議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

中間処理後の廃棄物の委託の通知について[1]

2005年12月29日 18時12分14秒 | コンサル日誌
http://blog.goo.ne.jp/jizokukanou/e/acdd376c0c59dfc779a3430cae194efcの記事に掲載した通知は、現在の環境省の見解とは異なるのかなと感じています。

先般、環境省を訪問して再委託に関する質問をぶつけに行きました。
そうしたら、ある行政官が「処理の委託はあくまでも排出事業者が行うもの。中間処理業者から最終処分業者へは、委託基準とマニフェストの運用は適用されるが、処理委託とはならない」という趣旨を説明されたからです。

これは、平成17年9月30日付けの環境省通知【環廃対発第050930004号、環廃産発第0509300005号】を受けての発言かと思うのですが、やたら「処理委託ではない」ということを強調していました。


この指摘が現在の環境省の解釈であれば、前の通知とは解釈が違うということになりそうです。前の通知は平成6年、今回の通知は平成12年改正の趣旨をふまえてのものですから、平成12年以降に解釈の変更があったのかもしれません。
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処理委託契約書のよくあるミス[4]

2005年12月28日 23時34分06秒 | コンサル日誌
引き続き、契約書のよくあるミスや問題点の紹介です。あまりにもよくされてしまっている運用であるため、問題として認識されていることが非常に少ないポイントです。自社の管理に自信のある方も、是非ご確認ください。

■□ケース紹介□■
まず、下記の条文をご覧ください。処理委託契約書にふくまれるべき事項としてあげられているものです。

*******************
(委託契約に含まれるべき事項)
【施行規則第八条の四の二】
一~五省略
六  委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報
 イ 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
 ロ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項
 ハ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
 ニ その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
*******************

これらの情報(以下、「委託契約に含まれるべき事項」といいます)が、委託契約に含まれなくてはならないとのことです。では、この条文に該当すると思われる全産廃連の雛形はどうなっているでしょうか。

*******************
【全産廃連の雛形】 甲=排出事業者、乙=処理業者
第3条(義務と責任)
1.(適正処理に必要な情報の提供)
(1) 甲は、産業廃棄物の適正な処理のために必要な情報として、以下の情報をあらかじめ乙に提供しなければならない。
 ○産業廃棄物の発生工程
 ○産業廃棄物の性状及び荷姿
 ○腐敗、揮発等性状の変化に関する事項
 ○混合等により生ずる支障
 ○その他取扱いの注意事項
*******************

契約書をこのままの形で、何も資料を添付せずに締結していることはありませんか?そのような方法では、おかしいと感じられることと思います。法律では、「委託契約に含まれるべき事項」とされているのに、雛形では「情報を提供すべきこと」としか書かれていないのですから。
つまりこの雛形の前提として、これらの情報を事前に書面で提供していることが想定されているのです。全産廃連ではダウンロードのページで提供している「産業廃棄物処理受委託時の情報提供及び排出の基準」の中で「廃棄物処理委託仕様書」や「廃棄物物性・安全データシート」というものを用意していますが、おそらくこれらをセットで考えるべきなのでしょう。もちろんこれらは契約書と一体のものとして5年間保存すべきものです。

さて、皆さんいかがでしょうか。

これはあまりによくある運用方法であるため、現実には問題とされない可能性もありますが。。。。

■□よい運用方法□■
考えられる運用方法を、以下にご紹介します。
 ①雛形を修正し、「委託契約に含まれるべき事項」について記載欄を設けて記入できるようにする。
 ②契約書の覚書などの添付資料に、「委託契約に含まれるべき事項」を記載できるようにする。
 ③廃棄物物性・安全データシート等を利用し、契約書と一緒に保存する。

