議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

広域認定の範囲内での処理委託契約書の必要性について

2009年03月31日 05時33分32秒 | コンサル日誌
 広域認定を受けた製造時業者等は、ユーザーから回収した廃棄物を、認定の範囲内のリサイクル業者、運搬業者に処理委託することになります。さて、これについて①再委託にあたるのか、②再委託でないとしても、処理委託契約書が必要なのか、という疑問が生じます(よね)。今回はこれについて説明したいと思います。

 ①再委託にあたるのか
 厳密には「再委託の禁止規定に抵触するのか?」という表現の方が正しいでしょう。メーカーが自ら処理しているのでなければ再委託であることには間違いないのですから。

 再委託は、以下の条文で禁止+例外規定が設けられています。この条文が再委託の禁止を指しているということについては、こちらのページで説明済みです。
*********
【法第14条14項】
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
*********

しかし、広域認定が規定されている法第15条の4の3第3項では、
*********
第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者とみなす。
*********
とされています。

再委託の禁止が規定されている第14条14項は、ここから外されています。つまり、広域認定を受けた製造時業者はこの再委託禁止の条項については収集運搬業者や処分業者とはみなさない=適用を受けないということです。

ということで、再委託の禁止規定に抵触しないので、承諾書を取ったりなんていう仕事は不要となります。

②再委託でないとしても、処理委託契約書が必要なのか
 さて、2つ目の疑問です。再委託ではなかったとしても、委託基準の適用を受けるのであれば、処理委託契約書は必要になるはずです。で、委託基準は法第12条第3項ですが、こんな条文(抜粋、改変)です。

*法第12条第3項*********
事業者(中間処理業者を含む。次項及び第五項並びに次条第三項から第五項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については産業廃棄物収集運搬業者、その処分については産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託しなければならない。
****************

 ここから、委託基準はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者を適用の対象としているということが分かります。では、広域認定を受けたものはⅠの事業者(排出事業者)に該当するのでしょうか。いえいえ、そんなはずはありません。排出事業者はあくまで製品を使用、廃棄する者です。
 では、Ⅱの中間処理業者なのでしょうか。上記の「法第15条の4の3第3項」では、
****************
「第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者とみなす』
****************
とされています。ここには法第12条第3項が入っていません。つまり、法第12条第3項においては広域認定を受けた者であってもⅡ.中間処理業者とはみなさないということです。

 そうすると結局、広域認定を受けた者はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者のいずれにも属さない、=委託基準の適用を受けない、契約書の作成は不要、ということになります。

 ちなみに、事業者と中間処理業者は別であるということは、この通知で明確にされています。
環廃対発第050930004号 環廃産発第050930005号平成17年9月30日
廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律等の施行について(通知)

******
「事業者」(排出事業者)及びこれとは異なる「中間処理業者」の定義を置き(法第12条第3項)、事業者のみに係る規定と、中間処理業者及び事業者の双方に係る規定(当該規定の適用対象が事業者に加えて「中間処理業者を含む。」とされている規定)を区別するという条文整備が行われた。
******
だそうです。

■そもそも製造時業者などの裁量に任されているのでは?
 もともと、広域認定を受けた製造事業者等は、認定の範囲内の処理業者の社長等を環境省に届けています。つまり、普通の処理委託よりしっかりした関係を構築しているはずなのです。ですから、処理業者との関係構築の方法については製造時業者等に任されているのでしょう。なお、環境省としては、管理体制を担保するため産業廃棄物の契約書と同等の契約を締結することを推奨しているようです。

 以上、上記内容については環境省にも確認済みです。念のため。


・・・ちょっと脱線・・・
 産廃(事務所で使用済みのPCなど)を広域認定でメーカーさんに委託する場合の注意点をひとつ。ここには委託基準は適用されますので、契約書は必要です。例のごとく、提示される契約書には法定記載事項漏れがある可能性があります(実際に見たことがあります)ので、ご注意ください。念のため。
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廃棄物・リサイクルガバナンスのパートナー企業

