議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

今年を振り返って

2016年12月28日 00時19分58秒 | コンサル日誌
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今年は、正月明けにアミタに転職する旨申し出たのがスタートでした。
18年間お世話になったわけですから、今年最大のイベントだったと
言えるでしょう。

その直後の、ビーフカツの横流し事件は、業界を揺るがす大事件でした。
世間ではココイチに同情票が集まりましたが、業界仲間の間ではココイチの
責任を問う声が主流なのですが、はてさて。。。

4月の転職後からは、実は結構事情が違うスクラップ業界を見聞し、
目から鱗が落ちまくりました。
さらに、小型家電リサイクルを半年担当し、工場、自治体の実情も
生の声を聴けましたし、国の認定制度の申請実務に携わりました。
その合間で、人材募集もしました。

10月からはメジャーヴィーナス・ジャパンという
「和製静脈メジャーになるぞっ!!」という会社に出向になりました。
これまでのキャリアで最も工場に近い場所で仕事をすることになったの
ですが、なんと収集運搬業の許可申請をしました。一生やることはないと
思っていたのですが、何事も自分でやるのが一番勉強になります。
今は、非常に興味深い内容のコンサルをやらせていただいていて、
しばらくはこれで手一杯です。
来年は、工場にもっと関わることになるはずです。

あんなに沢山やっていたセミナー、講演は、ほんの少ししかやりません
でした。
これは、たぶん来年以降は少しずつ増えると思います。

そして結局、ニュースレターが年内には出せず、心残りで申し訳ない
思いと焦る気持ちで一杯です。


<今年の総括>
お気づきになったかもしれませんが、今年はあれこれと沢山の勉強を
させていただきましたが、実は生産的なことは何も成し遂げていない
のです。

こんなことでいいはずがありません。

来年は、成果を出していく年にしたいと思います。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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来年は、廃棄物処理法改正ですね。

過去10年ほどの間、各種リサイクル法や通知で、廃棄物の定義、区分に
ジャブを入れる規定がありました(以前、環境新聞でも散々書きました)。

今回、「すき間」つまり有価物に規制が入るのは、廃棄物処理法本体へ
与えられる初めての直接的な衝撃です。
どんな頑丈な堤防でも、小さな穴から崩壊が始まる、ということで、
5年後の大改正に向けたよいきっかけになるのではないかと期待しています。

では、皆様よいお年を。来年もよろしくお願いします。
コメント

廃棄物処理法改正のパブコメ出ました

2016年12月26日 09時02分14秒 | ニュースクリッピング
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廃棄物処理制度専門委員会、前回15日の委員会を傍聴しました。多少の
コメントはありましたが、大幅な変更はなく、すんなり20日にパブコメが
出てきました。

http://www.env.go.jp/press/103385.html

■注目の第一点目は、
「(2)マニフェストの活用 イ 電子マニフェストの普及拡大」です。
電子マニフェストのシステムを改善することで、ビーフカツ横流し事件
のような不適正処理防止の切り札になる、的な論調が当初ありましたが、
私の周囲の人は軒並み懐疑的です。

それでも、今回の報告書案では、

 「電子マニフェストシステムへの不適正な登録・報告内容の疑いの
  検知や、関係業者への警告に資するよう同システムの改善を行う」

とされています。
さて、どうなるのでしょうか。

いずれにせよ、これをきっかけにマニフェストシステムの総点検をしている
ので、その結果が楽しみです。個人的には、紙だろうが電子だろうが、
単なる書類に過度な期待をしているのは、現場の実務を知らない方々の
夢想に過ぎない、という意見です。
「事件(誤魔化し)は現場で起こっている」のですから。

そして、電子マニフェストの義務化論です。これまで特管か多量か、
どちらかからスタートできないか、という話がありましたが、どうやら
特管+多量の両方の場合に、何らかの形、例えば努力義務的な感じになる
のではないかと思います。

そんなの困る、という方はコメントを出してください。委員会でも散々
くぎを刺されていましたので、パブコメは影響力あるかもしれません。


■次は、大したことではありませんが(失礼)、
「(5)廃棄物処理における有害物質管理の在り方 ア情報提供」です。
メインはWDSの運用強化です。また様式が変わるかもしれません。

■最大の注目は
「(7)廃棄物等~ 
  ア有害特性を有する使用済み物品の健全な再生利用の推進」
でしょう。
いわゆる、「すき間」と言われているところです。

使用済電気電子機器等が雑多な物と混ぜられた金属スクラップ
(雑品スクラップ)の規制です。私の勤務先がスクラップに強い
というだけで「最大の注目」と言っている訳ではありませんよ。

廃棄物である可能性すらないものに対してまで、廃棄物処理法の
規制が初めて(たぶん)及ぶかもしれないのです。

先行事例として参考にされている鳥取県条例はこちらです。
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/1018919/manual.pdf

鳥取では、使用済物品回収業の届出制度や保管基準の適用、
違反時の行政処分や罰則があるようです。

とりあえず、業を営む側への規制にしか言及がありませんが、
だからと言って委託する側に、何の責任も課せられないとは
言い切れません。
仮に法的義務がなかったとしても、排出者としてはこれまでとは
違う配慮が求められるべきでしょう。
それどころか、現地確認で業者選定をしている産廃業者より、
スクラップ業者との取引のほうが怪しげな可能性が高いかも
しれません。

ということで、スクラップの売却先であっても、現地確認と
契約書の作成くらいはする心づもりでいるべきでしょう。

そして問題は、雑品スクラップだけではなく、どうやら不起訴処分
となった大同特殊製鋼の事例からもわかる通り、有害であっても
有価売却であれば規制ゼロ、という現状です。
これはよい機会ですので、一緒に何とかしたいところです。
http://www.sankei.com/region/news/161223/rgn1612230012-n1.html

■(8)優良な循環産業の更なる育成
これは、優良認定の話ですが、基準の見直しと、優良業者への
優遇措置の検討などなどがあります。これも、ご要望があれば
コメントされてもよいでしょう。

■長年の懸案事項として
(11)廃棄物処理法に基づく各種規制措置等の見直し

 ア 親子会社間における自ら処理の拡大
があります。

同じ工場内の親会社が子会社の廃棄物を処理する場合、自ら処理
として業許可不要としてほしい、という話です。
条件が厳しくなると意味がなくなるので、関係される方は、
自社の状況とそれを踏まえた条件案を出してもよいでしょう。
個別の会社の事情だからと言って、遠慮しなくてよいと思います。

 イ 許可申請等の負担軽減や合理化
も、毎度テーマに上がっていますが、どうでしょうか。
普段から思っている不満があるなら、今言うしかありません。

■自治体による解釈の違い
(12)地方自治体の運用
ということで、自治体間での情報交換をしましょう、という話ですが、
グレーゾーンについての解釈の共通化をして、文書化してもらえれば
ありがたいところですが、さてさてどうなるでしょうか。

どっかのコンサルを挟まないと難しいかもしれません。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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■番外編〜卒業基準〜

EUの動向にも影響されているのでしょうか、廃棄物が廃棄物で
なくなる場合の卒業基準を作ってはどうか、という提案が委員会で
ありました。

私としては、卒業だけでなく、そもそも廃棄物ではないモノの
リストが欲しいです。この辺を明確に、しかも有価・無価に
とらわれずに整理できれば、それだけで資源循環は効率化する
と思います。

よく考えると、今回の「すき間」規制は、
「これは廃棄物だよ」リストに近いです。

この辺が徐々に変わっていくと、10年後には廃棄物処理法は
全く違う法律になっていたりして。

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