を残しながらも、ケニアの地で充実した日々を送って
いた航一郎は、戦場に近い赤十字病院から1カ月の派遣要請を受け、同じ病
院に派遣された看護師(石原さとみ)らとともに医療に邁進します。
そこで彼が目にしたのは、重傷を負って次々と運ばれてくる少年が、みな麻薬
を注射され戦場に立たされた少年兵であるという事実でした。
ある日、病院に少年兵・ンドゥングが担ぎ込まれますが、少年は目の前で両親
を惨殺され、麻薬でかき消されたという深い心の傷を抱えていて、航一郎は少
年と真正面から向き合おうとしますが・・・。
監督は「藁の楯」(2013)でも大沢とタッグを組んだ三池崇史です。
いい題材なのですが、思った通り感動するに至りませんでした。実在の日本人
医師がモデルだそうですが、その方の行動とはかなり違うようです。
従って話が深くないし、どうしても嘘っぽいのは、脚本段階での構成が不味か
ったのでしょう。
話が現在・過去を行ったり来たりするのも上手いとは思えませんし、思い切っ
て恋人(真木)とのくだりとか、無理して東日本大震災に結び付けることなどを
カットして、現地の活動模様に絞った方が良かったと思います。私の判定は
残念作です。