議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

建設工事の下請負人によるマニフェスト交付の方法

2010年04月30日 09時05分36秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

4月21日に実施した、出版記念の法改正のセミナーで、こんな質問が
ありました。

「下請負人が、マニフェストを中間処理業者に交付する際には、誰の
 名義で交付するのでしょうか」

そもそも分かりにくい改正内容に突っ込んだ質問でしたので、その場では
あまり良くご説明できなかったように思います。ということで、ここで
再度ご説明します。

この質問のポイントは、第3項により下請負人が自ら運搬して中間処理業者に
到着した際には、マニフェスとを渡すことになります。そのマニフェスト
には、どう記載したらよいか、ということです。
ちなみに、「誰の名義で」とは、具体的には排出事業者の欄に元請か
下請のどちらの名前を書くのか、という意味です。

以前この記事で下請が自ら運搬出来たり、委託基準の適用
を受けたりするからと言って、元請が排出事業者でなくなるわけではない、
という説明をしました。

①つまり、本来は、
「第3条により下請負人が自ら運搬した場合であっても、中間処理業者との
契約は元請業者が行うし、マニフェストも元請業者が行う」
が正解なのです。この場合、マニフェストの排出事業者欄には元請業者の
名前が書かれるでしょう。

その際、マニフェストの交付を元請業者の社員が行うか(非現実的ですが)、
運搬業者に交付事務の代行をお願いするかの2つの方法が考えられる
でしょう。
どちらにせよ、マニフェストの排出事業者欄へは元請業者の名前が入ります。

②ところが、
第4項で、下請負人が処理委託する場合は、下請負人は排出事業者と
みなされてマニフェストも交付することとされています。つまり、
下請負人が自ら運搬後に持ち込む中間処理業者と契約したら、マニフェストも
交付することになります。
その際、下請負人は排出事業者とみなされるので、当然マニフェストの
排出事業者欄には下請負人の名前が書かれるでしょう。

ですから、①が本来の姿、②はよいとは言っていませんが、やむをえない
場合は許容している、という感じでしょうか。でも、②では元請は排出事業者
の義務を果たしていないことになります。

ということで前の記事の繰り返しになりますが、元請となっている方々と、
下請け、孫請けとなっている方々は、十分にご相談の上、①と②のどちらが
よいのかを判断しなければなりません。

ちなみに、元請さんは、下請負人が委託基準違反やマニフェス交付をしなくても、
違反にはならないと思います。だって、元請は処理委託をしていないのですから。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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いやぁ、謎ですねぇ。

建設業界の皆さん、下請けは今後自社運搬、処理委託できると誤解されて
しまうのではないかと危惧しています。
いや、この誤解を一般化するのが真の狙いだったりして。

またしても、真面目な人しか守らない規定が出来てしまったのかも
しれません。やれやれ。
コメント (2)

本が出ます

2010年04月27日 13時04分52秒 | ニュースクリッピング
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

かねてよりご案内の私の本ですが、4/21に発行と書かれているにも
関わらず、書店に出回るのは28日頃とのことです。普通は少し先の
日付を書くらしいのですが、直販中心の日経BPさんならではなの
かもしれません。

直販中心ということなので、大きな書店を除き、あまり多くの書店
には出回りませんので、内容のご説明をちゃんとしなければなりません。

下記のアマゾンのページでも、大した説明がありません。
そこで、目次をここでご紹介したいと思います。

かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻
堀口昌澄
日経BP社

このアイテムの詳細を見る
↑なんとただいま、在庫切れ中。

**以下目次******
はじめに

第1章  これはなんていう廃棄物? いや、そもそも廃棄物?
1-1 廃棄物とは
 ガスは廃棄物ではない
 土砂は廃棄物?
 製造工程で発生した廃液を処理したら?
 総合判断説をどう使うのか
 無料で引き取りに来てくれる場合は?
 運賃が購入費より高い場合は?
1-2 産業廃棄物と一般廃棄異物の区分
 事業活動ってなに?
 産業廃棄物の20種類に該当しているか
 業種限定で産業廃棄物から外れる
 どの産業廃棄物に該当するのか
1-3 混合物をどのように扱うか
 種類はどう書くか① 複数の名前を書く
 種類はどう書くか② 名称を書く
 容器は廃棄物?
 混合していない場合は?