現状、雛形のまま添付資料などを作らずに契約書を作成されている場合は、覚書を締結するか廃棄物物性・安全データシート等を処理業者に送付し保存するという対応が考えられます。その場合、覚書の日付をもととなる契約書の締結日に遡って締結するという方法を取られる場合がありますが、この方法の是非については、皆さんの会社の法務部門にご相談ください。
また、処理業者との過去の検討履歴を見返していただくと、該当するような情報提供を行っている可能性もあります。それで換えることができるかもしれないので確認されてもよいかもしれません。
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感染性産業廃棄物の種類毎の記入

2005年12月28日 18時36分50秒 | 過去の疑義照会
問10
感染性産業廃棄物の処理を委託する場合の委託数量は廃プラスチック類等の産業廃棄物の種類毎に委託契約書に明示する必要があるか。


感染性産業廃棄物全体について記入すればよい。

問11
令第6条の5に規定する文書の記載事項として、規則第8条の14に「委託しようとする特別管理産業廃棄物の性状」が定められているが、これは分析値も含まれるか。


分析値の記載は義務付けられていはいない。

【平成6年2月17日 衛産20】

※注意・・・[はじめての方へ]の[過去の疑義照会とは]をご一読ください。
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区間を区切った委託の最終目的地

2005年12月28日 06時47分16秒 | 過去の疑義照会

問9
排出事業者が、自社から積替え保管場所までの運搬をA社に、当該場所から処分の場所までの運搬をB社に、それぞれ委託する場合に、A社との契約においては、令第6条の2第2号ロの運搬の最終目的として積替え保管場所を記載してよいか。


お見込みのとおり

【平成6年2月17日 衛産20】

※注意・・・[はじめての方へ]の[過去の疑義照会とは]をご一読ください。
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運搬、処分者同一時の契約書

2005年12月28日 06時46分00秒 | 過去の疑義照会

問8
産業廃棄物の運搬及び処分を同一の者に委託しようとする場合は、運搬、処分それぞれについて別々の契約書が必要となるか。


一つの契約書でもよい

【平成6年2月17日 衛産20】

※注意・・・[はじめての方へ]の[過去の疑義照会とは]をご一読ください。
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処理委託契約書のよくあるミス[3]

2005年12月28日 00時04分45秒 | コンサル日誌
引き続き、契約書のよくあるミスの紹介です。お手元の契約書を手にとって確認してみてください。

■□ケース紹介□■
どこかの雛形にある例なのでしょうか。「産業廃棄物を全て処理しなければ、契約を解除することはできない」と定めている契約書がよくあります。つまり、いわゆる「契約解除時の未処理産業廃棄物の処理責任」について、このように定めているのです。気持ちはわかるのですが、施行規則で定められている以下の文言を読むと、それでは不十分だと感じます。極端な話、処理業の許可が取消しになった場合は、即契約を解除すべきだと思いますが、この契約ではそれができない可能性があります。

*******************
(委託契約に含まれるべき事項)
【施行規則第八条の四の二】
八 委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取扱いに関する事項
*******************

全産廃連の雛形では、簡単に言うと「排出事業者、処理業者いずれか契約解除の原因となった側の責任で処理すること」とされています。例えば、債務超過を解除要件としていた場合、債務超過に陥った事業者が処理の責任を負うということです。以下、参考までに、全産廃連の雛形を抜粋します。

(雛形は、全国産業廃棄物連合会のHPのダウンロードのページの下の方にあります)