2009年03月30日 05時38分54秒 | ウィークリー・トピックス
 先週は、産業環境管理協会が進めている「廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン(以下、WRGといいます)」の支援サービスの「パートナー企業」の連絡会に出席しました。「そんな支援サービス初めて聞いた」ですって??そうですか、そうかもしれませんねぇ。
 では、このWRGの登録事業というのがあるのはご存知でしょうか?おそらくは、このブログの読者でも「知らない」という方が5割を軽く超えるのではないでしょうか。

 で当日は、このWRGを今後どうしていきましょう、登録事業やパートナー企業の関わり方をどうしましょう、というディスカッションをしてきました。結論としては、とりあえずこのまま継続です。ただ私はWRGの考え方自体は悪くないので、改めて大企業を対象に普及していってもよいのではないかと思います。現在、結果として中小企業が主なサービス対象となっていますが、中小ではWRGの考え方なんてとても導入できないはずですから(やっているのは遵法監査くらい)。
 登録事業についてはメリットが少ないということで前進しないような気がします。電子マニフェスト、処理業者の優良性評価制度などが普及しない理由とおなじです。

 私としては、ガイドラインとしてはよくできているので、今後もこのWRGを事あるごとに紹介していきたいとは思っています。アミタ持続研のサービス内容とも合致していますし。

 そういえば、パートナー企業の1つであるリサイクルワンさん、最近カーボンオフセットで目立っていますが社名が事業内容とズレてきています。立ち上げ当初はそれでよかったのでしょうけど、社名を付けるのは難しいですねぇ。アミタなんかはすぐに意味が分からない社名ですが、逆にリサイクル、エコ、環境なんていう社名を付けていたら、今の事業内容とズレてしまいます。最近は“環境”ですらない仕事をやっていますから。
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給付つき税額控除

2009年03月27日 05時55分31秒 | ベーシックインカム
 給付つき税額控除というものをご存知でしょうか。税額控除(減税)をした場合、所得が低くて税金を納めていない方には何のメリットもないので、そのような方たちには給付金を出そう、ということです。

 今回の定額給付金と違うのは、給付付き税額控除は「継続して支給される」ということと、「給付額が所得によって異なる」、つまり収入に応じて額が変わり、一定以上の収入がある場合には給付はしないがその分減税される、といった点でしょうか。既に欧米では行われている制度のようです。

 しかも、民主党のマニフェストに入っていたり、これを推奨する議員の方も思ったより多くいるようです。
*民主党マニフェストより*****
格差是正のために、所得控除を整理し、給付・税額控除を組み合わせた制度の導入を図ります。
消費税の逆進性対策についても、「戻し税」という形であわせて行います。
*****************

 また、これについては、既に書籍があります。
給付つき税額控除―日本型児童税額控除の提言
森信 茂樹
中央経済社

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 この給付つき税額控除は、ベーシックインカムと近い政策だと思います。主な違いは、給付対象が絞られているか、収入によって給付額が異なるか、あとはそもそも最低限の生活を保障しているかどうか、あたりでしょう。まずはこの政策から導入し、ベーシックインカムに移行するというシナリオもアリかもしれませんね。
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現地確認を女性に

2009年03月26日 05時41分38秒 | コンサル日誌
 現地確認を女性にやっていただく、または同行していただくと様々な意味でよい効果があると思います。経験上そんな気がしますし、女性との雑談で「あー、そうかもしれませんね~」と盛り上がったこともあります。

 まず、場が和む。そして、処理業者さんの説明が丁寧になる(と思われる)。少々立ち入った質問をしても、苦言を呈しても、(たぶん)角が立ちにくい。しっかり仕事をしてくれるので、ヒアリング漏れが減る。などなど(男女差別ではなく)女性ならではの特性がよい方向に働くと思います。

 これらは、特に処理業者の案内役の方が男性の場合に言えることですが、女性であってもほぼ同様のことが言えるのではないでしょうか。

 いかが思われますか?
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新しいセミナーを開催します

2009年03月25日 05時37分12秒 | 余談コーナー
■新セミナーを開催します!!
 5/26に新しいセミナー「徹底解説!廃棄物処理法Q&Aセミナー」を開催します。今年の新セミナー第一弾です。日経エコロジーに連載中の大好評コラム「廃棄物処理法Q&A」をネタ元として、日ごろ頂いている質問への回答や解説をしていきます。特に紙面の関係上載せられなかったネタや関係資料の紹介、もっと突っ込んだ話に踏み込みます。アレだけでは消化不良という方のご参加をお待ちしております。