第2章  用語の定義がどこにあるのかわからない
2-1 排出事業者とは
 条文中には出てこない
2-2 処理と処分
 「最終処分=埋立」ではない
 中間処理業者
 処理には処分も含まれる
 中間処理業者が行う最終処分
 中間処理産業廃棄物
 処理業者が守る「産業廃棄物処理基準」
2-3 廃棄物処理施設
 一般廃棄物処理施設(ごみ処理施設)
 産業廃棄物処理施設
 特定処理施設
2-4 そのほかの用語
 産業廃棄物管理票
 管理票交付者
 交付担当者
 石綿含有産業廃棄物

第3章  実は悩ましい保管基準
 いろいろな保管基準
 一般廃棄物と産業廃棄物の保管場所を分けるべきか
 どこからが保管場所か
 囲いとは?
 積み上げ高さについて
 見やすくなくてはいけないのです
 廃棄物の種類ごとに掲示板は必要なのか

第4章  委託基準の本当の話
4-1 委託基準とは
 排出事業者にとって最も大切な基準
 誰が罰則を受けるのか
 一般廃棄物の委託基準
4-2 それぞれ委託
 2者契約と3者契約
 積替え保管をする際の注意点
4-3 委託契約のいろいろ
 テナントからの廃棄物
 マニフェストの交付などの事務をビル管理会社に依頼する
 代理人を介した契約
 連盟での契約
 覚書でもOKか

第5章  契約書の記載事項の注意点
5-1 法定記載事項
 どこに法定記載事項が書かれているのか
 空欄が埋まっているだけでは不十分
 処理費が0円の場合はどうしたらよいか
 最終処分を直接委託する場合の記載方法
 売却先は記載しなければならないか
 2次中間処理は記載するのか
 委託契約終了報告は何票が正解?
5-2 書き方のポイント
 ひな形に注意
 伝達方法とは?
 排出事業者の損害賠償責任
 「未処理の産業廃棄物の扱い」が記載されていない
 契約内容と実態が違う
 昔の契約書に法定記載事項が抜けていたら?
 吸収合併や社名変更の場合
 法定記載事項以外の項目について 

第6章  委託基準の応用編
6-1 専ら物
 専ら物の委託
 契約書と許可証
 扱うことができる業者の範囲
 専ら物の範囲
6-2 特別管理産業廃棄物
 特別管理産業廃棄物の範囲は意外に狭い
 特別管理産業廃棄物の委託基準
6-3 委託基準に関する現場の悩み
 いわゆる実車テストに契約は必要なのか
 事前協議って何?
 窓口業者経由での料金の支払い
 再委託の承諾書は大切に
 あわせ産廃
 広域認定を利用する場合
 家電リサイクル法の場合
6-4 印紙の節約方法
 委託契約書の印紙
 目からうろこの節税方法 
 契約書の袋とじの手間を省く

第7章  マニフェストの記載方法
7-1 マニフェストの基礎
 誰の罰則になるのか
 勧告・命令もある
 返送されたマニフェストの記載ミスと期限切れ
 違反が見つかった場合の対処方法
 一般廃棄物や有価物の管理にマニフェストを使えるか
7-2 マニフェスト記入演習
 実際にマニフェストを書いてみましょう
 A票の法定記載事項

