医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

外堀

2010-05-13 09:08:38 | 薬局
流石と唸らせる。
戦術の中で「外堀を埋める」というのがある。
これは敵の城を攻めるには、まず外側の堀から埋める。
ある目的を達成するためには、周辺の問題からかたづけていく。
いつも言っているが、65歳以上の高齢者が21%を超えると超高齢社会となる。
お陰さまで、日本は23%に近づき超高齢社会をばく進中である。
そこで問題になるのが独居と認知症である。
今回はその認知症に対する、地域を絡めた外堀作戦を感じてきた。
一月ほど前に「東洋経済」で認知症の特集があった。
結構はボリュームで、経済誌もこの様な話題で特集を組み時代なんだ、と感心しながら読んでいた。
その中に、地域における認知症を支えるコミュニケーション作りに貢献している製薬メーカーの事が記載されている。
これは放っておけない。
早速面会を申し込んで、快く受け入れてくれた。
それは「コミュニティ・ネットワーク支援室」となっていた。
2015年の高齢化がピークを迎えるまで、認知症人口は増え続ける。
それに対応する施設には限界があり、どうしても自宅での介護が必要となる。
その時に備えて、今から地域で支え合うコミュニティを作ろうというのだ。
キー(鍵)になる人(医師が多い)を中心としたネットワークは出来易いが、そのネットワーク同士のコミュニケーションが取りにくい。
キーマンを中心に放射状になっていることが多いとのことである。
そこでMRが横のつながりのお手伝いをするらしい。
こんな活動をかれこれ10年以上も継続している。
まさに社会貢献である。
詳しいことは企業秘密になるらしく、さわりだけの説明であったが、実際にMRが市町村の窓口や地域住民への働きかけを行っている。
国内にはいろいろな形の地域の街作りが910もあり、その中で認知症に関係する組織が598もあるそうだ。
知らなかった!
でも、ここでも言われてしまった。
薬局、薬剤師の関与は稀だって。
また、この話から「認知症サポーター」なる存在も知らされた。
2時間ほどの講習を受けると認定される。
厚労省では100万にキャンペーンを行ったが、既に170万人が認定されており、さらに400万人を目指す方向にある。
この「認知症サポーター」に認定されるとオレンジリングが付与される。
これってちょっと良くない。
薬局のスタッフ全員がオレンジリングをしている姿が目に浮かぶ。
これからは地域と共に生きる薬局作りが大切である。
既にドラッグストアはその戦略を開始している。
遅れを取るな!

この様な活動を10年以上も継続している製薬メーカーに敬意を感じる。
起立!
礼!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする