議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

これからの元請責任

2012年04月18日 08時49分02秒 | ニュースクリッピング
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■元請は、下請の不法投棄についての刑事責任はない

昨年7月に、アパート工事の際に壁の間に石膏ボードなどを投棄したとして、
元請だった積水ハウスが家宅捜索を受けましたが、関与した証拠がなかった
ということで、積水ハウスは立件されませんでした。

その代わり、下請の大工7人が書類送検されました。

建物内に廃材投棄の疑い 積水施工下請けの7人書類送検 千葉県警

実際、積水ハウスの社員が、そんな不法投棄に直接関与するとはちょっと
考えにくいです。
全くあずかり知らぬところで起こったことだとすると、この記事の見出しでは
まるで積水ハウスが違反したかのように読めてしまいます。全くいい迷惑、
単なるもらい事故、ということでしょうか。

■法改正後だったら・・・
ところが、この不法投棄は2007年に起こったものですが、もしこれが昨年4月の
廃棄物処理法改正以降の事件だとしたら、話は少し異なります。

刑事責任の位置づけは、変わりません。関与無しなら、下請の単独犯です。
しかし、元請は法第19条の5第4号の措置命令の対象になるのです。

・法第19条の5 ↓飛ばしちゃっていいですよ↓
**************
(措置命令の対象者として・・・)
前三号に掲げる者が第二十一条の三第二項に規定する下請負人である場合に
おける同条第一項に規定する元請業者(当該運搬又は処分を他人に委託して
いた者(第十二条第五項若しくは第六項、第十二条の二第五項若しくは第六項
、第十四条第十六項又は第十四条の四第十六項の規定に違反して、当該運搬又
は処分を他人に委託していた者を除く。)を除く。)
**************

数字ばかりの読む気が失せる条文ですが、要は下請自らが不適正処理を行った
場合や、委託基準違反、マニフェスト違反をした場合は、元請は不法投棄廃棄物
の撤去などの措置命令=行政処分を受けますよ、ということです。

下請が勝手にやったのだとしても、関係ありません。知らなかったでは
済まされないということです。
つまり、今回のように積水ハウスが関与している証拠があってもなくても、
積水ハウスは元請であるということだけで、自動的に措置命令の対象になる
のです。

なんとも、怖い話です。

今後は法改正を受けて、元請は現場で出る廃棄物の全てについて把握すること、
もっと言うと、下請が不法投棄をするメリットをなくしてやる=全て元請が
費用から何から何まで面倒を見る
、ということが必要になるのでしょう。

まぁ、これは、元請が大企業、下請は中小企業、という構造ではうまく働くので
しょうが、世の中そう単純ではないんですよね。ヤレヤレ。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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全く更新をご無沙汰しておりました。

もう4月も中旬。先週は靖国通りの桜吹雪の中を通勤しましたが、今朝の
桜はもう薄い緑に色づいていました。私が1年で最も好きな季節かもしれません。
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