第8章  マニフェストの応用編
8-1 マニフェストの流れ
 まずフローを確認する
 返送されてくるマニフェストに書かれているべきこと
 E票と契約書が違う場合
8-2 困ったときの対処法
 マニフェストをなくした
 期限が過ぎているのにマニフェストが返送されない
 措置内容等報告書は本当に出すべきか
 保存義務があるマニフェスト
 誰にどのマニフェストが最終的に残るのか
 特別管理産業廃棄物のマニフェストの返送期限
 毎月の請求書に同封されて返送されている場合
 返送先はどこにすべきか
 マニフェストの管理事務委託
 マニフェスト交付等状況報告書について
 積み込み時の立会いは義務か
 間違った運用を見抜く方法
 電子マニフェストでも気をつける点
 マニフェストの様式について
 運搬だけ、処分だけを委託する際のマニフェスト
 マニフェストの各票と条文について

第9章  これは誰のごみだ!
 メンテナンス廃棄物
 下取りについて
 梱包材の排出事業者は誰か
 倉庫廃棄物の排出事業者は誰か
 返品、回収品はどこから廃棄物になるのか
 OEMなどの製造委託先からの廃棄物は?
 リース物件の排出事業者は誰か

第10章  不法投棄されてしまったら
 行政処分(措置命令)の可能性
 どんな場合に措置命令を受けるのか
 罰則を受ける可能性
 社会的責任を問われる可能性

第11章  排出事業者の疑問に答える
 特別管理産業廃棄物責任者の兼務は可能か
 特別管理産業廃棄物責任者の資格
 一般廃棄物の越境移動は可能か
 分別についての考え方
 怖い怖い欠格要件の話
 加工委託とは?
 有価物扱いになっているが…
 積替え保管場所での有価物の引き取りについて
 運賃が高いために逆有償になっている場合

第12章  ISO審査員の「おかしな指摘」集
 指摘1 排出事業者とは廃棄物の所有者のこと
 指摘2 マニフェストに押印がない
 指摘3 最終処分業者とも契約を
 指摘4 処理業者は有価物を扱えない
 指摘5 マニフェストの伝票番号がおかしい
 指摘6 マニフェストは排出場所ごとに交付しないさい
 指摘7 廃棄物保管場所に有価物を保管してはならない
 指摘8 一般廃棄物保管場所という表示をしてはいけない

コラム
 総体産廃、総体一廃
 通知に従わなくてはならないのか?
 逮捕されるのは誰か? 会社への影響は?
 マニフェストの虚偽記載なんてわからない
 いろいろな「捨てる」の方言

**以上目次終わり******

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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よくいただく質問を中心に書いた本ですので、当然なのですが、
先週のセミナーで出た質問の半分以上はこの本で触れている内容
でした。

しかも、この本を購入された方には、平成22年(=2010年)の
廃棄物処理法改正について解説した冊子を、無料でプレゼントする
予定です。本にとじ込まれているビラかカバーの内側に申込み
方法が記載されています。どしどしお申込みください。

お買い得ですっ!!

コメント

マニフェストの発音 その2

2010年04月21日 07時40分04秒 | 余談コーナー
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

思いのほか皆さんからの反応も多かったので、マニフェストの発音
についてもう一回取り上げたいと思います。

まず、いただいたメールからご紹介します(堀口一部改変、お名前変更)。

【Eさん】
>私も堀口さんと同様の発音と思っていました。
>マニフェスト(=産業廃棄物)派です。

【Mさん】
>これは、反応しやすい問い掛けですね!(笑)
>私の場合、堀口さんと同じ発音です。
>アクセントがなく平板な感じですね。

やはり、そうですか。

実は、社内に聞いて回ったのですが、全員平坦な発音との
ことでした。同じ場所で仕事しているのですから、当然ですが。

逆に「マ」にイントネーションを置くのは、政権公約の方でしょ、
という意見もありました。

【Nさん】
>私は平滑発音を基本としているつもりですが、
>実態はやや「フ」にイントネーションがかかっているかと思われます。
>これはが私が京都出身のため、少々言葉がもたれる影響だと思われます。

やはり、「マ」ではないのですよね。
地域差については、多少あるのかもしれませんね。

【Kさん】
>先のメールにありましたマニフェストの発音ですが、私個人では同様
>にマニフェストです。
>基本的に私の周りでは、同じような発音の人間が多いと思います。
>但し、頭にアクセントを持ってくるイメージ、聞いたことがありますので、
>私の周りでも一部はニフェストとしている方もいると思います。
>(あまり明確なイメージではないので、外部:セミナーや監査など)で
>聞いているのだと思いますが・・・。)