*******************
【全産廃連の雛形】 甲=排出事業者、乙=処理業者
第7条
1.省略
2.  但し、甲又は乙から契約を解除した場合に、この契約に
   基づいて甲から引き渡しを受けた産業廃棄物の処理が未だ
   に完了していないものがあるときは、乙又は甲は、次の措
   置を講じなければならない。
(1)乙の義務違反により甲が解除した場合
イ 乙は、解除された後も、その産業廃棄物に対する本件契約
   区分に基づく乙の業務を遂行する責任は免れないことを承
   知し、その残っている産業廃棄物についての処分の業務を
   自ら実行するか、もしくは甲の承諾を得た上、許可を有す
   る別の業者に自己の費用をもって行わせなければならない。
ロ 乙が他の業者に委託する場合に、その業者に対する報酬を
   支払う資金がないときには、乙はその旨を甲に通知し、資
   金のないことを明確にしなければならない。
ハ 上記ロの場合、甲は、当該業者に対し、差し当たり、甲の
   費用負担をもって、乙のもとにある産業廃棄物の処分を行
   わしめるものとし、その負担した費用を、乙に対して償還
   を請求するものとする。
(2)甲の義務違反により乙が解除した場合
   乙は甲に対し、甲の義務違反による損害の賠償を請求すると
   ともに、乙のもとにある未だ処理していない産業廃棄物を、
   甲の費用をもって当該産業廃棄物を引き取ることを要求し、
   もしくは乙自ら甲方に運搬した上、甲に対し当該運搬の費用
   を請求することができる。
*******************


■□リスク回避の方法として□■
法律では、「委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取扱いに関」して何らかの形で取り決めをすることが求められているだけです。したがって、取り扱い方法を契約当事者間で任意に定めることができます。
しかし実際、処理業者が許可の取り消しを受けた場合や倒産した場合は、排出事業者が何らかの形で(社会的に)自社の廃棄物の処理責任を負わされることが多いでしょう。その場合、仮に排出事業者が処理をした場合でも、破産管財人等に対して債権を保有しているということを主張するために、全産廃連の雛形のような記載をしておくことが望まれると思います。
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区間を区切った委託

2005年12月27日 06時44分11秒 | 過去の疑義照会

問7
排出事業者Aが産業廃棄物の運搬を産業廃棄物収集運搬業者Bに対し、一定の区間を限って委託し、更に他の区間を産業廃棄物収集運搬業者Cに対し委託することは法第12条第3項に違反しないか。
なお、運搬の委託契約はAB、AC間で結ぶ。


お見込みのとおり

【平成6年2月17日 衛産20】

※注意・・・[はじめての方へ]の[過去の疑義照会とは]をご一読ください。
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処理委託契約書のよくあるミス[2]

2005年12月26日 21時19分07秒 | コンサル日誌
前回に引き続き、契約書のよくあるミスをご紹介します。

■□ケース紹介□■

処理委託契約書に添付されている許可証の期限が切れていることがあります。もしかすると、許可の更新はされているにも関わらず、最新の許可証の添付をしていないだけかもしれません。
特に収集運搬業については複数の地域で許可を持っていることが多く、管理が行き届かないために、更新手続きを本当に忘れてしまう場合があります。いずれにせよ、無許可業者への委託となってしまう恐れがありますので、常に最新の許可証を添付するようにしましょう。

■□よい取組み例□■

排出事業者の取組みとしてよくあるのが、処理業者の許可期限をエクセルなどで一元管理し、許可の期限が切れていないかどうかを管理するという方法です。アラーム機能を付けていることもあります。期限が切れる数ヶ月前に処理業者に一言知らせておくとよいでしょう。
それでも処理業者が更新手続きを忘れてしまう場合があります。それを避けるためにも期限の1~2週間前に再度処理業者に通知するようにできるとなおよいでしょう。それまでの間に万一手続きを忘れていた場合でも、そのタイミングで通知すれば必ず対応してくれるはずです。
しかし、1~2週間前では期限切れまでに更新の許可が間に合う可能性は低くなります。

■□更新手続き中は、許可があることになっている??□■

実は、更新手続き中は、許可があることとされています。つまり、許可の有効期限が切れていても、更新の申請がされていれば許可は有効とされているのです。例えば産業廃棄物処理業の場合は以下の通り廃棄物処理法で規定されています。

***************
【法第14条】
第1~6項省略
7 前項の許可は、五年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
8 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この項及び次項において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
9 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
***************

つまり、許可の更新の申請があった場合は、その申請の結果がでるまでの間は許可は有効とのことです。不許可処分であっても、その結果がでるまでの期間は以前の許可が有効です。