■参加者からの質問も受付けます
 このセミナーでは、参加者の方から頂く質問に対しても回答いたします。あらかじめ用紙に記入していただくと同時に、その場で出てくる質問も受け付けます。
 普段のセミナーでもQ&Aの時間が足りないことがありますので、午後のかなりの部分を費やすことにしました。自社の質問への回答を得られるだけでなく、他社がどこにどう悩んでいるのか、悩んでいるのは自分だけではないのだ、ということも分かるでしょう。
 さらに、「他社がどう対応しているのかについて聞きたい」というテーマを挙げていただき、その場でアンケートを取る、ということも行います。もちろん、「回答できません」という場合は回答しなくてよいです。逆に言うと回答してもらえそうなアンケート項目にしていただく必要がありますね。例えば、法定要件の上を行く取り組みの状況として、現地確認の実施頻度や、リサイクルの定義、分別教育の方法、などがあるでしょう。

 ただ、時間の関係ですべてに対応することができない可能性がありますので、その際にはご了承ください。

■特典
 特典として、過去の「廃棄物処理法Q&A」を配布いたします。今後は書籍化の話もありますので、お徳ですよ。

■参加者について
 ある程度の実務経験等がないと、内容についていけないかもしれませんので、1年以上の経験があったほうがよいでしょう。特に新任の方はご遠慮いただき「廃棄物管理の法と実務セミナー 基礎編」などをご受講ください。

■最後に
 廃棄物処理法、廃棄物管理の主要な課題についての考え方を整理しておく、という意味でもご参加いただく意義があると思います。是非ご検討ください。
 スケジュール、内容の詳細や参加申込みは、こちらからどうぞ。

 なお、あくまで排出事業者の方を対象としております。処理業者の方が参加されても構いませんが、排出事業者視点での内容となりますので、あらかじめご了承ください。

■おまけ
他にも、4月にはいったら
廃棄物管理の法と実務セミナー【契約書編】東京開催(4/23)
廃棄物管理の法と実務セミナー【マニフェスト編】東京開催(4/24)
を予定しています。

いずれも新任の方の参加は可能ですが、特に契約書編は内部監査をされる方、契約書のチェックをされる方、マニフェスト編は同じく内部監査と、マニフェストを実際に交付される担当者の方にいらしていただくとよいでしょう。
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保管場所の定義

2009年03月24日 05時32分39秒 | コンサル日誌
 保管場所という言葉は廃棄物処理法にはありませんので、「保管の場所」と言ったほうがよいでしょう。工程で排出された廃棄物をとりあえず入れておく「ゴミ箱」から、処理業者が引取りに来る保管場所までの間にいくつか中継基地があることがあります。その際、どこからが「保管の場所」なのか、ということがテーマになることがあります。

 日経エコロジー2007年11月号の記事にも書きましたが、「建屋の外」かどうかを判断基準にしていたり、処理業者が引取りに来るところかどうかを判断基準にしていることもあります。しかし、法律ではそこは明確になっていません。

 そこで保管の類似語を少し比較してみたいと思います。(全て大事林からの引用)

保管:物品を預かって、傷つけたり失ったりしないように保存・管理すること。「忘れ物を受付で―する」
保存:そのままの状態に保っておくこと。「文化財を―する」「永久―」
置く:人や物をある位置・場所にとどめる。そこに位置させる。「要所に見張りを―・く」「手をひざに―・く」
置場:置く場所。また、落ち着かせる所。置き所。「ごみ―」「身の―がない」
貯留:水などがたまること。また、ためること。
貯蔵:物を蓄えておくこと。ためておくこと。「食糧を―する」「―庫」「冷凍―」

■ということは、、、
・置場と保管場所
 廃棄物(ゴミ)置場と廃棄物保管場所はどうも違うようですね。置場は単にそこにおいておくだけで、保管は管理するというニュアンスが含まれます。もしかすると、中継基地であれば「廃棄物置場」、処理業者が引取るところは「廃棄物保管場所」とすべきなのかもしれません。

