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議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

自社運搬の範囲

2007年01月23日 05時43分08秒 | コンサル日誌
 昨日のセミナーであったご質問です。

 「車両は借りて、運転手も借りるという形で廃棄物を運搬する場合、それは自社運搬と言っていいのか」

■自社運搬についての判断材料

 そもそも自社運搬とは、何を指すのでしょうか。

*法第14条(抜粋)********
産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る)については、この限りでない。
****************

「自ら運搬する」という以上のことは書かれていません。


また、委託基準については、以下のような書き出しです。

*法第12条(抜粋)********
事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合・・・
****************

つまり、「他人に委託する場合」は「自ら運搬」ではないと読めます。

■結論
 車両を借りた場合どうなるのかというと、もちろんそれは借りた人が自ら運搬することになります。運転手を借りた場合も、借りた人の責任で運搬するのですから、これも借りた人(法人)が自ら運搬することになります。
 車両はリースで、運転手は派遣社員というケースを考えれば、明確です。借りた人は、リース会社にも人材派遣会社にも運搬を委託しているとはいえないでしょう。

 ただ、脱法的と見られる可能性もあります。特に、収集運搬業者から1日だけ車両を借りて、運転手も1日だけ雇い入れるという場合です。「それって、結局運搬を委託しているのと変わらないじゃん」、という突っ込みが当然はいります。収集運搬業者に委託しているのと、実態としては同じだからです。

 そのような場合でも、運転席に自社の社員が同乗したらよい、という説もあります。自社の社員が運転業務を指示・監督しているので、自社の責任での運搬だ、という解釈なのでしょう。

 いずれも、現状では「それは自社運搬といえます」と断言できる材料はないと思います。個人的には、前者は脱法、後者もやはり巧妙な脱法と見るべきだと思います。(法律論を除けば、「別にいいじゃんか」と思うのですが。。。)

 やはり、収集運搬業の許可制度、もっと簡略化しなくてはなりません。⇒記事沢山「収集運搬業を国の許可に」シリーズ

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