議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

お願い_震災廃棄物の処理の適法化について

2011年05月20日 09時46分57秒 | 政策提言
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■震災廃棄物を処理できる施設は・・・
震災廃棄物は一般廃棄物となりますので、それを処理する際には一般
廃棄物処理業の許可もしくは市町村からの委託を受けていなければ
なりません。
さらに、処理施設を使って処理する場合は、一般廃棄物処理施設を
使うか、産業廃棄物処理施設を一般廃棄物を処理できるように届出を
しなければなりません。

環境省では、今回の震災を受け、この届出について規制緩和しています。
30日前までの届出でなくても、直前でもよいということで、迅速な
対応ができるようにしたのでしょう。
「一般廃棄物を産業廃棄物処理施設において処理する際の届出期間に関する例外規定の創設(平成23年3月31日環境省令第6号)」

■ここが問題です!!
ところが、これができる品目は限定されています。
詳しくは、法第15条の2の5、施行規則第12条の7の16を確認して
いただきたいのですが、
産業廃棄物の焼却炉の場合、
廃プラ、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物の死体
に該当する一般廃棄物は焼却できますが、汚泥はできません。

つまり、被災地、特に津波の被害を受けた地域で発生している泥を焼却
できないということです。
焼却できない、つまりセメント原料などとして再資源化できないのです
(セメントのキルンは、焼却炉になりますから)。

では、仕方ないから埋立をするのか、というと、これも焼却炉の場合と
同様、汚泥は対象外です。
結局、一般廃棄物の最終処分場にもって行くしかないのです。

どれくらい、どんな形で出てくるかまだ不明ですが、あふれそうです。
・・・今からでもセメント原料化する道を作っておいた方がよいでしょう。

※ちなみに、焼却灰については、埋立は可能ですが、焼却(セメント
原料化)がダメです。

■お願いです
環境省に確認したところ、汚泥を追加する予定は今のところないそうです。

施行規則を変えるだけですみます。そのためには、私が騒ぐだけでは
足りません。特にこのメルマガを読んでいらっしゃる自治体の方、
ご賛同いただけるようなら是非環境省に要望をあげてください。被災地
でなくても、市町村でも都道府県でもどちらからでもよいと思います。
もちろん、産業廃棄物の処理業者の方、特にセメント業界の方も、是非!!

いち早い震災復興のためには、先手先手を打たなければなりません。
簡単にできる復興支援です。少しでも「自分に関係があるテーマだ」
と思ったらやってください。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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環境省への電話をしたことのない方でも、臆せずに、

03-3581-3351(代表)
へかけてください。
「産業廃棄物課お願いします」
で、つないでいただけます。

電話に出た方に、
「産業廃棄物処理施設の一般廃棄物処理施設への転用届出の件で
ご相談があるのですが・・・」
と言って頂ければいいと思います。

もし電話を代わったほうがいい場合は、担当の方に代わってくれる
でしょう。

そして、
「汚泥が対象でないとのことですが、震災復興を進めるためにも
追加していただけませんか?」
と言うだけです。

電話をかけ終わったら、社会に一石を投じたというさわやかな気持ちに
なるはずです。
コメント (13)

定期検査のマニュアル

2011年05月20日 09時06分10秒 | ニュースクリッピング
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廃棄物処理施設の定期検査ガイドラインが出ました。

環境省のホームページにはまだアップされていないようですが、
自治体では公開されていますので、取り急ぎ。
廃棄物処理施設の定期検査ガイドライン(第1版)

「現地確認でもこれを参考に処理施設の運用状況を確認しましょう」
なんてことは言いません。施設の基準や、個々の許可申請書類の内容を
把握していないと分からないことですから、一般の排出事業者が
すべきレベルではないでしょう。そんなことをされたら、処理業者の方も
たまらんでしょうし。

なので、さらっとでも中を眺めるくらいで十分かと。

もちろん、定期検査を受けられる方は、あらかじめ見ておいたほうがよいと
思います。

■定期検査について
施設の定期検査がこれまでになかったというのは、少々手落ちだった
のではないかと思います。実際には、制度がなくても行政の立入はあったよう
ですが、自動車には車検という制度がしっかりあるのに、廃棄物処理施設に
制度がなかったのは、やはりおかしいと思います。

■最近、こんな話もありましたね。廃棄物の処理施設だけでなく、その他の
施設もしっかりとウォッチ、違反行為の隠蔽のリスクを周知徹底すべきでしょう。

大気汚染防止法の遵守の徹底について(お知らせ)
 
三菱自動車工業株式会社への警告書の発出について(お知らせ) 

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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廃棄物処理法改正を受けてか、廃棄物処理法関連セミナーのニーズはかなり
堅調です。震災の影響は短期的であるばかりか、むしろ廃棄物に注目が集まって
います。
一方、省エネの注目度もご存知のとおり高いようですね。トータルで考えると
今回の震災で環境問題の重要性がさらに高まったというべきかもしれません。
コメント

