議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

アイダ設計の書類送検について法改正との関係を解説

2014年10月22日 15時04分42秒 | ニュースクリッピング
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
 本ブログはメルマガでも配信しています。
 お申込、詳細についてはこちらをご覧ください。
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

もうご存知の方も多いかもしれませんが、アイダ設計の社長の
コメントに注目してください。
この動画、すぐに削除されると思いますから、今のうちです。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00279237.html

インタビューを抜粋します。

記者「監督責任というのはアイダ設計側にあると思いますか?」
社長「たぶん僕はあると思います。法律がねー、3年前に法律が変わった
  らしいんですよ。。ウチの土木の方が、ちょっと知識不足・・・」

だそうです。社長さんは、あわてて勉強されたのでしょうか。


解体工事の全体像が分かりませんが、アイダ設計が元請で解体を
発注して、請け負った解体業者が法改正前からの運用そのままに
持ち帰って保管していたのでしょう。
自社保管(のつもり)ですから、許可不要(のつもり)です。

<改正前だったら>
まず、排出事業者が解体業者となるので、元請には違反を問えない。
解体業者は、不法投棄ではなく自社廃棄物の保管だという主張をして
いれば、罰則がない。不法投棄として証拠を固めないと、保管基準違反
(=直罰ではない)ので、弱いですね。
ということで、すぐには立件が難しい事案です。

<改正により>
改正により、元請のアイダ設計が排出事業者となるので、解体業者が
運搬したら無許可運搬、運搬させたアイダ設計が無許可業者への
委託(委託基準違反)になります。
つまり、不法投棄があってもなくても、解体業者が運んだだけで
元請も解体業者も罰則の対象になるのです。

2010年改正(2011年4月施行)の法第21条の3がきれいにはまった
初めての例かもしれません。

テレビでも取り上げられていますので、改正対応が進んでいない
中小建設会社に対する意識喚起としてはよい材料でしょう。

今後は、美川憲一がCMに出続けるかどうか、という点も少しだけ
気になります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そういえば、JESCO(環境安全事業株式会社)の社名が変わります。
中間貯蔵・環境安全事業株式会社」になるそうです。
放射性物質に汚染されたいろいろを中間貯蔵するので、社名変更
するようです。
法人格は変わらないでしょうから、PCBの契約書を改定する必要は
ないと思いますが、「じぇすこ」って言えなくなりますね。

それにしても、PCB処理の高コスト、しょっちゅう事故体質を
思えば、中間貯蔵施設もエライ金食い虫になりそうです。
しかも、事故が頻発した日には目も当てられない・・・。

無事を祈ります。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水銀条約の影響で廃棄物処理法ちょっとだけ改正

2014年10月20日 16時03分23秒 | ニュースクリッピング
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
 本ブログはメルマガでも配信しています。
 お申込、詳細についてはこちらをご覧ください。
□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

水銀条約の影響で、廃棄物処理法が改正される見込みです。

この委員会で水銀条約の対応でいろいろ議論されていますが、
水銀廃棄物の処理に関する論点と考え方(案)
で、廃棄物としての扱いについて整理されています。

ほぼほぼ、このままで行くのでしょう。

・ポイント①は、
金属水銀、身近なところでは水銀体温計は、有価物もしくは
廃棄物なら金属くずか無理やり汚泥で特管扱いにしていたところ
正式に特別管理産業廃棄物になる、
というところです。

・ポイント②は、
水銀汚染物(これまで既に特別管理産業廃棄物だったもの含む)
の処分方法が法定される、ということ。たとえば、蛍光灯は
特管にはならなそうですが、破砕したガラスを安定型で埋める
なんてことはNGになります。
そもそも、蛍光灯の運搬時の破損防止が求められるので、委託前
の保管時も破砕しにくくなるor禁止されるでしょう。

・ポイント③は、
水銀含有産業廃棄物、という考え方ができて、契約書やマニフェスト
にその旨記載する、ということになります。石綿含有産業廃棄物と
おんなじような話です。
たとえば、蛍光灯は特別管理産業廃棄物にはならなくても、水銀含有
だということを契約、マニフェストに表示させることで、ポイント②
に示すような適正な扱い、処理がされるようにする、ということです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
来年は廃棄物処理法の改正が検討されていますが、それまでの改正
トピックとしては、改正フロン法と、水銀廃棄物くらいでしょうか。

そうそう、今年もエコプロに合わせてセミナーやります。

今年は、ウチのセミナーはエコプロのチラシに掲載されません。
民間企業の有料セミナーは載っけらんないよ、ということになった
そうです。ケチンボだなぁ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする