曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

オオムラサキ太郎の寿命が尽きました

2015年06月29日 | 日記

今日の花

夕方6時半ごろ帰り道の途中で撮ったもので光が十分ではありません。すごい雄蕊の数ですね。

 


 昨夜弱ったオオムラサキ太郎を室内に入れておきました。今朝見に行くと、もう動きませんでした。心臓の動きも停止したのでしょう。

太郎の生涯はどうだったのでしょうか。冬の寒い1月に山の中の落ち葉で眠っていたところを私に見つけられて彼の生涯は一変しました。そのまま行けば春に山のエノキの大木で育ち今頃山の中を鳥のように飛び回っていたかもしれません。でも自然界はとても厳しいところですから幼虫の間に外敵に遭い命を落としていた可能性も高いでしょう。我が家の庭で無事に生涯を全うしましたが私の観察用試料として自由は全くありませんでした。ただ1頭の雌に子孫を託すこともかないませんでした。何億年とつないできた太郎の命(遺伝子)はここに途絶えたのです。太郎の冥福を祈ります。

 

 


 昨日の記事に書いたように次郎と三郎は元気なうちに山へ返してやりました。昨日の夕方5時ごろ箱に入れて山の上に運びました。次郎と三郎が自然の中に帰るとどんな行動をするか見たいのです。放す場所としては観察がしやすい場所であることとオオムラサキの生息地であることが大事なのですが、近いところで笛吹き峠を選びました。そこに谷をまたぐ橋が架かっています。そこにやって来ました。

結果を先に申しあげますと次郎も三郎も羽はすり減り傷ついていますがすり減った小さな翅で鳥のように雄大に飛び回りました。残る余命は少ないでしょうがよかったなと思いました。次郎・三郎の姿を追って橋の上でカメラを抱えて1時間半を過ごしました。橋の上を何台も車が走って行きましたがカメラを持っていなかったら橋の上から身投げをしようとしているのではないかと疑われていたかも。

 


自然に帰ったオオムラサキ

橋の上に着きました。戸惑っているようです。なかなか飛び立ちません。

翅の一番傷みのひどい次郎です。メスの周りを他の雄とバトリながら飛び回るのでこの数日でこんなになりました。

 

最後に生まれて一番きれいだった三郎も羽先がかなり傷んでいます。

まず三郎から飛び立たせようと手に乗せて促しました。

お礼を言ったかどうかわかりませんが突然飛び立ちました。直前に頭を下げたようにも見えました。三郎は交尾も済ませましたし一番幸せな雄です。

三郎の飛翔です。


 


 


三郎は橋から上に向かって飛んでゆきました。

 


次は次郎の番です。翅の面積は半分くらいになっています。オオムラサキの羽は大型蝶のアゲハの仲間の羽に比べるとしなやかさが無くて硬いのです。だから物に触れると先の方から折れてゆくのでしょうね。羽が固いからグライダーのように滑空飛行するのが得意です。

絞りを絞って背景を入れてみました。でもそれが撮影においてはオオ失敗でした。飛び立って飛翔に移ってからの撮影ではシャッター速度を上げなければならないのに飛跡を追いかけるのに夢中でしばらくの飛翔写真は絞ったまま撮っていました。もちろん動くものへのピントは甘くなります。夢中になった時によくやる失敗です。

 

三郎は橋の上に向かって飛び立ったのに次郎は下の方へ谷底に向かいました。上と下の両方を見なければならなくなりわたしは困りました。


 

三郎の飛翔

距離が遠くて小さくしか写りません。それぞれに拡大写真を付けました。


 


 


 

次郎の飛翔


谷の向こうは海です

次郎は谷底の合歓の花の周りを飛んでいます。上から撮影できるので羽表の紫がきれいに見えます。

 



 


 

次郎も三郎も羽が傷んでいるにもかかわらずよく飛び回りました。明日も天気はよさそうなのでうまく雌に出会えるといいですね。

 

夕暮れの山の端

 


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