そう、ニフェストとしている方は実際にいますよね。いつも違和感を感じていましたが。

【Oさん】
>普段マニフェストの発音を気をつけたことはありませんが、
>この機会に思い出してみると、『平坦に』「マニフェスト」と
>言っています。

>どこかに強勢を置くと、やはり不自然に感じるので、
>当社内では抑揚なしに発音しているようです。

おっしゃるとおり、日本語の発音として平坦に発音するのが自然な
ような気がします。
もう決まりですね。テレビ局の方針が、現場の実態を反映していない
ということです。

>それとは別にお聞きしたいことがあります。
>発音も議論の余地があるかも知れませんが、
>『表記』は「マニフェスト」が一般的なのでしょうか?

>私個人は「マニフェスト」だと思っていますが、前任者は
>「マニュフェスト」としており、社内文書では「マニュフェスト」で
>統一されています。
>個人的には「マニフェスト」に変えたいと思いますが、
>何らかの根拠がないと勝手には変えにくいと思い、
>この機会にお尋ねしてみました。

>どうなのでしょう?これも両方あり、なのでしょうか?
>「シュミレーション」という単語も、「シミュレーション」という言い方も
>あるように、どちらもあり?
>それとも、どちらかは実は正しくない、とか、間違ってはいないけ
>ど一般的ではない、などと言えるものでしょうか?

>ここも気になっている点なので、よろしくお願いいたします。

このご質問を読んで、思い出しました。

産業廃棄物管理票のマニフェストと、政権公約のマニフェストとは
語源が違うのです。
産業廃棄物管理票はmanifestで、政権公約はmanifestoです。
意味も違って、前者は「積荷目録」で、後者は「宣言書」です。

辞書を引くと、ありました。manifestは最初の[a]にアクセント、
manifestoは真ん中の[e]にアクセントがあります。

おそらく、テレビ局はこれを根拠にしているのでしょう。
ただ、英語のアクセントを日本語にそのまま適用するなどナンセンス
でしょう。しかも、[e]にアクセントを置いた発音は、明らかに日本語として
おかしいです。

■産業廃棄物の方がエライんだい!!
だいたい、産業廃棄物のマニフェストの方がずっと前から国内で使用されて
いたのですから、既得権があるはずです!!後から来た政権公約のために
読み方を変えるなど、断じて納得いきません!!

ということで、変えようたって変えられないに決まっているのですが、
やっぱり産業廃棄物のマニフェストは平坦に発音することとしましょう。
政権公約の方が、かえって「マ」にイントネーションを置く人が多そうなんで
そっちを使ってもらいましょう。

■マニュフェストとシュミレーション
で、【Oさん】の後半の質問についてです。マニフェストとマニュフェスト
ですが、英語のスペルを確認すれば、マニュフェストにはならないと思います。
アクセントの単純適用はしなくても、スペルはできる限り準拠すべきでしょう。
また、環境省などの資料でも、全てマニフェストとされています。
例えば、今回の改正のベースとなった専門委員会の議事録でもそう書かれて
います。
http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0320-12a.html
したがって、一般にはマニフェストとすべきかと思います。

また、シミュレーションですが、英語表記がsimulationですので、明らかに
シュミレーションではおかしいと言っていいと思います。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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明日(4月21日)は「かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻」
の出版日です。同日にセミナーも開催(本も配布)しますが、ご好評
につき5月19日にもセミナーを実施します。

よろしければ、是非。
コメント

マニフェストの発音

2010年04月19日 08時10分54秒 | 余談コーナー
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

テレビ局ではこうなっているそうです。大した問題ではありませんが、
少々気になります。

http://yoiotoko.way-nifty.com/blog/2010/04/411-5eb7.html

「われわれ、テレビ局で統一している発音は、ニフェストではなく、マニフェストというようにしています。ニフェストと発音しますと、産業廃棄物の管理票という意味になってしまいますので。ですからここでは、マニフェストでお願いいたします」

