三条美紀さんの訃報を聞き、どうしてもこのブログで取り上げたいと思いアッ
プしました。
今どきの人はテレビに出ていた老女の印象が強いでしょうが、彼女は大映出
身で人気スターの一人だった方です。
このブログで大映の思い出を綴っていますが、基本的には一緒に仕事をした
とか、個人的にも付き合いがあった人を取り上げていて、同じ大映でも会った
ことが無かった人も中にはいるのですが、彼女もその一人です。
私よりずーっと先輩であり、私が大映に入る前から活躍をしていた女優さんに、
折原啓子さん、及川さん、三条美紀さんらがいて、わたしが大映に入る前か、
入れ違いに去ったこの方たちのアップは、どうしようかと思っていた時の訃報
でした。
三条美紀さんのお父さんが大映で俳優をしていたこともあり、彼女はそれが縁
で大映東京撮影所の経理課で働いていたのです。製作本数が増え、スターを
養成し活躍してもらおうと考えていた大映は、前から所内で評判だった彼女を
女優さんとして引っ張り出します。
お父さんの血を引いていたのでしょう、彼女はすぐに演技も上達して三益愛子
の母シリーズなどに連続出演して人気女優のポジションを獲得するのです。
次世代の山本富士子や若尾文子らが登場してくるまでは、前述の折原啓子ら
とともに大活躍をしました。昭和21年から数多くの大映作品に出ていますが「母
シリーズ」、「王将」「静かなる決闘」などが代表作と言えましょう。
昭和30年には東映に移籍、その後はテレビドラマを活躍の場としました。去る
4月9日にうっ血性心不全で亡くなりましたが86歳でした。