これは、その処理業者に許可を出すべきかそうでないかを審査する期間を、行政が十分に取れるようにしたものだそうです。逆に言うと、ぎりぎりになってあわてて(またはわざと?)更新の申請をするケースが少なくなかったのでしょう。


<申請されているかどうかの確認方法>
更新の申請がされているかどうかについては、申請書を受領した旨の文書が行政から処理業者に交付されているはずですので、それで確認してください。処理業者は、あらぬ疑いをかけられたくはないので、通常であればコピーをくれるはずです。


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処理委託費用

2005年12月22日 22時37分39秒 | 過去の疑義照会

問6
排出事業者Aが産業廃棄物処理業者Bに対し、産業廃棄物をBの指定する場所まで運送する費用として、トン当たり1750円を支払う一方、300円の売却代金を得て当該廃棄物を排出場所でBに引渡している。この場合、AはBに産業廃棄物の処理を委託していると解してよいか。
また、前期の場合において、Aが、排出場所からBの指定する場所まで運搬することを運送業者Cに委託して、運送費をCに支払う場合は、AはCに産業廃棄物の運搬を委託していると解してよいか。


お見込みのとおり

【平成6年2月17日 衛産20】

※注意・・・[はじめての方へ]の[過去の疑義照会とは]をご一読ください。
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処理委託契約書のよくあるミス[1]

2005年12月22日 19時03分11秒 | コンサル日誌
排出事業者の廃棄物管理状況をチェックさせていただく機会が、コンサルティングの現場でよくあります。その中でも、契約書の記載や運用のよくあるミス、問題点を連続してご紹介したいと思います。

■法定記載事項が抜けていると…
罰則規定としては、3年以下の懲役、300万円以下の罰金に該当します。また、処理を委託した業者が不法投棄等をした場合は、排出事業者に対しても撤去命令などの行政処分が下され、社名公表もされる可能性があります。十分にご注意ください。


■書面契約の根拠
まず、処理委託契約書を作成しなければならないとされている、法的根拠を整理したいと思います。

施行令第6条の2第3号で、「委託契約は、書面により行い」とされている部分で規定されています。したがって、処理委託契約書という名称の書面で、袋とじになっている必要があるわけではありません。あくまで書面であればよく、形式は定められていません。
極端な話、見積り書という形でもよいと考えられます。(契約は、当事者双方からの申込みと承諾があれば、書面がなくても成立します(民法521条他)。それが見積りであれなんであれ書面化されていればよいということです。)


■□ケース紹介□■
今回は第1回として、処理料金の記載漏れについて取り上げたいと思います。廃棄物処理法では、処理委託契約書の法定記載事項として、以下のように料金を記載することとされています。

【施行規則第8条の4の2】(委託契約に含まれるべき事項)
 二 受託者が委託者に支払う料金


全産廃連さんの雛形を例に取ると、第2条第2項の単価の欄に該当します。

(雛形は、全国産業廃棄物連合会のHPのダウンロードのページの下の方にあります)

ここが、

 ①空白となっている。
 ②別途覚書で定める、とされているが、覚書が見つからない。
 ③そもそもそのような欄がない。(古い雛形をそのまま使っている)

といったケースがあります。

■□問題点□■

①の問題点としては、仮に別途書面があったとしても、空欄では記載がないと考えられる恐れがあるという点です。金額をきちんと記載するか、「別途覚書に定める」等の記載が望まれます。

②元となる処理委託契約書と覚書が一連の書類であることがわかり、それぞれの所在がわかるようにしておくべきです。覚書が紛失してしまえば、5年間の保管義務違反になってしまいます。取引の都度見積りをもらう場合も、その見積りをしっかりと保管しておく必要があります。

③処理料金の記載は、平成12年の改正で追加されました。それ以前に締結した契約書をそのまま使用している場合にこのようなことが起こります。古い契約書がある場合は、少し注意してみてください。


思った以上に見受けられるミスです。法定記載事項でも重要度が高い項目と思われますので、契約書作成時や見直し時には、特に注意してください。
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