これは、産廃管理票のマニフェストは、最初の“マ”にアクセントがある、
ということなんでしょう。
一方の政権公約のマニフェストは、“フ”にアクセントがあると書かれていますが、
どちらかというと、アクセントがほとんどない発音だと思います。

実は私は、後者の発音をしているつもりです。
最初の“マ”にアクセントを入れている人もいますが、少数派かと
思っていますが、いかがでしょうか。

よかったら、このメールに返信して、ご意見ください!!

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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14日発行の環境新聞に、インタビュー記事が載りました。

廃棄物処理法の法改正について語っています。そこまで批判するつもり
はないのですが、結構強い表現になっています。土対法についても
大きく扱っており、今週号は盛り沢山です。
コメント

ここまで来た!!排出事業者の無過失責任

2010年04月14日 09時50分34秒 | 日経エコロジー
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

今月(2010.05号)の日経エコロジー、ご覧になったでしょうか。
今回は記事を2本書いています。いつもの連載と、廃棄物処理法の
改正について「よくわかる環境法」で解説しています。なお、この
改正の解説記事は2ヶ月連続でやります。

この記事で書きましたが、排出事業者はある意味、処理を委託した
業者の不適正処理について無過失責任を負わされる可能性が出て
きそうです。

■どういうことかと言うと・・・
改正案の第14条第13項により、処理業者が受け入れ困難になった時
(行政処分などにより)は、排出事業者にその旨通知することとなります。
排出事業者は法第12条の3第8項により、通知を受けたら処理状況を確認
して、汚染拡大を防止するための必要な措置を講じ、県に報告する
ことになった、という話です(条文を分かりやすく意訳しています)。

驚くべきことに、契約書もマニフェストも完璧にやっていて、四半期に
1回業者の現地確認を3時間かけてやっていたとしても、この規定から逃れる
すべがないということです。

処理業者は通知なんかしないでしょ、という失笑じみたディスカッションを
色々な方としてきましたが、そうでもなさそうです。
つまり、通知しなかったら「罰則」というムチがあり、通知をすれば
排出事業者が不法投棄廃棄物を代わりに撤去してくれる、というアメがある
のです。
これらをもってすれば処理業者は通知を喜んでするでしょう。廃業予定の
場合は特に。


■環境省の陰謀か??
こんな話は、専門委員会でもされていませんでした。もちろん、処理業者の
通知の件は議論されていましたが、まさか12条の3に入ってくるとは思いも
よりませんでした。

環境省陰謀説も見え隠れしますが、どうもそうでもないような感じです。

話を聞いた感じでは、既存の仕組みでもっともピッタリくる12条の3第8項に
単純に紐付けをしただけのようです。そりゃピッタリくるんですが、影響の
大きさたるや、環境省の想定を超えてしまうと思います。


■対処方法
簡単です。本当にちゃんとした業者を、選定することです。いや、
ちゃんとしているだけではなく、倒産の恐れも低い業者を選定することです。
優良性評価制度も、東京都の評価制度も、この規定には対抗できませんので、
参考程度にしてください。

今回の改正は、現地確認について法の条文で始めて触れたというインパクト
は確かにあります。しかし、現地確認の必要性を考える上ではこの
無過失責任規定のほうが重要な意味を持ちます。今後も質の高い現地確認が
重要となってくると言わざるを得ないでしょう。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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ここまで現地確認の必要性が高まってきているのであれば、もっと使いやすい
普及版のチェックリストを作るべきと思い始めています。持続研の現地確認
セミナー、高いですからねぇ。

そこで、「現地確認これだけパック」みたいなものを作れないかと思って
います。これまでコンサルでン百万で現地確認の仕組みを作ってきましたが
これの汎用性を高めたものです。

■意見募集中
いかがでしょうか?今のうちなら、コンテンツのご要望、価格などご希望を
受け付けます。
処理業者の方も「これだけは聞いてもらっては困る!!」というポイント
があれば是非教えてください。チェックリストにバッチリ組み込みますので。
コメント (3)

東京都の認定制度が機能していない??

