議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

処理業者に撤去費用を請求できます!!

2017年08月31日 12時50分36秒 | ニュースクリッピング
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CoCo壱番屋が、ダイコーに費用請求の提訴をしています。
処理委託したはずのビーフカツが8t処理されずに放置されていたため
CoCo壱番屋はその処理を肩代わりすることになった。
ついては、そのための費用をダイコーに請求するということです。

それに加えて、社会的信用も失われたとして、合計2千万円を請求
しています。
http://www.sankei.com/west/news/170830/wst1708300076-n1.html


■法定記載事項にあるとおり
処理委託契約書には契約解除時の未処理の産廃の取扱について規定されて
います。(規定されていないと法定記載事項漏れで、違反となります。)

CocCo壱番屋がダイコーとの契約を解除したのであれば、この条項に
沿って請求がされるはずです。

全国産業廃棄物連合会によるひな形では、以下のように表記されています。
最後に「費用の償還を請求」と書いている、この部分がポイントです。
*第12条**************
1(省略)
2(省略)
3 甲又は乙から契約を解除した場合において、本契約に基づいて甲から
 引き渡しを受けた産業廃棄物の処理が未だに完了していないものが
 あるときは、乙又は甲は、次の措置を講じなければならない。

(1)乙の義務違反により甲が解除した場合
イ(省略)
ロ 乙が他の業者に委託する場合に、その業者に対する費用を支払う資金が
 乙にないときは、乙はその旨を甲に通知し、資金のないことを明確にしなければならない。
ハ 上記ロの場合、甲は、当該業者に対し、差し当たり、甲の費用負担を
 もって乙のもとにある未処理の産業廃棄物の収集・運搬を行わしめるものとし、
 乙に対して、甲が負担した費用の償還を請求することができる。
***************

もちろん、こんな取り決めがなかったとしても、委託業務がされなかった結果
損害が発生したのですから、その分の損害賠償を請求することはできます。

ということですが、このようなニッチな話題がニュースになることなど
これまでにはほとんどなかったことです。
そのため、不法投棄された排出事業者が、撤去費用を処理業者にどのように
請求していたのか(ほとんどの場合請求などして来なかったと思いますが)
についての事例が表面に出てきませんでした。

いずれにせよ、処理業者に不法投棄廃棄物の撤去費用を請求するという先例が
できそうですので、ご安心(?)ください。


それにしても、ココイチは被害者を装っていますね。
とおってもお安い処理費で、容易に横流しができる状態で不注意にも大量に
食品を処理委託した後で、たかだか8tの処理費を「損害だ!!」と言って
請求するのですから。
恐らくは回収が難しいのにわざわざ請求しているのですから、提訴すること
自体が目的なのではないかと想像しています。
一般人向けには自社の正当性をアピールすることになるのだと思いますが、
どうかと思います。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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今日で学校の夏休みが終わるところが多いでしょう。
今日の東京は寒いくらいで、異常だった夏を印象付ける最終日です。

明日からは、電車がさらに混むことになりますが、皆さんは10月1日の
水銀改正対応に追われる方も多いのではないでしょうか。
私は、廃棄物処理法改正のフォロー、新工場の立ち上げ準備を
することになります。頑張ってまいりましょう。

そういえば、雑品の保管、処分基準の検討会が開かれます。

明日締切なので、参加される方はお急ぎください。
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2017年08月17日 12時07分02秒 | コンサル日誌
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以前ご案内したように、「じゅんかんニュース」というニュースレターを
堀口責任編集でスズトクから発信しています。こちらは、議論de廃棄物の
ようなマニアックで気まぐれな発信内容・頻度ではなく、ちゃんとしてます。

その内容を、先月リニューアルしたウェブ上でも展開し始めました!!
http://www.suzutoku-group.co.jp/category/jyunkan-news

特に
「法改正~そこが知りたかった!!」
というカテゴリーは、それなりに詳しく実務寄りの内容にしていますので、
ご参考ください。

特に水銀関係は、今月の日経エコロジーの連載でも取り上げましたが、ややこしい
です。紙のメディアはスペースが限られているので、今回の日経エコロジー
だけでは消化しきれないかもしれません。網羅的でもありましたし。

その点、「法改正~そこが知りたかった!!」では、ほとんどの方はここだけ
知っておけば用が足りると思われる「水銀使用製品産業廃棄物」の対応に
絞って説明していますので、それなりにわかりやすいかと。

「法改正~そこが知りたかった!!『水銀廃棄物規制の施行対応 その2』」


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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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本文中にもある通り、日経エコロジー9月号では、水銀廃棄物について
まとめています。

タイトル中「産廃が追加」という表現と、文中「産廃として追加」といった
表現がありますが、何とも表現しがたく、とりあえずこの文言になって
います。

78ページ右段中央上の文中「産廃として追加」というのは、
「水銀含有ばいじん等」や「水銀使用製品産業廃棄物」に該当するものが
これまでは特別管理産業廃棄物扱いされたこともあったが、改正により
明確に区分され、普通の産廃に位置づけられた、という意味です。

さらに、タイトルで「産廃が追加」とあるのは、これまで法律上は廃棄物として
想定していなかった金属水銀を、「廃水銀」ということで、廃棄物に
位置づけた、という意味も含みます。
「産廃・特管産廃としての区分が追加」という表現でもよかったかもしれませんが、
悩んだ挙句、現状案となりました。

これ一つとっても、説明が難しい改正でした。
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