・保管と保存
 また、保管が「保存・管理する」ということなので、保管には保存が含まれる、ということなのでしょう。しかし私の感覚では、保存は長期に渡りそれほど特別な目的なく置いておくこと、保管は特定の目的のために比較的短期間ちゃんと管理しておくこと、という意味もあるような気がします。その証拠、というわけではありませんが、契約書やマニフェストは5年間保存することが求められています。一方の廃棄物は保管するもの、ということなので、おそらくは意図して使い分けているのでしょう。

 「保管の場所」について定義しなおす、というところまで行けませんでしたが、参考になったでしょうか?
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大変な病気に・・・

2009年03月23日 05時35分41秒 | ウィークリー・トピックス
 先週末はとても暖かかったですね。東京では桜の開花宣言も出され、春真っ盛りといったところです。

 そんな中、家族で近くの公園へ遊びにいったのですが、その日の夕方からこれまでに経験したことがないくらいのくしゃみと鼻水、そして涙目になったのですが、どういうわけだか熱はありませんでした。
 これはおかしい、もしかしたら大変な病気に違いない、ということで次の日にあわてて病院に行きました。そうしたら、やはり例の大変な病気だろう、ということでクラリチンという薬をもらいました。

 いただいた薬はすぐに飲んで、マスクをするようにしたら、その日は全く症状が出ませんでした。きっと完治したに違いありません!!うん、そうに違いない!!でも、再発防止のためにマスクはちゃんとしようっと。
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有機系廃棄物を牧草地に投棄

2009年03月19日 05時43分14秒 | ニュースクリッピング
 2日連続でニュースネタとなります。

不法投棄で北海道乳業次長ら3人逮捕

 ヨーグルト加工時に排出される廃シロップ計約1000キロリットルを、北斗市内の数カ所の牧草地などに計455回投棄した疑いで逮捕されたそうです。堆肥製造のために廃シロップを使っていたようですが、それだけではさばき切れずに投棄したようです。
 形としては、排出事業者がその従業員の自己所有の牧草地に不法投棄したことになります。

で、その結果、上記の3名だけでなく、
シロップ投棄容疑で北海道乳業も送検 監督責任適用
となりました。監督責任というか法人に対する両罰規定ですね。同社の常務は「監督責任を怠ったことを真摯に受け止め・・・」とコメントしています。今なら(多分そのうち見れなくなるでしょう)札幌テレビ放送の動画もここから見れます。

この事例は排出事業者の不法投棄ですが、処理業者が不法投棄する場合も当然あります。相手が自社の担当者であれ、処理業者であれ、「堆肥化してます」などの説明をそのまま鵜呑みにせず、できるだけ現場に行って確かめる(監督する)べきなんでしょうね。
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またもや処理委託品が盗まれました

2009年03月18日 05時48分47秒 | ニュースクリッピング
 アシックスがリコール品として回収したバスケットシューズを処理委託した業者が、そのバッシュを暴力団関係者に渡していたようです。記事が2つあり、暴力団関係者はアシックスに買取を要求していたのか、転売しようとしていたのか、その両方なのかよく分かりませんが、よからぬことをたくらんでいたことは間違いないでしょう。

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 本当に処理をするのであれば廃棄物なのでしょうが、販売できてしまえばそれは廃棄物ではありません。いやぁ、総合判断説に「占有者の意志」が入っているのはやはり妥当なんでしょうね。外見上少しでも売れそうなものがあったら、処理委託する際には注意しましょう。
 それにしても、この業者はきっと暴力団関係者と日ごろから付き合いがあったのでしょうね。そうでないと、こんな手際よく500足も持ち出せないはずですから。
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環境関連の人材を探しています

2009年03月17日 05時29分12秒 | 余談コーナー
 ある会社から環境関連の業務の経験がある人材を探しているという話を頂いております。廃棄物マニアである必要はありません(笑)。公害防止、またはCSRなどについての経験がある方ということです。やはり、最近力を入れるべき領域として、この辺りの人材が求められているようです。
 例えば、製造業などでCSRや環境関連領域の管理、実務に携わっていた方で転職を考えている、退職する予定であるという方がいらしたら、是非お声掛けください。あくまで経験者ということですが。ご興味ある方は、左にある「メッセージ」からご連絡ください。随時募集だと思います。

 なお、新卒の方は、アミタの新卒採用の方へどうぞ。。。
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