業種限定の産業分類について

2011年05月16日 00時00分12秒 | コンサル日誌
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いわずと知れた産業廃棄物の業種限定ですが、具体的には産業分類のどれに
該当するのかが以下の通知に記載してあります。この通知の最後のほうです。

【廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について】
 昭和46年10月25日 環整45号


ここで出てくる産業分類は、実は通知が出た当時のものを指しています。
昔の資料ですので、なかなか見つからないのですが、これ↓などはちょうど
よいかと思います。

日本標準産業分類第11回改訂大・中分類項目新旧対照表

本来は、最新の産業分類表に基づいて出し直してくれると良いのですが。

なお、業種限定以外にも、業種指定、特定業種など色々な呼び方があります。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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アミタグループの地上資源ブログは、まずまず頻繁に更新されています。


日々の活動が伝わってきますので、たった年1回の現地確認だけでは
得られない安心感を得られるのではないでしょうか。
製造所ごとにカテゴリーが分かれています。それこそ現地確認に
いらっしゃる直前でもよいので、目を通していただけるとよいと
思います。
コメント

放射能に汚染された廃棄物の扱いについて

2011年05月10日 07時44分31秒 | ニュースクリッピング
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連休中も報道がありましたが、そろそろ放射能で汚染された廃棄物の
処理の問題が表面化してきました。

放射能汚染がれき、処理しないで 政府が福島県に要請

他にも、セシウムが入っていた下水処理汚泥がセメント原料として使われ
ていたという話や、小学校の校庭の土を埋立処分場で受入れ拒否された
などの話もあります。

このような廃棄物は、トータルどれくらいの量になるのでしょうか。通常の廃棄物の
何倍の処理費がかかるのでしょうか。負担はやはり東京電力→国費→国民
ということになるのでしょうか。

■過剰反応しないように
例えばPCB、アスベストは無害化、安定化できますが、放射能は無害化も
安定化も基本できません。処理により濃度低下できるものと、無理なもの
は厳格な管理下に、という切り分け、処理・管理方法がポイントになるの
でしょう。
管理型最終処分場での排水処理、焼却炉の排ガス処理で放射性物質が
どうなるのかについても、検証されているはずです(でも、どうやって?)。

一方で、これまで日本人はPCB、アスベスト、ダイオキシンについては、超過剰
反応をしてきたと思うのですが、放射能についてもこれを繰り返すことがないよう
に願いたいです。過剰反応をして、誰も受け入れをしないということに
なれば、汚染されたものが現地に放置される、という現状が継続してしまい
ます。放置するより、何らかの管理下におくべきでしょう。

とはいえ、微量PCBのように、実証実験をして、無害化認定とかしていたら、
いつまでたっても処理・復興が進みません。しかし、安全性を軽視する
わけにはいきません。環境省の担当官の悩みはいかばかりか・・・。

それにしても、これらすべて原子力発電のコストだと考えると、やはり
原発はコストが高いというべきなのかもしれません。

■放射能を含む廃棄物の、現時点での規制状況
参考までに、放射能を含む廃棄物の規制が、現状どうなっているのかを
ご紹介しておきます。

○病院からレントゲン撮影などに伴って排出される廃棄物
文部科学省管轄の「放射性同位元素等による放射線障害の防止に
関する法律」で規制しています。専門の業者が回収しています。
RI廃棄物、と言われているようですが、当然今回問題になっている
廃棄物は対象外です。

○原子炉からの放射性廃棄物
通称「原子炉等規制法」正式名称は、
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」で規制して
います。経済産業省管轄です。

原発の関連廃棄物であっても、クリアランス制度でパスした場合は通常の
廃棄物として処理できます。パスしない放射性廃棄物については、ご存知
のとおり処理する場所はまだ決まっていません。。。

クリアランス制度
つまり、電力会社が「処理後0.001マイクロシーベルト/時以下の放射線量
で済むと思われるもの」かどうかを、自主的に測定・判断基準を設けて判断
し、それが妥当かどうかを国がチェックする、というものです。
もちろん、一般の瓦礫の数値基準として適用できるものではありません。

環境省としては、上記数値は超安全側に立っているので、これを参考に
基準を設定するつもりはないようです。
福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い

■ちなみに
過去に、ウラン残土を使ったレンガが問題になったこともあります。
0.22マイクロシーベルト/時で、安全ということです。
安全性を説明しているページ
危険性を示唆しているYouTube

■ということは・・・
ということは、現時点では放射能汚染されたがれき等の規制値が
できていないため、”法律上は”普通の廃棄物として処理しても
構わないのです。
ということで、政府から「処理しないように」という“お願い”が出ている
のです。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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廃棄物の排出事業者のための検定制度をスタートさせます!!

アミタ持続研の独自検定ということで、まずはセミナー開催に
合わせて試験を実施します。

初回は、5月19日開催の「廃棄物管理の法と実務セミナー 基礎編」で
廃棄物管理者検定【基礎】の試験を行います。6月21日にも実施します。


6月22日の応用編では、廃棄物管理者検定【応用】を実施します。


今後、業界のデファクトに育て上げて行きたいと思います。
乞うご期待!!
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