議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

一般廃棄物の越境委託 その4

2010年02月25日 10時02分22秒 | コンサル日誌
こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

一般廃棄物の越境委託の最終回です。

前回の話では、一般廃棄物委託基準によると、一般廃棄物処理計画に
従わない委託がありうるということが想定されている、という結論に
"一応”なりました。それが委託基準違反ではない、ということも
問題ないでしょう。

しかし、委託基準違反でなかったとしても、他の規定で「一般廃棄物
処理計画に従わなければ違反」となる可能性もあります。

で、関係しそうな条文は、これくらいでしょう。

****廃棄物処理法第3条第3項*****
事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理
の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。
********************

一般廃棄物処理計画の中で問題なく処理できるのであれば、従ってもいい
ですが、わざわざ越境委託したいケースとしては、市町村が受け入れ
できない、と断ってきた場合や、小さくカットしたものでないと、受け入れ
られない、と言っている場合がほとんどです。

これは、一般廃棄物処理計画が機能していないことを意味します。

であれば、協力もへったくれもないわけです。しかも、この条文の表現で
あれば施策への協力は、絶対的な義務ではないでしょう。

ということで、(特に上記のような事情があれば)排出事業者は一般
廃棄物処理計画に従う義理はないのではないかと思います。

■ただし
ただ、処理業者側はそうは行きません。一般廃棄物処理計画に従う
ということで許可を受けているので、一般廃棄物処理計画にない
処理を受託するわけにはいかないのです。
たとえば、、、

***法第7条第10項*********
 市町村長は、第六項の許可の申請が次の各号に適合していると認める
ときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一  省略
二  その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること。
以下省略
******************

ただ、排出事業者としては一般廃棄物を産廃業者に委託すると違反
になりますし、受託した処理業者も違反です。
一方、越境委託したら処理業者だけが違反です。
どっちが法律上マシかというと、結論は明らかです。

ということで、個人的には越境委託がお勧めです。

とはいえ、実務上マシなのは、、、ケースバイケースですねぇ。ハイ。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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事業系一般廃棄物を一般廃棄物処理計画で縛るのであれば、すべての
市町村が一般廃棄物の発生状況を把握して計画化する能力があることが
大前提です。

そんな非現実的なことやらなくていいので、一般廃棄物と産業廃棄物の
区分を見直しましょう、というのが結論でしょうか。
コメント

改正案文とハンドブック

2010年02月23日 13時31分27秒 | 政策提言
こんにちは、議論de廃棄物の堀口昌澄です。

すみません、一般廃棄物の越境委託のテーマの予定でしたが、
脱線します。


廃棄物処理法の改正案文を手に入れました。最終版かどうかは
分からないのですがたぶんほぼ確定でしょう。

■想定外①
想定外だったのは、建設廃棄物の排出事業者の元請一元化です。
私の持論(というかパブコメでも出した)の、連帯責任案と思われる
内容になっています。つまり、元請が請負契約をすれば下請けも
排出事業者になれるという内容です。
気持ち的には、広域認定に近いのでしょうか。もちろん、認定は不要
です。
 ↑最終案が変わってたらor私の理解が違ってたらすみません。

■想定外②
想定できたはずなのに見てからあわてたのは、事業場外の保管基準が
入ったために、法第12条第3項以降がずれてしまったことです。
委託基準ですよ!!修正点以外にも、条文を引用している各種資料を
修正しなければなりません。

正直、気が重いです。。。

しかし、私が大変だということは、他の方も大変なはずです!!

■何か必要なものありませんか?
ということで、改正対応のハンドブックを作れないかと画策中です。

案①:排出事業者を対象とした解説+対処方法をまとめたもの
案②:努力義務化される現地確認のハンドブック(チェックリスト付)
案③:すでに持続研で作っている、これも排出事業者向けの
   「廃棄物処理法の解説」を改正するだけ。

どれがいいのか、悩み中です。
もしよければ、どの案がよいのか、〔内容〕、〔価格〕、〔ボリューム〕
などについて皆さんのご希望を頂戴できればと思います。

え、タダじゃないのかって?いやぁ、生活かかってますんで。。。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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2/8のセミナーで募集した「廃棄物処理法はこうしてください!!」
アンケートですが、参加者の1割以上の方から反応をいただいて
おります。想像以上の反応です。ありがとうございます。

改正案出ましたが、これはこれで政省令や通知に反映できると
思いますので、いただいたアンケートは予定通り国に提出します。
コメント (2)

一般廃棄物の越境委託 その3

2010年02月19日 08時40分50秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

引き続き、一般廃棄物の越境委託についてです。

一般廃棄物の委託基準ができた当時、とある関係者間で交わされた
文書(要約)によると、
Q「この条文によると、一般廃棄物処理計画に従わない委託形態が
 ありうると読める。では、一般廃棄物処理計画は一般廃棄物に
 ついてどの範囲まで含めればよいのか?」
A「条文の作りこみ上そうなっただけで、すべての一般廃棄物は
 一般廃棄物処理計画の枠内にある」
ということだそうです。

