映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (158) 浜口喜博さん

2017年05月22日 | 日記

    
     ↑↓「ブルーバ」のスチールです。相手役の女優さんは八潮悠子で、現在彼女は
        NYでレストランを経営しています。
    

    

     

    
     ↑「母の旅路」(1958)は原作・川口松太郎、監督・清水宏。出演者は三益愛子・佐野
       周二・仁木多鶴子・紺野ユカ・金田一敦子・藤間紫・浜口喜博などですが、田宮二
       郎が当時は本名の柴田吾郎で出演しています。このスチールの中から皆さんを
       探してください。


    永田雅一氏は私が敬愛するもと大映社長ですが、時々面白いというか変わったアイデ
    アを打ち出して周囲を慌てさせる名人でもありました。
    当時の陸上100メートル選手をプロ野球の代走者に仕立てたり、別の野球選手の面構
    えを買って大魔神に登用したりして話題になりましたが、今回の浜口喜博さんもヘルシ
    ンキオリンピック800メートル自由形リレーでの銀メダリストで、昭和1年(1926)香川県高
    松生れ、日本大学出身です。

    水泳選手を引退後に彼を和製ターザンに仕立てた映画「ブルーバ」(1955)に主演させま
    したが、原作の南洋一郎さんは、戦前よりルパンやターザンものの翻訳で有名で、その
    流れで書いた冒険小説の映画化でした。
    監督・鈴木重吉、音楽は伊福部昭が担当、ジャングルシーンの撮影は、ハリウッドに常
    設されていたジャングルセットで行うなど、仕掛けはとても大がかりでした。しかしながら
    浜口さんはなんと言ってもド素人で、みんなで笑いながら出来上がった作品を見た記憶
    があります。興行的にも見事失敗でした。

    演技がイマイチでも人柄がいいし真面目な人だったので撮影所ではみんなに可愛がら
    れ、その後も現代劇・時代劇の「新・平家物語」「月の紘道館」「刑事部屋」「薔薇の紘道
    館」「日露戦争秘話 敵中横断三百里」「透明人間と蠅男」「朝の口笛」「鼠小僧忍び込み
    控」「母の旅路」「素っ裸の青春」「巨人と玩具」「母」「有楽町で逢いましょう」「野火」「海
    軍兵学校物語 あゝ江田島」「花の大障害」「息子」「熱い砂」「性生活の知恵」「女は夜化
    粧する」「熱砂の月」「あゝ零戦「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」」など、50本近い作品に
    出演しています。
    その後には日本水泳無連盟に復帰し、平成23年(2011)85歳になって心不全で亡くなり
    ましたが、最後まで水泳界のために活躍されました。

       
                   ↑ 往年の浜口さん(右)




コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする