医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

若いと思いつつ

2011-10-11 06:14:52 | 薬局
来年に向けて始まっている。

薬局の方は介護報酬改定にあまり興味がなく、対岸の火事の様に思うかもしれないが、基本は同じだと思う。
介護保険は2000年から導入しているため、12年ほどしか経過せず制度設計がやり易い。
が、しかし既に継ぎはぎだらけになっている。
ここでも登場するのは財源不足である。
それも医療と全く同じでこれからが本番を迎える。

介護報酬は診療報酬と異なり1点ではなく1単位に対する単価となっている。
基本は1単位が10円であるが、先日もブログ(8/12)で地域区分について書いたが、東京23区などは現在15%加算になっているが18%アップになりそうだ。
逆に、人件費が安い地方では0.6%引き下げが検討されている。
介護は人件費比率が大きいのでこの単価の行方は経営上の大きな問題となる。

その人件費であるが、介護職員の給与が他の産業に比べ大幅に下回っているとして、離職率や処遇改善のために「処遇改善交付金」が09年に自公政権で、補正予算として約4,000億年計上された。
この制度は10年度から実施され、職員1人当たり月額平均15,000円を事業者に支給した。
これが3年間の時限措置のため来年の3月で切れる。
職員1人当たり月額15,000円だから年間18万円である。
これはかなり大きい。
実際に、このお金が職員の処遇改善に当てられたかどうかは事業主次第である。

さて、この制度を来年の3月をもって無くした分をどうするかが問題だ。
まさにはしごを掛けておいて外すようなものだ。
給与に反映された場合は、交付金がなくなるので下げますでは暴動が起きる。
その分を介護報酬でカバーできるのかと言うと介護保険には財源がない。
交付金を継続できるのかと言うと、ここにも財源がない。
介護保険という制度に外部からの取って付けた交付金を宛がっただけの継ぎはぎだ。
政治の勝手な思いつきが現場を混乱させる。
根本的な制度設計の見直しが必要なのに。

同じ様なことは診療報酬や調剤報酬でも同じだ。
どこかで報酬自体の見直しが必要になってきた。
その引き金は財源不足だ。
そろそろその時期を迎えているのではないのか。
その見直しのポイントは「医療への貢献度と根拠」である。
真剣に調剤報酬に対する「医療への貢献度と根拠」を示す必要を感じる。

昨日は「体育の日」だった。
皆さんの体力維持はいかがであろうか。
ちょっと「開眼片足立ち」を試して欲しい。
意外と難しい。
因みに、65~69歳の男は85.64秒、女性は85.21秒と意外に凄い。
負けていないか?

知らず知らずの内に体力が弱っている。
知らず知らずの内に制度も歪んでいく。



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4 コメント

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返戻訴訟!! (九州男児!!)
2011-10-11 10:24:20
以前駒形さんがお話されていた一件、結果がでたようなので。。。取り急ぎ報告致します。。

□■ 査定不服で684円求め、開業医が支払基金を提訴 ■□

診療所開業医が提起したレセプト審査訴訟で、さいたま地裁は初診料の増点補
正の訴えを認めました。

訴訟を起こしたのは、埼玉県川越市のいちかわ小児科クリニック。2010年1月に
「全身性エリテマトーデス(SLE)疑い」の病名で網赤血球数検査の診療報酬を請求して支払いを受けましたが、保険者からの再審査請求で、社会保険診療報酬支払基金の審査委員会が再審査した結果、保険診療と認められないとして減点査定されました。同院はこれを不服として昨年7月、再審査請求せずに支払基金を相手取り提訴(訴訟金額84円)。12月には訴えを変更し、別件の初診料過少請求分(乳幼児加算請求漏れの600円)の増点補正も求めました(訴訟金額計684円)。

今年6月のさいたま地裁の判決では、網赤血球数検査については訴えを退けたものの、増点補正請求については認容しました。

支払基金への不信感が背景にあるこの訴訟。地裁の判決は、再審査請求を経ずに訴訟で診療報酬を請求することを認容した形ともなっており、審査の現状に一石を投じることになりそうです。
返信する
ウソの病気を作る医療 (sakura)
2011-10-11 20:22:30
現在の日本の医療の、「最大の問題点」です。
これさえなくせば、全てとは言いませんがかなりの問題はあっさり解決します。

「数値ばかり見て、目の前の患者さんを見ない」医師のなんと多いことか!!

数値だけで判定するなら、はっきり言って医師なんかいりません。
これも分からないようでは、お先真っ暗です。

では、なぜこれがまかり通るのか…
それは「製薬メーカー」「何もわかってない厚労省のバカ役人」「不都合だらけの診療報酬システム」などです。

先生も常々言われるように、生活習慣病には薬はありません。
養生したうえで、体質に合った数種類の漢方薬で十分だと私は思っています。

医者は「病気を治す手伝い」をする人です。
患者さんが努力しないと治るものも治りません。
ここを分かってない人が多い現状は何とかしないといけません。
返信する
誤植… (sakura)
2011-10-11 20:25:15
生活習慣病に、薬は「いりません」ですね。

メタボに効くと言われる「防風通聖散」「大柴胡湯」も、ちゃんと養生しない人には効果は半減以下ですから…
返信する
お怒りは・・・ (駒形和哉)
2011-10-12 18:25:57
返戻に対する訴訟は大きいと思います。
現状でも、自主返還が主流です。
自主返還とは、こちらが非を認めての返還です。
あくまでも正しいと主張した場合は訴訟になります。
そうなるとピックアップされた事例の一つ一つに是非を確認することになります。
これにより支払基金の機能が麻痺してしまいます。
これを一番恐れています。


全部が全部ではありませんが、医師も薬剤師も人の子です。
魔がさすこともあります。
だから魔がささない仕組みが必要です。

そろそろ社会保障制度全体の制度疲労を考える時期ですね。

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