「恋の門」(2004)以来、10年ぶりに松尾スズキ監督と松田龍平がタッグを組み、
いがらしみきお原作の人気コミック「かむろば村へ」を実写映画化したもので、
タイトルの「ジヌ」は、東北地方の方言で「銭」(お金)の意味です。
銀行員なのにお金アレルギーになり、銀行を辞めるハメになった高見武晴(松
田龍平)は、お金を1円も使わずに生活しようと決心、東北の寒村「かむろば村」
にやってきます。
そこで彼は、隠された過去を持つ世話好きな村長・与三郎(阿部サダヲ)とその
美人妻(松たか子)、自ら神様を名乗る老人(西田敏行)など、曲者揃いの村人た
ちと出会って慣れ親しんで行き、彼女(二階堂ふみ)も出来ますが、ある日、与三
郎の過去を知るというヤクザ(松尾スズキ)が現れて村は大騒ぎとなり・・・。
ユニークな作品を撮ろうとした気持ちは判りますので、あまり辛口な感想は書き
たくないのですが、それにしてもあまりにも出来が良くありません。
これだけのキャストを揃えているにも関わらず、それを生かしきれずにいるし、脚
本・演出が最低で、しかも一人よがりですから面白味に欠ける作品になってしま
いました。お金を燃やすラストなど、何を考えているのか判りません。
いくら素晴らしい配役でも脚本・監督が駄目だと、いい作品が出来る筈がないの
見本みたいな映画です。