「ブラック メリー ポピンズ」 於:世田谷パブリックシアター
[脚本・作詞・音楽] ソ・ユンミ
[演出] 鈴木裕美、[上演台本] 田村孝裕
[出演] 音月桂/小西遼生/良知真次/上山竜司/一路真輝
体調が少しいい状態なので急遽芝居のチケット探し。たまたま二階席が空いていた韓国発のミュージカル「ブラック メリー ポピンズ」へ。
出演者で知っているのは「スリル・ミ-」に出ていた小西遼生と宝塚出身の一路真輝ぐらい。音月桂も宝塚の雪組のトップッスターだったらしいが、一般の芝居では初舞台。
あまり期待せずに出かけた。
1930年代、 ドイツの有名な心理学者グラチェン・シュワルツ博士の豪邸で火事が起こり、博士は焼死。博士の4人の養子である子供たちは養育係メリー・シュミットに助け出される。 しかし、不思議なことに子供達は、その日のことを記憶していない。12年後博士の手帳が長男の手元に届いたことから、事態は思わぬ方向に展開してゆく。
まだ初日から少しなのに俳優達の演技はゆるぎなく、舞台美術はシンプルだが洗練されており、音楽も「スリル・ミ-」に似た雰囲気で心地よい。
完成度の高い見ごたえのある舞台になっている。
血はつながっていない4人の兄弟の強い絆が根底に流れていて、芝居のメリハリをはっきりさせているところも成功の理由だろう。舞台「シュート・ザ・クロウ」の頃から注目の、まだ30代の田村孝裕の上演台本も貢献しているのかもしれない。
ミュージカル派には勿論お薦めだが、ストーリーもしつかりしているのでストレートプレイ派にも面白いと思う。
公演は7月20日(日)まで