議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

優良認定についての憂慮

2012年12月28日 12時12分12秒 | コンサル日誌
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今年最後に、これだけはお伝えしておきたい内容を
お届けします。

前々回は、優良認定制度の普及について扱いましたが、
今回は優良認定に対しての憂慮です。
ちょっとしたダジャレです。。。

実は、こちらのほうがよほど重要な話なのに、ずいぶんと
時間を空けてしまいました。

さて、優良認定制度の憂慮すべき事態は、
「制度発足後1年少ししか経過していないのに、認定業者が逮捕された」
ということです。

産廃処分先偽った疑い 兵庫県警、業者4人逮捕

夢クリーンという優良認定を受けた会社が、実際には処分
していない業者が処分した旨、マニフェストに記載した
ということです。
運転日報とマニフェストの記載が異なるということで発覚
したそうです。
私がいつもセミナーで言っているように、マニフェストなんぞ
信頼できないのです。もちろん、電子マニフェストもおなじです。

そもそもこの話は、成臨興業という業者が安定型最終処分場の
新設で、住民から反対運動を受けていたり、成臨興業の既存の
安定型処分場が金属くずの許可がないのに山陽特殊製鋼が金属くずを
委託していた、などなどでゴタゴタしていた関係で警察がいろいろと
調べている中で発覚したのだと思います。

ゴタゴタの内容については割愛しますが、ネットで「成臨興業」
や「山陽特殊製鋼」と「産業廃棄物」で検索すればいろいろ出てきます。

■優良認定は、所詮は書面の認定
 ことの背景はともかく、優良認定を受けた処理業者の社長と
会長(=親子)が逮捕されたということは、この制度に対する
信頼を傷つけたことは間違いないでしょう。
書類さえ整っていれば認定を受けられるのですから、適正処理を
していることを直接的に裏づけるものではない、という当たり前の
ことを再認識することになりました。

それでも、前回の記事で言及したように、優良業者への現地確認の
頻度を落とすべきでしょうか?

私は、相対的に優良業者のほうが安心できる、ということは
揺るがないと思っています。ですから、優良業者を優先的に選び
つつも、現地確認はしっかりやる、という方法がベストな方法で
しょう。しかし、誰もがベストな方法を取れるわけではなく
費用対効果の視点から、各社ごとに方針を決めるしかありません。


■今年のセミナー実施回数
プロフィールでは、セミナーの回数を「毎年50回以上」と控えめに
言っていますが、今年のセミナー実施回数は82回、参加者は3876名でした。
これだけ必要とされているということは、本当にありがたいことです。

ここにコンサルも加わりますが、、、数はここまで多くないので
カウントしていません。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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来年は、新政権、、、旧政権のようにも見えますが、財政出動と
金融緩和という対症療法ではなく規制改革、構造改革、行政改革に
積極的に取り組んでいただくことを期待したいところです。


この年末は例年に無く寒く、風邪、ノロウイルスが流行っていますが、
皆様お体にお気をつけください。

来年もよろしくお願いいたします。

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