■「条文の作りこみ上そうなった」とは?
つまり、作っていく過程で「一般廃棄物処理計画に従わない委託形態
がありうる」という条文になったということです。この読み方で正しい
ということです。
しかし、そうであったとしてもこれまでどおり一般廃棄物処理計画は
すべての一般廃棄物を含むべし、ということです。たしかに、説明と
してはそうなるのでしょう。

実はその頃、一般廃棄物の不法投棄の罰金が産業廃棄物のそれと
同額になったり、法第19条の4で一般廃棄物についても排出事業者
に措置命令をかけられるようになったりしました。
つまり、一般廃棄物も産業廃棄物も同じように罰則、行政処分が
できるようにしたのです。

でも、不法投棄されるということは、一般廃棄物処理計画に
従っていないということです。ですから、
「従う場合も従わない場合も、許可業者などに委託しなければならず、
無許可業者に委託したら罰則や措置命令対象になりますよ」という
表現にせざるを得なかった、と思われます。

だったらわざわざ「一般廃棄物処理計画に従って~」などと書かなけ
ればよかったと思うのですが、そもそも従うのが基本、ということで
最初の段階で入れてしまったのでしょう。その後、上記のような議論
になって、変な形になったのではないでしょうか。

ということで、この読み方はやはり、

**********
①一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を
 他人に委託する場合
②その他その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合
**********

つまり、計画に従う場合と、その他(=従わない場合)の2パターン
があるということなのではないでしょうか。

■越境委託はOKか?
で、ようやく本題です。越境移動するためには、処理計画に従わない
ことになるのですが、従わなくても大丈夫なのでしょうか。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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先日も環境省の方に聞いたところ、明文での根拠はないが、この読み方
になると説明を受けました。だから、これで大丈夫なハズです。

次号、本題に入ります。



※お知らせ
 先日「廃棄物処理法はこうしてください!!」アンケートのご案内を
しましたが、これの締め切りを3月5日まで延長します。日経BP社さんの
ECO JAPANメールでもご案内することになったためです。
よろしくお願いします。

「ECO JAPANメール」
 http://passport.nikkeibp.co.jp/bizmail/ecojap/
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一般廃棄物の越境委託 その2

2010年02月16日 13時22分36秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

一般廃棄物委託基準の続きです。

実は、前回ご紹介した下記ブログのコメント欄で議論された読み方
以外にも、もう一案あります。http://blog.goo.ne.jp/jizokukanou/e/70464dd7fc08dd1c0cbe74c08d36967b

それは、

*********
事業者は、一般廃棄物処理計画に従つて

その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合その他その
一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬
については第七条第十二項に規定する一般廃棄物収集運搬業者
その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する
一般廃棄物処分業者その他環境省令で定める者

にそれぞれ委託しなければならない。
*********

という形です。


つまり、「事業者は、一般廃棄物処理計画に従って、~中略~委託
しなければならない」ということです。計画に従わないと違反ですヨ
という読み方です。


しかし、それでは「事業者は、一般廃棄物処理計画に従つて」の
直後に、

**********
その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合
その他
その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合
**********

と、まったく同じ文章が2回繰り返されることになります。


これが正しいとすると、いくら何でもお粗末なミスということに
なります。


ここは、素直に

**********
①一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を
 他人に委託する場合
②その他その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合
**********

つまり、計画に従う場合と、その他(=従わない場合)の2パターン
があると見るべきでしょう。次号では、これについて解説します。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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一瞬、この読み方が妥当のような気がしましたが、たぶんナシ
でしょう。

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廃棄物処理法の改正に物申しましょう

2010年02月09日 10時10分09秒 | 政策提言
こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。


予定では一般廃棄物の越境委託の話でしたが、すみません、順番を
変更します。

昨日実施した
「(株)アミタ持続研設立1周年記念 廃棄物処理法改正動向セミナー」
は、おかげさまで大盛況のうちに終わりました。
午前、午後あわせて180名の方に参加していただきました。

改正内容、特に政省令はまだ内容が固まっていないはずですが、折角
多くの方が一箇所に集まったのだから、みんなで要望を出しましょう、
ということでFAXでアンケートを取ることになっています。

会場では記入用紙を配布したのですが、議論de廃棄物の読者の皆様にも
要望を出していただければと思い、ご案内させていただきます。
お知り合いで「あの人も要望がありそうだ」という方がいらしたら、転送
していただけると嬉しいです。


本メールにも添付しておりますが、以下URLからもダウンロードできます。
締め切りは2月19日(金)ですので、それまでにお願いいたします。
http://www.aise.jp/case/activities_04/questionnaire.pdf