2010年04月09日 09時12分21秒 | ニュースクリッピング
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

循環経済新聞の4/5号をご覧になったでしょうか。
東京都の第三者認定制度の、業者選定の材料としての活用について
正反対の記事が2本あります。

【記事その1】
この制度を使ってください、というアピール活動について扱っている記事が
こちらです。
ダイジェストがウェブに載っていました。
******************
◇第三者評価制度有効活用へ
工事発注局にも協力求める

(財)東京都環境整備公社が産業廃棄物処理業者の取り組みに応じて
「エキスパート」「プロフェッショナル」を認定する第三者評価制度
について、東京都は実際に工事を発注する各部局や関係団体を通じた
周知活動に力を入れている。
******************

【記事その2】
一方、ウェブには載っていない別の記事では、2010年度の東京の
6つの都立病院の感染性廃棄物処理の落札結果が公表されていました。
どうやら、普通の産廃並みの30円/kgだったそうです。安売り競争が激化
しているようです。

ある業者が都の認定業者になったので、これを入札制度に反映してもらおうと
財務局に働きかけたら門前払いだったとのこと。国の優良性評価制度
なんてもっと相手にされないのか、逆にそっちならOKなのか。。。

安かろう、悪かろう的業者を排除するための制度なのに、制度を作った都が
安さだけで業者を選定しています。まぁそもそも、これがどれほどの制度なのか、
という疑問はあるんですけどね。。。

この程度では、病院は入札前の現地確認なんて、やっていないんでしょうね。
まさか、落札業者が決まってから現地確認をやるなんて話ではないと
思いますが。

それなのに、排出事業者に現地確認を求めるなんて、明らかにおかしい!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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水道管の老朽化が進んでいるということですが、絶対に必要なもの
なんですから、利用者負担を増やしてでも対処すべきです。水道事業
の無駄の問題はありますが、だからといって放置できません。
透明性の高い、よい入札を期待します。

そういえば水道管、あれこそ地上資源(微妙に地下ですが)ですね。
相当蓄積があるのではないでしょうか。

ちなみに、水道管(新品ですが)が盗難されたというニュースもあります。
コメント

収集を委託するなら契約書不要??!

2010年04月07日 06時38分11秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

皆さんは、産業廃棄物の収集運搬を委託する際には、委託基準が適用
されるとお考えですよね。ところが、条文は違うのです。

***法第12条第3項(抜粋・一部改変)*****
事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、
産業廃棄物収集運搬業者、産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託しなければ
ならない。
************************

運搬を委託する場合に委託基準が適用されるということです。
収集だけなら、委託基準は不要(=契約書は不要)ということです。

もちろん、マニフェストも同様です。

***法第12条の3第1項(抜粋・一部改変)*****
事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、
産業廃棄物管理票を交付しなければならない。
************************

繰り返しになりますが、収集のみを委託するのであれば、マニフェスト
は不要です。これだけ統一されているのであれば、何かの間違いという
ことではないでしょう。

例えば、構内の清掃作業は、収集とほぼ同義という考え方もできます。
「収集」の定義・解釈はともかく、この条文は一応知っておいて
いただいても損はないと思います。

ただし、収集又は運搬を業として行う場合は、許可が必要です(法第14条)。
収集の場合は、許可は要るけど、契約、マニフェストは不要、ということ
ですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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 今年は法改正の影響で現地確認が熱くなるはず、ということで
 以下のとおり4月にやります。

 4/22(木) 「法と実務セミナー」の現地確認編
  
 4/23(金) 「法と実務セミナー」の行政対応編
  
 新任の方向けの基礎編は、5/13(木)ですので、そちらもどうぞ。
  

 皆様、奮ってご参加ください。

□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┃ブログ「議論de廃棄物」http://blog.goo.ne.jp/jizokukanou/

┃本メールマガジンの内容は堀口の個人的見解を含んでいますが、
┃堀口の勤務先の株式会社アミタ持続可能経済研究所の公式見解
┃ではありません。
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天然繊維と合成繊維の混紡は産廃?一廃?