********

「政治主導」という言葉がはやりですが、本来は国民主導です。

今回のアンケートで効果があるかどうかは分かりません。ただ、
そんなことをいって何もしないよりは、できるところから動いて
いきたいと思います。

投票するだけで後はお任せ、ではなく、現場からの要望をしっかりと
伝えて政治を変えていきましょう。
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一般廃棄物の越境委託 その1

2010年02月05日 12時13分48秒 | コンサル日誌
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こんにちは、議論de廃棄物の堀口です。

書き下ろし本の原稿の執筆がひと段落しました。これからが大変なの
かもしれませんが、ちょっと休憩です。

さて、一般廃棄物の越境移動について、私なりの結論を得ましたので
ご報告します。

まずは一般廃棄物委託基準から。

下記の記事のコメント欄で、法第6条の2第6項の一般廃棄物委託基準に
ついては、2通りの読み方ができるのではないかと議論しています。
http://blog.goo.ne.jp/jizokukanou/e/70464dd7fc08dd1c0cbe74c08d36967b

まず、1つ目は、「その他」で区分されるのではないか、という
読み方です。
条文に①、②・・と""を挿入してみます。

*********
事業者は、

①一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を
 他人に委託する場合
②"その他"その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合

には、その運搬については

③第七条第十二項に規定する一般廃棄物収集運搬業者
④"その他"環境省令で定める者

に、その処分については

⑤同項に規定する一般廃棄物処分業者
⑥"その他"環境省令で定める者

にそれぞれ委託しなければならない。
*********



これを要約+順序を入れ替えると

*********
①一般廃棄物処理計画に従って委託する場合は
③、⑤一般廃棄物の許可業者に委託
しなければならず、

"その他"
②一般廃棄物処理計画に従わずに委託する場合は
④、⑥専ら業者、市の委託を受けた業者、家電リサイクル業者等に委託
しなければならない
*********

ということになります。
奇数番号グループと偶数番号グループに分かれます。

もっと要約すると、

*********
奇数番号グループ=計画に従う場合は一般廃棄物処理業者に委託
偶数番号グループ=計画に従わない場合は専ら業者など許可不要の業者に委託
*********

ということです。

でもこれが正しいとすると、とんでもないことになります。

なぜなら、
*********
①一般廃棄物処理計画に従って委託する場合は、
④、⑥専ら業者、市の委託を受けた業者、家電リサイクルルート等に委託
してはならない
*********
ということになるからです。

たとえば、一般廃棄物処理計画に「紙は専ら業者に」と書かれている
場合に、「紙を専ら業者に」委託すると計画に従ったことになります。
しかし、計画に従って専ら業者に委託したら違反になるのです。

それも、5年以下の懲役1000万円以下の罰金の対象です。
こんなバカな話はありません。
しかも、これに該当していない会社など皆無に近いのではないでしょうか。

ということで、この読み方は却下したい(?)と思っているのですが、
その前に他の読み方について、次号でご紹介します。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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この件では、相当悩まされました。
日経エコロジーの2月号でもさらっと書きましたが、実は奥が深いです。
長くなるので3回くらいに分けるつもりですが、ご興味ある方は
お付き合いください。
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現地確認が熱い!!

2010年02月02日 14時02分54秒 | コンサル日誌
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現地確認は、明らかに今年のトレンドといって良いでしょう。

廃棄物処理制度専門委員会報告書では
「実地に確認することや産業廃棄物処理業者による情報提供等に
より確認することなどが考えられ」
ということですので、必ずしも現地確認の義務化ではないのですが、
これまで法律は現地確認に直接触れて来ませんでした。今回の改正
ではもっと踏み込んだ形になりそうですので、注目度が上がるのは
当然かもしれません。

その影響か、2/12に予定している現地確認(報告書では実地確認
と言っていますが、同じものとします)のセミナー参加者が過去最大
になりました。

現地確認編は、もうかれこれ5年近くやっているはずですが、満員
になったのは初回と今回だけです。満席と言っても21名なんですが、
4万2千円のセミナーですから皆さんの興味が並々ならぬものだという
ことが分かります。

これ以外にも、クライアントから直接オンデマンド型の研修として
現地確認を依頼されるケースが増えてきています。処理業者に実際に
訪問して見学したり、自社用に開発したチェックリストを使って
ロールプレイングしたり、色々な方法を提案しています。
そもそも、チェックリストの再整備が必要なことも多いですが。

■今年度予算、余っていませんか?
実は、4月22日(木)に、もう一度現地確認編をやります。
http://www.amita-oshiete.jp/seminar/program/000421.shtml
費用は、3月末にお支払いいただければ、4月以降のセミナーにも
参加できます。

本社、工場などで予算が余っているようでしたら、是非ご検討
ください。


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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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今回の参加者の多さには、正直驚いています。

確かに、改正内容について社内に説明する立場にある方は、ある
程度の知識は必要ですし、今後社内マニュアルを作成する必要も
出てくるでしょう。改正の方向性は悪くありませんが、小規模
事業者に過度な負担を押し付けることのないよう、妥当な改正
となることを期待しています。

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