2010年04月03日 07時49分48秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

おかげさまで、4月下旬に「かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻」
が発刊されます。このブログで扱っている、「現場でよく問題になる事例」
をしっかりと体系的にまとめよう、というのがコンセプトです。それなのに、
100%書き下ろしにしちゃいましたので、議論de廃棄物に慣れ親しんでいただ
いている皆様にとっても、十分価値があるはずです。

☆出版にあわせて法改正セミナーを行います。
 http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/eco/semi100421/

さて、本日はそんな『虎の巻』でも触れにくかったお話をご紹介したいと
思います。それは、混合物の扱いについてです。

もちろん『虎の巻』でも、混合物について取り扱っていますが、それでも
書くのがちょっと気が引けた内容です。

■混紡物についても産廃の広域認定が出ている

まずは、以下の広域認定の対象一覧表をご覧ください。

http://www.env.go.jp/recycle/waste/kouiki/jokyo_1.html

例えばこの中の143番目=第159号をご覧ください。

美津濃(=スポーツ用品メーカーのミズノさんです)の
「繊維製品(合成繊維又は合成樹脂を含むユニフォームに限る)」
が認定されています。他にも類似の認定があります。

合成繊維を含むユニフォームということは、天然繊維も入っている
ということなのでしょうか???
(天然の繊維は、下記施行令第2条の業種から排出したのでない限り、
 産業廃棄物にはなりません。)

 廃棄物処理法施行令第2条
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 繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて
 生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を
 除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
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 そうすると、環境省は(広域認定を出すのは環境大臣です)天然繊維
と合成繊維の混合物を産業廃棄物だと認めたということなのでしょうか?
えらいこっちゃ、と思い問い合わせてみました。

○堀口
 (前置き省略)天然繊維と合成繊維の混合したものを産業廃棄物の
 広域認定としているということは、混紡の場合は産業廃棄物という
 判断を環境省がしたということですか?何%までならアリなんでしょうか?

○環境省
 いや、回収するものが産業廃棄物か一般廃棄物かは、各自治体が判断
 するものなので、そういうことではありません。産業廃棄物となった
 場合は、広域認定の範囲で回収できるということです。

○堀口
 ということは、広域認定で回収してもよいかどうかは、管轄の自治体が
 判断する、ということでしょうか。環境省は、自治体が広域認定を使える
 と判断すれば、それで構わないということでしょうか。

○環境省
 そういうことです。ですから、混紡率については、環境省としては特に
 指定しているものではありません。

○堀口
 なるほど、そういうことですか。わかりました。ありがとうございます。

だそうです。
う~ん、とうなってしまいました。

でも、国が認めた認定であれば、自治体はそれに対して基本的には文句を
言わない、というのが実態です。
環境省が公式に混紡率を認めたわけではないかもしれませんが、申請では
8(合繊):2(天然)で出されているようです。

少なくともそのレベルであれば、産業廃棄物として通ってしまうでしょう。

ということでした。皆さんのご参考になれば。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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先日、VHSの修理をしてもらいました。DVDじゃないですよ。
中をあけてもらったのですが、基盤がいっぱい。もちろん、鉛入り
ハンダ、貴金属がたくさんありました。

これ、捨てるときどうなるんでしょうか。
全ての自治体でちゃんとリサイクルできればいいのですが、埋立される
部分も相当あるはずです。使える部品が再利用されるとしても、海外に
そのまま輸出しちゃっていいものでしょうか?

もし、宅配便による回収は許可、マニフェスト不要ということにできれば
広域的に回収できて、高度なリサイクルができるようになるはずです。
しかし、一般廃棄物となるレアメタルの回収には、廃棄物処理法という高い
壁があります。

ベルリンの壁だって崩れました。いつか、必ず崩しましょう。
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